HPが15.6インチと大型サイズのコンバーチブル2 in 1(キーボードが分離せず、ヒンジが360度回転するタイプの2 in 1)「ENVY 15 x360」を発売しました。「15.6インチのコンバーチブル2 in 1」は従来非常に数が少なかったのですが、ここにきてたて続けに新製品が発表・発売されています。
DELL XPS 15 2-in-1 - Kaby Lake G搭載!超コンパクトな15.6インチ2 in 1、最新テクノロジー満載
HP Spectre 15 x360 - 15.6インチでKaby Lake G搭載の「アメリカンサイズの2 in 1」が登場!日本で人気となるか?
DELL XPS 15 2-in-1とHP Spectre 15 x360の2機種は、ともにKaby Lake G(IntelのCPUとAMDのGPUがセットになっているもの)を搭載するハイエンドモデルです。また、HPは「Spectre」と「ENVY」という、同社のプレミアムブランドから、スペックやデザインの異なる15.6インチ コンバーチブル2 in 1をほぼ同時にリリースしたことになります。
DELLもHPも世界有数のパソコンメーカーで、ともに米国企業です。この2社が「アメリカンサイズの2 in 1」をほぼ同時にリリースした、というのがちょっとおもしろいですね。
1.スペック
これまで何度か記事中で触れてきましたが、日本HPでは「SpectreもENVYもプレミアムラインだけど、Spectreがちょっと上、という位置づけにしたい」との意向があるようで、この製品も十分高性能ながら、Spectre 15 x360よりも若干おとなしくなっています。CPUは一般的な上級ノートPCに搭載される第8世代(Kaby Lake R)のCore i5-8250UもしくはCore i7-8550Uで、Kaby Lake Gを搭載するSpectreとは異なります。
RAMは8GB(Core i5モデル)/ 16GB(Core i7モデルの一部)で、ストレージは「1TB HDD + Optaneメモリ16GB(Core i5モデルの一部、Optaneメモリをセットすることにより、通常のHDDよりも高速)」「256GB SSD + 1TB HDD(Core i5モデルの一部とCore i7モデル)」の2種類が設定されます。ここでも「RAM16GB、ストレージ512GB SSD/1TB SSD」となるSpectreとは違ってますね。
ディスプレイは15.6インチでタッチ対応のIPS液晶、FHD解像度となります。ディスプレイでもやはりSpectre(4Kディスプレイ)よりスペックが落ちます。また、1,024段階の筆圧に対応する「Spectre アクティブペン」が同梱されます。なぜかペンだけ「Spectre」の名称が使われています。
入出力ポートは、15.6インチとしては少し少なめかな、と思いますが、USBポートは3つありますし、コンバーチブル2 in 1筐体になっていますので、こんなものかな、とも思います。
ではサイズについて、DELL XPS 15 2-in-1、HP Spectre 15 x360と比較してみましょう。
ENVY 15 x360: 359 × 245 × 19 – 20 mm / 2.11 kg
Spectre 15 x360: 359 × 249 × 19-21 mm / 2.13 kg
XPS 15 2 in 1:: 354 × 235 × 9-16 mm / 2 kg
うーん、ちょっとコメントに困る感じ…。ただ、やはりXPSは小さくて薄いですね。これは間違いないと思います。一方、Spectreとの比較だと「いい勝負かな」というくらいの感想しかありません。少なくともサイズという点ではSpectreとENVYに大きな差はないようです。
2.筐体
ENVYって、上品なゴールド、あるいはシルバーの筐体色をイメージするのですが、この製品は「ナチュラルシルバー」で、少なくとも私のイメージ通りです。先日リリースされた「ENVY 13 x360(13.3インチ2 in 1)」がなぜかSpectreっぽい「ダークアッシュブラック」だったのが少し不思議に思われましたが、15.6インチのほうは見るからにENVYという感じがします。
もちろん左右のベゼルは非常に細くなっていて、Spectre 13 x360と筐体の横幅が同じなので、おそらくベゼル幅も同じだと思われます。筐体素材はアルミニウムで、ENVYシリーズに採用される「梨地加工(表面がわずかにざらついていて、手によくなじむようになっています)」が施されます。
天板です。このアングルから見ても、「やはりENVY」という感じですね。背面付近の造形はクラムシェルとは異なっているのですが、直線的にカットされたデザインはENVYのイメージを踏襲しています。また、天板のロゴは通常のHPロゴではなく、プレミアムラインの製品にのみ使われるデザインになっています。
コンバーチブル2 in 1なので、テントモード(上の画像)やタブレットモード(下の画像)、そしてスタンドモードと、フレキシブルに筐体を変形させることができます。特に映画(動画)を視聴したり、スタイラスペンでイラストを描くなどの場合、これらのモードは便利に使えると思います。
左側の画像(背面のアップ)は、最新のENVYに使われている「ダマスカス模様」です。高級なナイフや包丁に使われるダマスカス鋼をモチーフにした模様になります。また、スピーカー(右の画像)はキーボード面に配置され、もちろんHPお得意のBang & Olufsenです。ただし、2 in 1筐体ということもあり、クアッド(4)スピーカーではなく、通常の2スピーカーです。
すみません、キーボードの拡大画像が入手できませんでした。気合を入れてこの画像を見ていただければ、この製品のキーボードは通常の15.6インチのノートPCと同じく、テンキー付きであることがわかると思います。また、日本向けの仕様としては「105キーJIS標準準拠」で、キーピッチは 18.7 × 18.7 mm、キーストロークは約1.5mmとなっています。バックライトも装備されます。
側面と入出力ポートの配置です。2 in 1なので電源ボタンと音量ボタンが側面に配置されるほか、指紋センサーも側面にあります。この製品の生体認証は指紋認証のみで、顔認証には対応しません。
3.価格など
HP ENVY 15 x360はHP Directplusで販売中で、6月26日現在の価格は106,800円(115,344円)から、となっています。さすがにすべて10万円以上という価格帯になりますが、Spectre 15 x360の半値くらいですね。
先にSpectreのほうをじっくり調べたこともあり、このENVYはずいぶんと割安な印象があります。Spectreはまさにハイエンド、という感じですが、ENVYのほうも十分にハイスペックな構成になっていますしね。
ここのところ米系メーカーからたて続けにリリースされている大型の2 in 1ですが、日本でも人気となるんでしょうか?仮にこの製品をモバイルマシンと考えた場合、米国はクルマ社会ということで、筐体重量なんかはあまり重視されないのかもしれないですけど、日本だと2キロ越えの筐体重量がネックになりそうな気もしないではないです。ただ、ENVYに関して言えば、スペック面で同等のクラムシェルのスタンダードノートと比較しても高いとは感じません(手書き入力もできますしね)ので、スタンダードノート的な位置づけとしては素晴らしいでしょうね。