Dynabookが6月15日に発表したスタンダードノートのうち、この記事では「プレミアムスタンダードノート」の「dynabook T9 / T8」をご紹介します。この製品はディスプレイサイズが16.1インチと、通常の15.6インチよりも少しだけ大きく、しかし筐体サイズは既存の15.6インチノートとほぼ同じ、という、ちょっと個性的なスペックです。
1.スペック
dynabookのPCには「店頭向けモデル」と「Webオリジナルモデル」があり、ウインタブでは通常、注文時に構成のカスタマイズができるWebオリジナルモデルの方を優先してご紹介しています。「Tシリーズ」というのは店頭向けモデルに使われる型番で、Webオリジナルモデルだと「AZシリーズ」となるのですが、6月15日現在、AZシリーズのほうはまだニューモデルになっていませんので、この記事では店頭向けモデルのTシリーズのほうをご紹介します。
Tシリーズには「T4/T5/T6/T7/T8/T9」の6モデルがありますが、T8とT9のみ「プレミアム」という位置づけになります。2020年夏モデルではCPUが最新のものに切り替わりました。ともに第10世代(Comet Lake)で、T8がCore i7-10510U、T9がCore i7-10710Uで、一見すると「似たようなCPU型番」なのですが、性能面では結構な差があります。Core i7-10510Uというのは他社の上位クラスのスタンダードノートやモバイルノートに広く使われているもので、非ゲーミングノート・非クリエイターノートとしては「普通にハイエンド」です。一方、Core i7-10710Uというのは型番末尾Uの省電力タイプでありながら6コア12スレッドになっていて、ゲーミングPCなどに使われているCore i7-10750Hあたりと大差ない性能になっています。日本市場向けノートPCではCore i7-10710Uの搭載例は多くはなく、スタンダードノート用としては「すごく高性能」と理解していいです。
となると「GeForceは?」と期待してしまいますが、残念ながらT8/T9には外部GPUの設定はありません。また、RAMはT8が8GB、T9が16GBと、CPU性能から見て妥当な容量という感じです。ストレージはT8/T9とも256GB SSD+1TB HDDです。
Dynabook T8 / T9は光学ドライブを搭載しています。しかもブルーレイですね。現状映画などはWebのストリーミング視聴が主流になっているかと思いますが、Dynabookの製品は依然として光学ドライブをきっちり積んでいます。
冒頭に書かせていただいたとおり、T8/T9の最大の特徴はディスプレイサイズです。T4~T7とほぼ同サイズながら、T8とT9のみディスプレイサイズが16.1インチです。もちろんIPS液晶でFHD(1,920 × 1,080)解像度、ノングレアタイプ。Dynabookでは「高輝度・高色純度」を謳っていて、実際Dynabook PCのディスプレイ品質は非常に高いので、この製品のディスプレイ品質も疑いの余地はないでしょう。
通信まわりではWi-Fi6(ax規格)に対応します。また、入出力ポートはUSBポートが合計で4つ、HDMIに有線LAN、フル規格(micro規格ではない)SDカードリーダーと、スタンダードノートとして十分な構成になっていると思います。
サイズは、まあ確かにdynabookのTシリーズ(15.6インチ)と同じなんですが、2020年の15.6インチノートというのは概ね横幅が360 mm前後なんですよね。もちろん一部380 mmクラスの筐体の製品もあることはあるんですけど…。他社が「サイズを詰める」ことに注力している中、Dynabookは「サイズはそのままにしてディスプレイを大きくする」という手法を取った、ということです。これって、アイデアとしては素晴らしいと思いますし、私達ユーザーにとっても製品選びをする上での判定要素が増えた、ということで歓迎すべきかと思います。
2.筐体
横幅が380 mmに近い場合、15.6インチノートだとベゼル幅がかなり太くなってしまいますが、16.1インチだと自然な感じに見えますね。それと、この淡いゴールド(サテンゴールドといいます)は、個人的に「東芝時代からのdynabookのイメージ」です。また、上部ベゼルのWebカメラは顔認証に対応し、一緒に写っているマウスは店頭向けモデルの付属品となります(USB無線タイプです)。
天板です。筐体はおそらくプラスティック製ですが、ご覧のように美しい光沢を放ち、とても高級感があります。
キーボードです。筐体サイズが大きめなので、テンキー部分も含め配置に余裕があります。主要キーのキーピッチは19mm、キーストロークは1.5mmと開示されています。上部にあるメッシュ状の部分がスピーカーで、ONKYOと共同開発したものです。しかし、高級感ありますね…。
筐体色は「サテンゴールド」のほか「スタイリッシュブルー」を選べます。スタイリッシュブルーのほうはドット状(よく見るとDynabookのロゴも混ざっています)の模様が入っています。
前面と側面です。前面にはSDカードリーダーがあります。光学ドライブは右側面ですが、その割に左右側面にバランス良くポートが配置されていると思います。
3.価格など
dynabook T8/T9は6月19日から順次発売される予定で、店頭予想価格はT8が20万円前後、T9が22万円前後(いずれも税抜き価格)となっています。また、この価格にはワイヤレスマウスとMicrosoft Office Home&Business 2019を含みます。
公表されている予想店頭価格だと、(Officeが入っていることもあり)少々高価に感じられますが、カスタマイズが可能なWebオリジナルモデル(AZシリーズ)が追加されれば不要なものを削ることができそうですし、Dynabook Directの会員価格(会員登録は無料)はかなり割引率が大きく、外資系メーカー製品に引けを取らないくらいに割安に購入ができます。おそらく近日中にWebオリジナルモデルが発売されると思いますので、期待して待ちましょう。
4.関連リンク
dynabook T9・T8:Dynabook