Dynabookがモバイルノート「Rシリーズ」の2023年モデルを発表しました。Rシリーズはディスプレサイズが14インチの、Dynabookモバイルとしては最上位に位置する「プレミアムモバイルノートPC」です。この製品にはカタログモデルのRシリーズとWebオリジナルモデルのRZシリーズがあり、ウインタブ読者向けには注文時にシステム構成の選択肢が多いRZシリーズがおすすめなのですが、現時点でRZシリーズのニューモデルはまだリリースされていませんので、この記事ではまずRシリーズについてご紹介します。
1.dynabook R8/R9 スペック
スペック表
dynabook R8/R9 | |
OS | Windows 11 Home |
CPU | Intel Core i7-1360P |
外部GPU | なし |
RAM | 16GB/32GB(LPDDR5-4800) |
ストレージ | 512GB PCIe SSD |
光学ドライブ | なし |
ディスプレイ | 14インチ(1,920 x 1,200) |
ネットワーク | Wi-Fi6E(802.11 a/b/g/n/ac/ax)、Bluetooth 5.1 |
入出力 | USB4 Type-C(Thunderbolt 4)× 2、USB 3.2 Gen1 Type-A × 2、HDMI、オーディオジャック、LAN(RJ45)、microSDカードリーダー |
カメラ | Webカメラ(92万画素) |
バッテリー | 駆動時間 約20.5-24時間 |
サイズ | 312.4×224.0×15.9 mm |
重量 | 940 g – 1.05 kg |
バリエーションモデル
・R8:RAM16GB/ステレオスピーカー搭載
・R9:RAM32GB/2Way4スピーカー搭載
コメント
RシリーズにはもともとCore i5搭載のR6、Core i7搭載でステレオスピーカー搭載のR8、Core i7搭載で2Way4スピーカー搭載のR9がありますが、2月10日にリリースされたのはR8とR9のみです。
スペック表の上での変更点は少なく、CPUが第13世代(Raptor Lake)のバランスタイプ、Core i7-1360Pです。従来モデルに搭載されていた第12世代のCore i7-1260Pからの変更点は動作周波数ですね。
一応Passmarkがベンチマークスコアを公開していました。ただし、サンプル数が「1」なので、信頼性は低いです(今後サンプル数が増えるに従って公表スコアが大きく変化する可能性があります)。1260Pとはコア数、スレッド数が同じで、公表されている範囲だとターボブースト時の周波数および内蔵GPU、Iris Xeの周波数が上昇しています。なので、ある程度のパフォーマンス向上は果たしているものと思います。
RAMはR8が16GB、R9が32GBで、「増設不可」とメーカー公表資料に明記されていましたので、おそらくオンボードだと思います。また、SSDはR8、R9とも512GBです。
ディスプレイは14インチのWUXGA解像度(1,920 × 1,200)で「高輝度・高色純度・広視野角」という説明がありましたので、発色品質は高いものと思われます。ただし、Gシリーズ(GZシリーズ)やSシリーズ(SZシリーズ)には明記されている「IGZO」という表記はありません。
また、2023年モデルとなり、Eyesafe2.0(ドイツのテュフ・ラインランドが定めたブルーライト放出に関する安全指標)/RPF50(ブルーライト低減のレベルを示す指標で、数値が大きいほど目に対する保護が強化される)の認証を取得しています。
通信まわりではWi-Fi6E(6GHz帯)に対応しましたので、(対応するルーターは必要ですが)より途切れにくい通信が可能となっています。なお、既存の「G/GSシリーズ、Rシリーズ、Vシリーズ」の一部モデル(発売時期が新しいもの)についても順次OTA(Windows Update)でWi-Fi6E対応となります。
その他、従来モデルからの変更点として「AIカメラエフェクター」の機能が強化されています。カメラの映像からAIが人を識別し、背景フィルターをかけたり、明るさを補正しカメラ映りを改善したりすることで、オンライン会議に適した映像に整えてくれるほか、新たにPC内にある画像を背景画像に選択できるようになりました。
2.dynabook R8/R9 筐体
筐体サイズ、筐体色(ダークテックブルー)は従来モデルから変わっていません。マグネシウム合金を採用した筐体は、重さ1キロ前後と非常に軽量です。
天板も全然変わっていないですね。もともとDynabookのPCは非常に厳しい耐久テストを実施していますが、Rシリーズもその例にもれず「MIL規格に準拠した耐久テストをクリアしています。
キーボードはR8とR9とも「86キー(JIS配列準拠)、キーピッチ:19mm、キーストローク:1.5mm」と開示されていますが、細かい仕様が異なります。R9のみバックライトを搭載しており、両サイドにスピーカーを備えています。Rシリーズは底面にもステレオスピーカーを搭載していますので、R8は「ステレオスピーカー」、R9は「底面のステレオスピーカーに加え、キーボード面のスピーカーを合わせた2Way4スピーカー」搭載です。
側面と入出力ポートの配置です。ここも従来モデルから変わっていませんが、1キロ前後の軽量筐体ながらUSBポートが合計で4つ、HDMIにmicroSDカードリーダー、そして有線LANポートと、「軽量化を理由として端折るようなことはしていない」ですね。富士通製品もそうですが、こういうところがDynabookの素晴らしいところだと思います。
3.dynabook R8/R9 価格など
dynabook R8/R9は2月17日から家電量販店などで順次発売となり、店頭予想価格(税込み)はR8が27万円台半ば、R9が30万円台後半、となっています。なお、R8、R9ともMicrosoft Office Home&Business 2021が付属します。また、WebオリジナルモデルのRZシリーズについては2月10日現在、まだ最新モデルが発売されておらず、製品ページもない状態です。
ウインタブとしてはdynabook Rシリーズは「モバイルノート選びで最も有力な選択肢の一つ」だと思っています。「CPUが第13世代になった」というのが従来モデルからの最も大きな変更点ですが、それ以外は従来モデルとの差はあまり感じられません。とはいえ、少なからぬお金を支払って(Rシリーズのような)上位クラスのモバイルノートを購入する場合、CPUが新しい、というのは大きなメリットだと思います。
4.関連リンク
dynabook R:Dynabook