DELLが15.6インチサイズのハイスペック・ノートPC「Inspiron 15 7000(7590)」を発売しました。Inspiron 7000というのはDELLのInspironブランドの中では最上位に位置します。またInspiron 15 7000という製品は以前から存在していましたので、「モデルチェンジした」ということになりますが、その内容が半端ありません。製品概要を確認して「すげー!」と思いました。どこがすごいのかは、このあと…。
1.スペック
CPUと外部GPUは普通のスタンダードノート(この製品の場合モバイルノートと言ってもいいかも)用とは言えないです。CPUは第9世代のCore i5-9300H/Core i7-9750Hで、ゲーミングノートなどに使われる型番末尾Hの高性能タイプです。外部GPUもGeForce GTX1050 / GTX1650なので、エントリークラスのゲーミングノートに使用されているものと同じです。この部分だけ見ればInspiron 15 7000はオンラインゲームも十分こなせると思われます。
RAMは8GBしか選べません。ビジネス利用であれば8GBという容量は悪くないと思いますが、この製品の場合CPUとGPUが非常に強力なので、RAMも16GBを選択できるとさらに良かったと思います。ストレージはCore i5モデルが256GB SSD、Core i7モデルが512GBで固定され、容量をカスタマイズすることはできません。
ディスプレイは15.6インチのFHD解像度で「WVA」という形式になります。先日紹介したInspiron 13 5000でもこの形式が採用されているのですが、ウインタブではいまのところこのディスプレイに品質については説明ができません。また、DELLの製品ページの説明文には「IPSディスプレイ」という表現もありまして、正直なところどれが正しいのかわからないですね。DELLでは「72 %色域の300ニット」とか「どの角度からも美しく」という説明もしていますので、最低限「IPS相当」の品質とは言えるでしょう。
入出力ポートはUSBに関しては十分な数が装備されていると言えます。一方で15.6インチサイズということを考えれば有線LANポート(RJ45)があったほうがいいと思いますし、SDカードリーダーもmicro規格ではなくフル規格にしてほしかったところです。
サイズは「すごい」ですね。この製品はCPUとGPUの性能が非常に高く、ゲーミングノートに匹敵する内容になっているにもかかわらず、15.6インチサイズにして横幅はわずかに357 mm、重量も1.59 kgにおさめています。ウインタブの勝手な主張として「モバイルノートは1.5 kg」というのがありますが、この製品のスペックとディスプレイサイズを考慮すれば、「これはまあ、モバイルノートとみなせる、ということでいいかな」と甘口の評価になってしまいます。
2.筐体
ディスプレイのベゼルは非常に細いです。横幅357.56 mmというのは15.6インチサイズのノートPCとしては最小クラス(世界最小ではないと思います)と言ってよく、ベゼル幅が細いのも納得です。
天板です。いまのところ(6月9日現在)筐体色はブラックのみとなっています。素材はマグネシウム合金で、この素材は軽量なモバイルノートや2 in 1に使用されているケースが多いですが、スタンダードノートに使われるのは珍しいと思います。筐体重量を軽くすることができた要因と言えるでしょう。
もうひとつびっくりしたのが、「キーボードにテンキーがある」ことです。15.6インチサイズなのでテンキー付きキーボードが装備されるのは当たり前といえば当たり前ですが、最近の「横幅が360 mmを切る」15.6インチノートPCではむしろテンキーを廃止する傾向があり、さらにDELLはもともと15.6インチノートにテンキーを装備しないモデルをラインナップしていたので、この超コンパクトなInspironにテンキーをつけた、というのは予想外でした。
また、画像にあるように、キーボードにはバックライトも装備されます。
側面と入出力ポートの配置です。「1.micro SDカードリーダー、2.USB 3.1 Gen 1、3.オーディオジャック、4.DC-IN、5.HDMI、6.USB 3.1 Gen 1、7.USB 3.1 Gen 1、8.USB Type-C(Thunderbolt 3)」です。
3.価格など
DELL Inspiron 15 7000 (7590)はDELL公式サイトで販売中で、6月9日現在の価格は112,033円(120,995円)から、となっています。ゲーミングノート(エントリークラス)に匹敵するパフォーマンスが期待でき、さらに15.6インチとしては極めてコンパクトかつ軽量な筐体を備えているのが魅力です。
この製品の紹介記事を書いていて思い浮かんだのが「MSI PS63 Modern」です。製品特性が非常によく似ているんですよね。しかし、ディテールでは見逃せない違いもあります。例えばCPU(PS63はWhiskey LakeのCore i7)とかテンキーの有無(PS63にはテンキーがありません)とか…。比較検討が楽しくなりそうです。
Inspiron 15 7000(7590)はこれまでの「Inspiron 15のイメージ」をぶっ壊すくらいに大きく変わったと思います。購入を検討したくなる製品ですね!