ASUSがノートPC「Vivobook 16 M1607KA / Vivobook 14 M1407KA」を発売しました。この製品については今年2月にIntel版/Snapdragon版とあわせて紹介記事を掲載済みなのですが、本日ASUSより「AMD版にCPUの異なるバリエーションモデルが追加」とのプレスリリースが出ました。
1. スペック表
項目 | 仕様 |
---|---|
OS | Windows 11 Home |
CPU | AMD Ryzen AI 5 330 Ryzen AI 5 340 / Ryzen AI 7 350 |
RAM | 16GB (DDR5-5600, オンボード) SODIMMスロット空き×1 |
ストレージ | 512GB SSD(PCIe4.0 ×4接続) |
ディスプレイ | 14インチ (1,920×1,200) 60Hz 16インチ (1,920×1,200) 60Hz |
無線通信 | Wi-Fi 6、Bluetooth 5.3 |
ポート類 | USB 3.2 Gen 1 Type-C (映像/PD対応)×2 USB 3.2 Gen 1 Type-A×2、HDMI オーディオジャック |
カメラ | Webカメラ (207万画素) 顔認証対応 |
バッテリー | 動画再生 約6.2時間 |
サイズ | 14:315.2×223.4×17.9-19.9 mm 16:357.0×250.6×17.9-19.9 mm |
重量 | 14:1.54 kg / 16:1.88 kg |
2. CPU
冒頭にも書きましたが、この記事は「既発売の製品にCPUの異なるバリエーションモデルが追加された」ということです。
Vivobook 16 M1607KA(16インチ):
(従来)Ryzen AI 5 340/Ryzen AI 7 350→(追加)Ryzen AI 5 330
Vivobook 14 M1407KA(14インチ):
(従来)Ryzen AI 5 340→(追加)Ryzen AI 7 350
Vivobook 16ではRyzen AI 5で「330」と「340」がラインナップされる(併売される)ことになりましたが、330と340はかなりスペックが異なります。
330:4コア(Zen5×1、Zen5c×3)8スレッド、GPUはRadeon 820M(2グラフィックコア)
340:6コア(Zen5×3、Zen5c×3)12スレッド、GPUはRadeon 840M(4グラフィックコア)
ともにコードネーム「Krackan Point」で最大50TOPのNPUを内蔵するCopilot+ PC対応の型番ながら、コア数/スレッド数が異なり、内蔵GPUも違います。残念ながらこの記事執筆時点ではRyzen AI 5 330のベンチマークスコアはPassmarkで公表されていないため、具体的にどのくらいの性能差があるかはなんとも言えませんが、CPU/GPU性能には結構大きめの差があるのではないか、と推測します。
3. RAM/SSD/ディスプレイ
RAMは全モデル16GBで、「オンボード+SODIMMスロット1」という構成です。つまりスロットが1つ空きになっています。最大搭載容量はオンボード分を含め32GBです。SSDは全モデル512GBです。

Vivobook 16 M1607KA
ディスプレイはVivobook 14が14インチ、Vivobook 16が16インチ、いずれも解像度は1,920×1,200でノングレアタイプ、リフレッシュレートは60Hzと標準的な仕様です。タッチ対応ではありません。
4. 筐体
サイズとキーボード仕様を除き、Vivobook 16と14はほぼ同じ外観です。そのため、この記事では主にVivobook 16の画像を使って説明します。
筐体はMIL規格(MIL-STD-810H)準拠の堅牢性を備えています。メーカーサイトに詳しい説明がありませんでしたが、おそらく金属素材が使われていると思います。筐体色は「クワイエットブルー」のみが設定されています。
キーボードです。上がVivobook 16でテンキー付き、下がVivobook 14でテンキーレスです。この画像では英語配列になっていますが、日本仕様は日本語配列で、キーピッチは19.05 mmと標準的、キーストロークは1.7 mm(ノートPC用としてはやや深めです)、キートップ中央に0.2 mmのくぼみが設けられ、指のかかりが良くなっています。
タッチパッドはジェスチャ対応です。この画像では「左右の端をスライドさせて音量と輝度の調整ができる」という説明で、この他に「上端を左右にスライドすると動画の早送り・巻き戻しができる」という機能もあります。
側面と入出力ポートの配置です。USBポートは合計で4つ、うち2つがUSB Type-C(映像・PD対応)です。
5. 価格など
ASUS Vivobook 16 M1607KA / Vivobook 14 M1407KAはASUS Storeで販売中で、8月15日現在の価格は下記のとおりです。
Vivobook 16 M1607KA:
・AI5165W(Ryzen AI 5 340): 104,800円(セール価格)
・AI7165W(Ryzen AI 7 350):124,800円(セール価格)
・AI5165W3(Ryzen AI 5 330):159,800円
・AI5165WS3(Ryzen AI 5 330, Office):179,800円
・AI7165WS(Ryzen AI 7 350, Office):189,800円
Vivobook 14 M1407KA
・AI5165W(Ryzen AI 5 340):149,800円
・AI5165WS(Ryzen AI 5 340, Office):179,800円
・AI7165W(Ryzen AI 7 350):149,800円
・AI7165WS(Ryzen AI 7 350, Office):169,800円
モデルを追加した直後ということで、価格設定がアンバランスと感じます。Ryzen AI 5 330についてはまだベンチマークスコアが出回っていないため、確実なことは言えませんが、上で説明した通り、CPU仕様から見た性能は明らかにRyzen AI 5 340のほうが上と思われます。それを踏まえると、Vivobook 16の104,800円モデルはめちゃめちゃお買い得と感じられますね。Ryzen AI 7 350のOfficeなしモデルについても同じことが言えます。
また、Vivobook 14のほうは、今回追加されたRyzen AI 7 350モデルが既存のRyzen AI 5 340モデルと同価格なので、Ryzen AI 7 350モデルにしない理由はありません…。個人的にはVivobook 16のRyzen AI 5 340モデルは「Copilot+ PCとしては激安」かと思います。
6. 関連リンク
2014年にサイトを開設して以来、ノートPC、ミニPC、タブレットなどの実機レビューを中心に、これまでに1,500本以上のレビュー記事を執筆。企業ではエンドユーザーコンピューティングによる業務改善に長年取り組んできた経験を持ち、ユーザー視点からの製品評価に強みがあります。その経験を活かし、「スペックに振り回されない、実用的な製品選び」を提案しています。専門用語をなるべく使わず、「PCに詳しくない人にもわかりやすい記事」を目指しています。
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