ASUSが米国ラスベガスで開催されるCES 2019に先立ち、13.9インチモバイルノート「ZenBook S13(UX293FN)」を発表しました。ん?S13?つい最近日本でも発売されたような…と思ったのですが、それは「VivoBook S13」で、今回発表されたのは「ZenBookのS13」です。ASUSのノートPCブランドとしては「ZenBook」が最上位になりますので、こちらのほうがスペックになっています。
1.スペック
CPUはWhiskey LakeのCore i5もしくはCore i7で、RAMは8GB/16GB、ストレージは最低でも256GB SSD、最大で1TB SSDです。そして、外部GPUのGeForce MX150まで搭載します。GeForce MX150はGeForceシリーズとしては下位モデルで、本格的にオンラインゲームをするには少々力不足であるものの、グラフィック関係の作業などをする際には強力な武器となるでしょう。
ディスプレイはちょっと変則的というか、一般的なモバイルノートで13インチといえば「13.3インチ」となるところ、この製品は13.9インチと、少し大きめになっています。製品名が「S13」ではありますが、実質的には14インチサイズと考えるべきでしょう。
入出力ポートはUSB Type-C × 2、フルサイズ(Type-A)USB × 1と、薄型ゆえにType-C主体となるものの、USBポートの数としては十分かと思います。ただしHDMIなど映像出力専用のポートはなく、SDカードリーダーもmicro規格となります。
バッテリー稼働時間はメーカー公称値で最大15時間と長いです。最近長時間稼働を売りにする製品が増えているようですが、実際の稼働時間と公称値の乖離が大きいものもあり、このへんは実機を試してみないとなんとも言えません。
サイズのほうはこの製品が13.9インチサイズであることを考慮すれば、かなり小さいと思います。14インチサイズとなりますが、先日実機レビューした「MSI PS42 MODERN 8RC」と比較してみましょう。
ZenBook S12:316 × 195 × 12.9 mm / 1.1 kg
PS42 MODERN 8RC:322 × 222 × 15.95 mm / 1.19 kg
PS42の名誉のために言っておきますと、PS42はGeForce GTX1050を搭載しつつ、そして14インチサイズでありながら、極めてコンパクトな筐体を備えています。従来の感覚だと驚異的と言ってもいいくらいです。ZenBookのほうはディスプレイサイズが13.9インチとわずかに小さいものの、タテ・ヨコ・厚さ、そして重量と、すべての面でPS42よりもコンパクトになっています。個人的には短辺(奥行き)が20センチを切っているというのが特にすごいと思います。13.3インチ以上のモバイルノートで短辺が20センチを切っている製品はDELL XPS 13(199 mm)くらいじゃないでしょうか?(すいません、詳しく検証していません)
2.筐体
正面から見たところです。なんか、すごく横長に見えるんですけど…。しかし、この製品のディスプレイはアスペクト比16:9なので、一般的なノートPCと同じなんですよね…。横長に見える理由は2つ。ひとつはベゼルです。左右のベゼル幅はわずかに2.5 mmで、XPS 13より細いです。そして、
上部ベゼルはカメラ部分がはみ出しちゃってますw ちなみにカメラ部分を含まない上部ベゼルの幅は3.6 mm。おそらく上部ベゼルが極端に細いのが横長に見える理由になっていると思います。
それともうひとつ。この製品のヒンジは最近のASUSが積極的に採用している「エルゴリフトヒンジ」です。つまり、ヒンジ開口時に下部のベゼルが沈み込む構造なので、これもまた横長に見える理由でしょう。エルゴリフトヒンジはデザイン面だけでなく、ヒンジ開口時にキーボード面に角度がつき、タイピングしやすくなることと、キーボード面の下に空洞ができるので排熱効果が期待できるというメリットもあります。
天板です。ZenBookシリーズのトレードマークとも言えるスピンメタル加工が施されています。どうでもいいんですけど、スピンメタルって「Spin-metal」かと思っていたら、「Spun-metal」と書くらしいです(SpunはSpinの過去形/過去分詞形)。じゃカタカナだと「スパンメタル」とか「スプンメタル」なのかな、とボケてみたり…。ひとつ勉強させてもらいましたw
筐体素材はCNC加工のアルミです。また、薄型ながらミルスペック(MIL-STD 810G)準拠の耐久性(耐落下、耐振動、耐衝撃など)を備えています。
キーボードです。この画像は英語配列になっていますが、これまでのASUSの姿勢だと、日本発売の際には日本語配列のものが用意されると思います。バックライトを装備し、キーピッチは19.05 mm、キーストロークは1.4 mmと、十分な余裕があります。またキートップはわずかに凹みがつけられていて、タイピングがしやすくなっています。
側面とポート配置です。12.9 mmというのはモバイルノートとしても最薄クラス(最薄ではありません)と言えるくらいです。ポートはUSB Type-C主体ながら、数は確保されています。
外部GPU搭載でこれだけの薄さを実現しているということで、冷却性能が気になるところです。しかし、この製品は冷却ファンを2基搭載しています。もちろん実機で確認する必要はあるんでしょうけど、冷却性能についても不安はなさそうです。
3.価格など
ASUS ZenBook S13(UX392FN)は2019年第1四半期の発売予定で、価格はまだアナウンスされていません。また日本での発売についても触れられていませんが、おそらく少し待ったら日本でも購入できるようになるでしょう。
価格次第ではありますが、筐体品質(アルミ削り出し)、デザイン(ナローベゼルとエルゴリフトヒンジ)、サイズ(驚異的なコンパクトさ)、性能(Core i7 + GeForce)と、モバイルノートとしては非の打ち所のない製品なのでは?と思います。日本発売はいつ?そして「いくらで買えるの?」
4.関連リンク
ASUS ZenBook S13 UX392FN:ASUS 製品ページ(英語)