ASUSの15.6インチゲーミングノート「FX570」を紹介します。スペックのほうは「スタンダードノートとしてはハイスペック、ゲーミングノートとしてはエントリースペック」という感じの製品です。少し前に「ASUS TUF Gaming FX504」という製品の紹介記事を掲載したのですが、FX504(の海外モデル)とFX570は外観が非常によく似ていて、価格もほぼ同じなんです。「数字が大きい(504 < 570)ぶんだけFX570のほうが高性能なのかな?」と思ったんですが、どうやらそうでもないみたいです。
1.スペック
先に紹介記事を掲載したFX504との大きな相違点は、「FX570のほうがモバイルPC的な性格が強い」というところです。Coffee Lake世代のCore i5-8300H/Core i7-8750Hを搭載するFX504に対し、この製品は一般的なモバイルノートやスタンダードノートに使われるCore i5-8250U/Core i7-8550Uを搭載します。CPUの性能はCoffee Lakeのほうがずっと上ですが、省電力性という点ではもちろん型番末尾「U」のほうが上です。
この製品には3つのバリエーションがあり、それぞれの構成は下記のとおりです。
FX570UD-I7G1050:Core i7/GTX1050(4GB)/RAM16GB/256GB SSD+1TB HDD
FX570UD-I7H1S1RO:Core i7/GTX1050(4GB)/RAM8GB/128GB SSD+1TB HDD
FX570UD-I5S2RO:Core i5/GTX1050(2GB)/RAM8GB/256GB SSD
同じGTX1050でも、Core i7モデルはVRAM(ビデオRAM)が4GB、Core i5モデルは2GBです。RAMとストレージ構成はバリエーションによって差がつけられています。HDD専用モデルの設定がない、というあたりはさすがASUSだと思います。
ディスプレイは15.6インチでFHD解像度と4K解像度を選べます。ディスプレイ形式(IPSかTNか)やリフレッシュレートについては開示されていません。最近の流れ、といいますか、私がメーカーの展示会などで感じたこととして、ゲーミングPCでは「リフレッシュレート>解像度」という考え方が明確になってきているようなので、この製品のようにリフレッシュレートを公開せず、4K解像度を設定するというのは「ちょっと変わってるかなあ」と思います。
また、入出力ポートはUSBが合計で4つ、HDMIと有線LANポートを装備していて、スタンダードノートとしてみれば充実している部類です。一方で、ゲーミングノートとしてみた場合、USB Type-Cはいいとして、D-subやDisplayPortをHDMIの他に装備している製品が多いので、この点は少し物足りないかもしれません。
CPUの型番を省電力タイプにしたことによる恩恵はしっかり出ています。FX504のバッテリー稼働時間は4.3(Core i7)時間~5.9時間(Core i5)ですが、この製品は4.1時間(4Kモデル)~6.3時間(Core i7)~8.2時間(Core i5)となっています。GeForceが動き出すような局面では「んなバカな!(はるかに稼働時間は短くなります)」と思いますが、非ゲーミング時でGeForceが動かない(NVIDIAの設定アプリで変更しない限り基本的にシステムが制御してくれます)状況だと、そこそこバッテリーは持ってくれるようですね。
それともう一つ、サイズに結構な違いがあります。
FX570: 374.6 × 256 × 21.9 mm / 1.9 kg
FX504: 384 × 262 × 25 mm / 2.3 kg
さすがにFX570のほうも「モバイルノート」とは言えないサイズ感ですが、15.6インチでGeForceを搭載するノートPCとしては軽量な部類に入ります。このあと筐体画像を掲載しますが、外観はFX504とFX570、よく似た雰囲気なんですけどね。
2.筐体
FX504は「戦闘服にもスーツにも」というキャッチコピーがつけられていますが、この製品は「合理的な設計。 ゲームに適したパワー。」という記載があり、どちらかと言うとゲーミング用途に特化した打ち出しがなされているようです。実際デザインも派手です。
天板はブラック地にレッドのアクセントストライプが入っています。これ、イルミネーションじゃなく「模様」です。このデザインはFX504の海外モデルにも設定があり、それと見比べるとよく似ていますが、FX504の国内モデルにはアクセントストライプはなく、かなり落ち着いた印象になっています。
キーボードです。キーボード面にも派手なアクセントストライプが入っています。また、キーボードのバックライト色はレッドで、「W,A,S,D」キーが強調されるように表示することが可能です。キーピッチは公表されていませんが、キーストロークは1.4 mmとのこと。
それと、FX504には設定がなかった指紋センサーが装備されます。上の画像のタッチパッド右上についています。
側面と入出力ポートです。この製品の厚さ21.9 mmというのはゲーミングノートとしてはまずまずの薄さです。USBポートは左右に振り分けられているので周辺機器の接続には便利だと思います。
3.価格など
ASUS FX570はASUS Shopで販売中で、8月13日現在の価格は下記のとおりです。
FX570UD-I7G1050(Core i7 + 4Kディスプレイ):183,384円
FX570UD-I7H1S1RO(Core i7):150,984円
FX570UD-I5S2RO(Core i5):129,384円
※税込価格
この記事の中で比較してきたFX504には4Kディスプレイを搭載するモデルはありませんが、それ以外は全く同価格(Core i7モデル、Core i5モデルとも)です。つまり、Coffee Lake搭載でより高性能なFX504と、省電力タイプのCPUを搭載し、コンパクトな筐体サイズのFX570は、価格面では差がない、ということです。
ゲーマー目線だとCoffee Lake搭載のFX504のほうが魅力的に映るかもしれませんし、ちょくちょくノートPCを外に持ち出すんだよね、という人ならFX570を選ぶことになるのかもしれませんね。どちらがいいのかは人それぞれですが、同一の価格帯で明確な特徴の差があると思いますので、比較はしやすいと思います。
4.関連リンク
FX570:ASUS Shop