こんにちは、輪他です。今回も、前回に引き続き、RedMagic 5Sの実機レビューです。筐体デザインや、ベンチマークテストについては、前回のレビュー記事にて掲載していますので、そちらをご確認ください。今回は、前回の最後に告知させていただいた通り、UIについての説明と、ゲームプレイ時の使用感についてレビューしていきます。
nubia RedMagic 5Sの実機レビュー(第1回)- Antutu 62万点!最強ゲーミングスマートフォンがさらに進化しました!
前作の「RedMagic 5G」についても、以前の記事にて、UIなどのレビューを行なっていますが、今回は再度、変更点や改善点などを含め、まとめて説明していきます。RedMagic 5GのUIレビューについてはこちらをご覧ください。
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nubia RedMagic 5G レビュー - 現状最強のゲーミングスマホで快適プレイ!使用感をまとめてみました(実機レビュー第3回)
1.UI
RedMagic 5Gのレビューの際にも触れられていますが、端末の言語設定を日本語にしても、Android標準の機能以外に関しては全く日本語化されません。基本的にはそこまで複雑な英文ではありませんが、細かい設定をしようとすると、少し困惑する可能性もあります。
RedMagic 3Sには搭載され、5Gには搭載されなかった顔認証が復活しています。認証速度はかなり速く、うまく認証すれば、電源ボタンを押すと同時にロックを解除できます。マスクをつけていると認証できませんが、マスクから鼻まで露出すれば、完全に外さなくても認証してくれるようです。
Always On Displayに対応しています。デフォルトの設定のほかに、RedMagicブランドに合わせたデザインが用意されています。
2.Game Space
ゲーミングスマホですので、ゲームに特化した状態に移行する、「Game Space」機能を搭載しています。
左側面上部にあるスイッチを上にスライドさせると、「Game Space」が起動します。
Game Space起動時には、炎のアニメーションと轟音とともに、RedMagicのロゴが出現します。
起動すると、アプリの選択画面に移行します。左下のボタンは、5Gの時と同じ、冷却ファンの起動ボタンになっていますが、右のボタンがBlock msgs(通知のミュートボタン)に変更されています。
選択画面上のアプリの背景を設定できます。自分が持ってる画像が設定できるほか、いくつか画像がデフォルトで用意されているのですが、「ウルトラマン」や、ジャンプの「BLEACH」のキャラクターの画像が…
左上のボタンを押すと、アプリの一覧を確認できます。
右上の十字キーボタンを押すと、別売の専用ゲーミングデバイスの設定ができます。左の「Dao Feng ice dock」は今回RedMagic 5Sの発売と同時に販売が開始されていますし、右の「Red Magic E-Sports Handle」は、5Gの時に販売されていたものと同一のものですが、真ん中の「DAO FENG Headphones」に関しては、公式サイトにも情報がありません。おそらくBluetoothヘッドホンだと思うのですが、公式からの発表を待つ必要がありそうです。
右上の人のマークのボタンを押すと、「Personal Center」が起動します。「Summary」では、その日の各ゲームをプレイした時間の合計を確認できます。
「RedMagic Time」では、それぞれのゲームで撮影したスクリーンショットなどを確認することが出来ます。
冷却ファンの設定画面です。CPU温度に対して、自動的にファンの速度を変更する「intelligent adjustment」と、そんなことはお構いなしにファンをずっと最大限回転させ続ける「Rapid cooling」のどちらかに設定できます。
「intelligent adjustment」に設定している状態ですと、ファンの音は基本的には全く聞こえませんし、「Rapid cooling」に設定していても、不快になるレベルの騒音ではありません。
「Basic」では、さらに細かい設定ができます。デフォルトの状態で「Game Space」経由でゲームを起動している場合、画像の左下にウォーターマーク(透かし)が挿入されるのですが、そのオン/オフもここで設定できます。
ゲーム起動中に、画面右端からスワイプすると、各機能の操作画面を呼び出せます。CPUやGPUの動作クロックや、ネットワークの速度をリアルタイムで確認できるようになっています。
CPUのクロック表示の横にある、「Game Enhancement」のボタンを押すと、CPU/GPUのパフォーマンスの設定と、ディスプレイの発色などについて設定できます。
CPUとGPUを自動的に制御する「Auto mode」に加え、CPUを最大限に動かす「CPU Turbo」、GPUを最大限に動かす「GPU Turbo」、そして、その両方を同時に最大限動かす「Super performance」のいずれかを選択できます。
ディスプレイの発色については、デフォルトの設定に加え、レーシングゲーム向けの「Car」、シューティングゲームなどに適した「Shoot」、オンラインバトルゲーム向きの「MOBA」、そして、自動的に設定してくれる「Auto」から選択できます。
発色についての設定は、各ゲームごとに保存されるため、それぞれのゲームに適した画質でプレイすることが出来ます。
「Macro」は、タッチパネルの操作を記憶して、周回などで利用できる機能です。保存できる操作は10秒間ほどです。周回するゲームは基本プレイしないのでよく分からないのですが、10秒間で足りるものなんでしょうか?
「Shoulder Trigger」にて、サイドセンサーの操作を設定できます。L/Rボタンそれぞれの設定のほか、各ボタンの感度や、バイブレーションでのフィードバックについても設定できます。
「Aiming Assist」機能です。ただ単純に、画面の中心に点を常駐させる機能でしかないのですが、スコープを覗かないと命中させられないような武器を使用している際も、この機能があればそのまま狙えてしまいます。これは…どうなんでしょうかね?オンライン対戦で使用するのは流石に避けた方がいい気がします。
ゲーム起動時の操作画面の下部にある、丸いボタンは並び替えることが出来ます。左上の「Fan」はもちろん冷却ファンの操作ボタンで、その下にある「Block Messages」と、「Block Calls」も、文字通りそれぞれの通知を完全にミュートする機能のボタンです。
というか、「Block Calls」って他じゃ聞かないですよね…携帯「電話」だとか、スマート「フォン」だとかの概念すら吹き飛ばしてゲームに特化させているのが感じられます。
「Record」機能を使用すれば、画面を録画できます。解像度は720P/1080Pのどちらかを選択することが出来ます。音声は、システムサウンド/マイクからのサウンドのどちらかを録音できます。
とりあえず10分ほど、録画してみました。設定は1080Pで、システムサウンドを録音させています。
約10分の動画でしたが、動画のサイズは約900MBでした。
Android標準ではシステムのサウンドごと録音する画面録画に対応していませんし、iPhoneの画面録画も、音声がモノラルになってしまいますので、端末に、完全な画面録画機能が備わっているRedMagic 5Gは貴重だと思います。
「Super Snap」機能では、スクリーンショットした画像にその場でトリミングなどの加工が行えるほか、画面を自動スクロールさせて長いスクリーンショットを撮影することができます。
RedMagic 5Gでは、ゲーム起動中もスクリーンのリフレッシュレートを変更できましたが、その機能が省かれています。さらに、ゲーミングスマートフォンの大きな特徴でもある、筐体背面のライトに関する設定も、大きく省かれています。
RedMagic 5Gでは、背面のREDMAGICロゴと、その下にRedMagicのマークの位置にRGBライトが埋め込まれていましたが、RedMagic 5Sでは、REDMAGICロゴの部分にプレートが埋め込まれており、下のマークも赤色単色となっています。ですので、細かい設定が出来ません。背面のライトについての設定は、「Game Space」から設定アプリ内に移行し、ライトのオン/オフ、常時点灯/点滅のみ設定できる仕様となっています。
3.ゲームをプレイした上での感想
自分は正直そこまでゲームが得意な方ではないと思っているのですが、今回、いくつかのゲームを元々使用していたiPhoneから移行して使ってみたところ、明らかに勝率やキル数の増加が感じられました。
先ほど画面録画の動画をあげた「男子高校生が電車でやってるゲーム」でおなじみ「ウイニングイレブン」は、既に私も数年続けているゲームなのですが、オンライン対戦のレートが700前後(平均よりちょっと下)から1100前後(上級者の下の方)にまで向上しました。私にとって過去ないほどのレートです。ディスプレイのサイズが6.65インチとかなり大きいことや、ディスプレイのタッチサンプリングレートがこちらも240Hzと高いことにより、かなりドリブルの精度が上がっていると感じています。先ほどの動画でも、敵ディフェンダー数人に囲まれた状態からドリブルだけで抜け出て攻撃を続けている場面が何回かありましたが、これまではあんなプレイはできませんでしたし。
FPSについても現状最強クラスの端末だと思います。DTS:Xに対応したステレオスピーカーを搭載しているからか、イヤホンを接続しなくても、左右どちらから狙われているのかを銃声でしっかり判断できますし、Shoulder Triggerにジャンプなどの回避動作を設定すれば、敵を撃ちながら回避みたいな動作も無理なくできます。
基本的には、現状ではどのゲームをプレイする場合でも、CPUやGPU、冷却ファンの設定などはデフォルトのままで良さそうではあります。普通にプレイするぶんには、スペック不足を感じる方が難しいほどですしね。これまでにないほど要求スペックが高いゲームがリリースされない限り、購入したそのままの状態で使用しても過去感じたことのないレベルの快適さでプレイできると思います。
ディスプレイも144Hzの動作に対応していますが、そのリフレッシュレートに対応したゲームがまだほとんどリリースされていませんので、オーバースペックではありますし、こちらもデフォルトの90Hzのままで良さそうです。90Hzでも、一般的な60Hzのディスプレイと比較するとかなりヌルヌルに動いていると感じられます。
いま冷却ファンが必要になる場面として想定できるのは、PUBGでの連戦や、ミリシタ/デレステでのイベント周回とかですかね…冷却ファンを回せば、CPUの発熱を抑え、高いパフォーマンスを維持させることが出来ます。
主にガジェット好きなギークの人に注目されている機種だとは思いますが、そうでない人にとっても、「このゲームであいつになんとしてでも勝ちたい!」だとか、「もっと快適に推しといっしょにイベントを走りたい!」といったような動機での購入も勧められる機種だと感じました。設定画面に英語が多く、慣れていない人にとっては困惑することも多いかもしれませんが、圧倒的なゲーム性能がそれを補ってあまりあるほどの魅力になっていると感じます。
nubia RedMagic 5SはRedMagic公式サイトで販売中で、9月6日現在の価格はRAM8GB/ストレージ128GB版が579ドル(約61,600円)、RAM12GB/ストレージ256GB版が649ドル(約69,000円)で、海外配送となるため、製品受取時に輸入消費税(5,000円前後)がかかります。それでもなお、スペックや装備の割に非常に割安であると思います。
次回は、カメラ性能や、ここ二回のレビューで触れられなかったその他の特徴についてレビューしていきます。楽しみにお待ちいただけると幸いです。
4.関連リンク
RedMagic 5S : RedMagic公式サイト
nubia RedMagic 5Sの実機レビュー(第1回)- Antutu 62万点!最強ゲーミングスマートフォンがさらに進化しました!