こんにちは、natsukiです。「安さへの挑戦」って、ひとつのロマンですよね。先日コメント欄で、Aliexpressに出品されている「絶対におかしい」価格のスマホが話題になっていましたが、まあ、そういうギャグの域の製品は置いておいて、一定の(あくまで一定の)信頼あるメーカーの製品で、限界まで安い価格帯のスマホを買うとしたら、どれを買うか?ってちょっと考えてみました。その問いの、私なりの結論がこれ、OUKITEL C19です。もちろん、独断と偏見による判断であることは、あらかじめお断りしておきます。その上で、このOUKITEL C19は、安いながらも、それなりに使えそうな魅力を備えていると感じるのですが、どうでしょうか。
1.選定基準
実はここ数ヶ月、中華メーカーから、相次いで格安スマホの新製品がリリースされています。ウインタブでも、すでに「Ulefone Note 8P」「DOOGEE X95」といった機種を紹介しています。そういったスマホたちの中から、「ともかく安く」それでいて「持つ喜び、使う喜び」が得られそうなもの、という観点で選んでみました。
選考条件
選考条件をもうちょっと詳しく設定します。
まず、第1に、少しでも安くです。もちろん、セール価格による上下はある程度考慮します。ここで、ひとつの壁は、「Redmi 9A」でしょう。そりゃあ、1万円以下のスマホっていったら、Redmi Aシリーズは鉄板ですよ。要するに、価格面の条件は、Redmi 9A(実売1万円弱)を明らかに下回ること。そうじゃないと、価格面での魅力が出ないってことです。そんなわけで、今回は「もう少し出せばいいのが買える」というのは禁句ということで。
それから、ともかく安くと際限なくやっていくと、スペック情報に信頼の置けないアブない製品も候補に混じってくるので、最低限の信用は必要です。ということで、一定の実績のあるメーカーであること。つまり、今までの開発実績を見て、SOCやRAM、ストレージ、ディスプレイ、カメラなどの、製品に関する基本的な情報に信頼の置けるメーカーであるということです。ただし、多少、製品画像を盛ったり、筐体サイズや重量が実測値と違ったり、カメラが複数あるんだけど、メイン以外のカメラが実際に働いているかよく分からなかったり、あたりは許容範囲とします(笑)
そして、最新世代のOSである「Android 10」もしくは「Android 10 GO Edition」であること。型落ち機を入れると、選択肢が広がりすぎてしまいますし、やっぱり「新しい」ものでないと持つ喜びがありませんからね。
なお、中華スマホの世界では、まだまだ3Gスマホも現役ですが、当然、これは除きます。ともかく安いのと探してみると、まず、3Gスマホが引っかかると思うので、ご注意ください。
選考過程
以上の条件にあてはまるスマホは、管見の限りでざっと見たところ、次のようなものがあります。もちろん、他にもあるかもしれませんが、とりあえず目にとまったものということで。
Blackview A80
Cubot Note 7
DOOGEE X95
OUKITEL C19
Ulefone Note 8P
いずれも、OSはAndroid 10世代。中でも、OUKITEL C19とUlefone Note 8Pは、より軽量に動作するGO Editionを採用しています。GO Editionの何たるかについては、ここで詳しくは触れません。要は軽量な分機能制限のあるOSと思っておけばいいでしょう。DOOGEE X95は、販売サイトによってGO Editionなのかどうか両方の情報があるのですが、メーカーサイトは通常版になっていたので、おそらく通常版。そして、RAMは2GB、ROMは16GB、SOCはMT6737、というのは、どの機種も共通です。このくらいミニマムだと、OSがAndroid Goの方が安心できるかもしれませんね。その他、それぞれの細かいスペックは、あまりに情報量が増えすぎるので、ここにはすべては書きません。リンクは、各メーカーサイトに貼っておきましたので、気になるものがあればご確認ください。「Ulefone Note 8P」「DOOGEE X95」については、ウインタブの紹介記事もご参照ください。
さて、ここから先、絞り込んでいきます。まず注目したのはディスプレイです。ディスプレイは、コストが最も反映されやすいところで、だいたいディスプレイの解像度で、スマホのランクが分かりますよね。すると、上記の機種のうち、OUKITEL C19とBlackview A80が横幅720ピクセル。他の機種は、それ以下となります。もっとも、この2つはそもそもサイズがでかいってのもあるんですが、それでも、この価格でHDクラスを維持しているのは特筆に値するでしょう。やっぱり、スマホはディスプレイを使ってナンボですから。なお、フロントカメラのデザインは、すべてティアドロップ型になっています。これが、現在の技術水準だと一番コストがかからないんですかね?
背面デザインを見てみると、Blackview A80、DOOGEE X95、OUKITEL C19の3つは、HUAWEI Mate 30のような、中央上部にでっかい丸があって、その中にカメラなどが収まるタイプ。Ulefone Note 8Pは、中央上部に縦に配置されているタイプ。背面デザインで個性を出しているのがCubot Note 7で、いくつか選択肢があるものの、中央に大きなストライプの入ったタイプのデザインはなかなか目を惹きます。
指紋センサーは、Blackview A80のみ搭載で、他の機種はおそらく非搭載。見落としていたらすみません。また、どれも顔認証対応をうたっていますが、ひと昔前の機種で、自分の顔を登録したら娘と息子も解除できた(妻はできなかった)ということがあったので(笑)、信頼のほどは不明です。
対応バンドは、Cubot Note 7のみが、B19に対応。他も、B1,B3,B8は対応しています。
フロントカメラは、Cubot Note 7のみ8MP、他は5MP。
リアカメラはかなりバリエーションがあります。Ulefone Note 8Pは、ダブルカメラながら、メインカメラの画素数が8MPで、さすがにこれはキツいか。他の機種は、メインカメラの画素数は、どれも13MPです。Blackview A80は4カメラ構成ながら、メイン以外の役割はよく分かりません。Cubot Note 7は、3つあるように見えるけれど、スペック表を見ると、実際に機能しているのは2つ? DOOGEE X95が面白く、トリプルカメラで、サブカメラ(2MP)に、それぞれ「Portrait」「2X Zooming」と役割が明記してあります。たかだか2MPの画素数で2倍ズームって、どんな風に作用するのか、気になっちゃいますね。OUKITEL C19は、トリプルカメラながら、これもサブカメラの役割はよく分かりません。ただ、動画撮影に関して、他が720Pだったり不記載だったりしているのに対し、OUKITEL C19のみは1080Pの撮影に対応と明記。動画撮影能力は頭ひとつ抜けます。
重量は、DOOGEE X95は不明ながら、一番ディスプレイサイズが大きいので、そんなに軽くはないはず。Blackview A80が180gで、その他の機種は150g前後。数値を信用できるとすれば、Cubot Note 7とUlefone Note 8Pがディスプレイ5.5インチで150g前後なのに対し、OUKITEL C19がディスプレイサイズ6.49インチで重量150gというのは、なかなかに優秀です。
以上、それぞれに観点はあるとは思いますが、個人的には、一番重視するのが「ディスプレイ解像度」、次いで「リヤカメラの性能」「重量」に注目したい。すると、ディスプレイでBlackview A80かOUKITEL C19に絞られ、無難なカメラ性能と軽量さで、わずかにOUKITEL C19に軍配が上がるかな、と。もちろん、それぞれに安いながらの魅力を追求していますので、あくまでも独断と偏見でってことで。特に、「個性」という面をみると、Cubot Note 7は主張強めで面白そうですね。
最後に、肝心の価格を見回してみます。すると、ちょうど、Banggoodのセールで、DOOGEE X95とOUKITEL C19が、6,000円台前半。Blackview A80は7,000円台半ば。Aliexpressでも、記事執筆現在、大規模セール中で、以上のどの製品も各公式ストアで6,000円台(クーポンなどの割引は複雑なので置いておく、また、Aliexpress内のOUKITEL公式ショップは、日本への配送不可)。販路という面では、Cubot Note 7は、管見の限りAliexpressで購入するしかなく、PayPal払いができないという面で不利です。他は、BanggoodなどのPayPal払いが可能な海外通販や、ものによっては日本のAmazonでも扱いあり。うむ、やはり、OUKITEL C19かな。
2.スペック
では、あらためて正確なスペックを見てみます。
OUKITEL C19 | |
OS | Android 10 GO |
CPU | MTK6737 Quad core |
RAM | 2GB |
ストレージ | 16GB |
ディスプレイ | 6.49インチ(720 × 1,560) |
LTEバンド | B1 / 3 / 7 / 8 / 20(Amazon,Banggoodで扱いのあるバージョン) |
SIM形式 | Nano SIM × 2(SIM2はmicroSDと別に利用可能) |
ネットワーク | 802.11 a/b/g/n、Bluetooth 4.2 |
入出力 | USB Type-C、microSDカードリーダー、3.5mmオーディオジャック |
カメラ |
イン:5MP アウト:13MP + 2MP + 2MP |
バッテリー | 4,000 mAh |
サイズ | 166 × 78 × 8.7 mm |
重量 | 150g |
ポイントは、選考過程であらかた触れてしまいました。OSは、GO Edition。ここは評価の分かれるところだと思いますが、この価格なので、拡張性よりは安定性を抑えておきたいのと、どうせ安いなら、むしろGO Editionの方が個性のひとつになるという考え方もできます。
なんといっても、この価格ながら、ディスプレイ解像度が720×1560ピクセルなのが嬉しい。このサイズで、重量150gは、ちょっとホントかなという気がしますが、数値通りならたいしたものです。かといって、バッテリー容量も特に少ないわけではなし。リヤカメラの2つのサブカメラの役割がなんなのかよく分かりませんが、これはお楽しみということで(?) どうです? 安いながらもよくまとまった、それなりに欲しくなる構成になっていると思いませんか?
3.筐体
こちらもあらかた触れてしまいました。基本デザインは、HUAWEI Mate30タイプの、中央に巨大な丸のあるものです。丸の中には、4つのレンズがあって、うち3つがカメラ、ひとつはフラッシュです。カラーバリエーションは、オーソドックスに、緑、青、黒。
側面は、シンプルに電源ボタンと音量ボタンだけのようですね。指紋センサーはありません。
ディスプレイ面は、ティアドロップ型のフロントカメラ。
USBポートはType-Cです。なお、ちゃんと3.5mmイヤホンジャックも上側面にあります。
サイズは……、やっぱりこれ、かなりデカいぞ。これで150gにおさまるのかなぁ?
ともかく、全体のデザインとしては、奇をてらうことなく、非常にすっきりしたものとなっています。Cubot Note 7くらい冒険してみてくれても、それはそれで楽しかった気もしますが、これはこれでよいでしょう。
4.販路と価格
販路については、管見の限り、Amazon、Banggood、Gearbest、Aliexpressなどで販売されています。このうち、Aliexpress内のOUKITEL公式ショップは、残念ながら日本への配送に対応していないようです。Aliexpressなので、他の出品者もあるとは思いますが、公式でない出品者へのリンクはキリがなくなるので控えます。Gearbestでは、扱ってはいるものの、記事執筆現在、特にセール対象などになっておらず、9,000円台と日本のAmazonよりも高くなってしまっているので、とりあえずおいておきます。日本のAmazonにも、OUKITELは公式ショップをおいていて、記事執筆現在、10,900円に2,000円OFFクーポンが発行されているので、実質8,900円となっています。Amazonでこの価格で買えるのは、やはり安い。先述のように、Banggoodでは、記事執筆現在セール対象になっていて、6,491円です。Banggoodは、無料配送はなくなってしまったのですが、トラッキング付きのJapan Direct Mailが431円なので、送料込みでも7,000円割ります。できるだけ安くなら、Banggoodですね。
サブ機が欲しい人、Android GOがどんなものか見てみたい人、などなど、ともかく安さにこだわってスマホを探している人には、ベストな1台になるんじゃないかと思います。いかがでしょうか。
5.関連リンク
OUKITEL C19:メーカー公式サイト
OUKITEL C19 Global Version:Banggood
OUKITEL C19:Amazon