現在では数が減っていますが、以前は日本国内で正式に販売されている、1万未満の安価なAndroidタブレットや中華タブレットにはGoogle Play StoreやGoogle関連のアプリが搭載されておらず、その代わりTapnow Marketなどの独自ストアが搭載されているものが出回っていました。現在でもONKYOの業務用AndroidタブレットにはGoogle Play Storeが非搭載となっています。
業務用タブレットの場合は業務用アプリさえ導入できればそれでよく、Google Play Storeでユーザーがアプリを入れてしまうと困るケースがあるので、あえて搭載していないと思われます。
またAmazonが販売するFireシリーズのように自社ストアに特化する形でAndroidをカスタマイズしているため、あえてGoogle関連のサービスを搭載しない機種も存在します。しかし、それ以外の機種の場合は理由がいくつか考えられます。
一つはそもそもGoogleのサービスが提供されていない中国国内向けの端末の場合。中国では現在Google関連のサービスが一切提供されておらず、Google Play Storeも提供されていません。
そのため、中国国内向けのAndroid端末にはGoogle Play Storeのみならず、GmailやGoogle Mapsなどのソフトウェアが一切入っておらず、代わりに中国国内向けの独自ストアアプリやサービスがプリインストールされているものがほとんどとなります。有名どころでは、シャオミの中国国内向け端末にはデフォルトではGoogle Play Storeが一切含まれていません。
ただし中華タブレットの中でも海外でも販売することを前提にしたようなモデルはGoogle Play Storeを搭載した状態で出荷しており、また販売ショップでは独自でPlay Storeを導入した状態で出荷するケースが多いです。GearBestなどの日本への配送もサポートしているオンラインストアや日本国内の通販サイトで販売されている中華タブレットについては、最低限Google Play Storeが搭載されているものがほとんどですから、現在はあまり気にする必要はないと思われます。
また前述のシャオミ端末の場合は公式で独自ストア内にGoogle関連のサービスを一括インストールするツールを配布しています。
もう一つはGoogle関連アプリのライセンスの問題です。AndroidのOS本体そのものはオープンソースで開発されており、だれでも無料で改変を行い端末に搭載することが可能になっているのですが、実はGoogle関連のアプリ(Google Mobile Serviceと呼ばれている、Google Play Store、Google開発者サービス、GMail、YouTube公式クライアント、Google Mapsなど)は完全に無料というわけではなく、これらのアプリをプリインストールした状態で出荷するにはGoogleにライセンス料を払う必要があります。
このライセンス料は詳細情報が見つからなかったのですが、2014年の時点では一台につき日本円で75円程度かかっているといわれていました。
ライセンス料がかかれば端末本体の価格にも影響してきてしまうため、廉価な端末の一部にはGoogle Mobile Service関連の認証はせず、無料公開されているAndroid OSの本体部分に独自ストアを搭載して販売するというケースがかつては多く見られました。
ただし独自ストアの場合どうしてもGoogle Play Storeと比べるとアプリ配布数が限られてしまうことやセキュリティ上の懸念などにより、現在では業務用タブレットでもない限りGoogle Mobile Service認証を通して最低限Play Storeのみは搭載したうえで出荷する端末がほとんどとなり、独自アプリのみが搭載された端末は廉価なものでも姿を消しつつあります。
かつてはGoogle Play StoreのAPKファイルだけ用意すればGoogle Play非搭載の端末でも簡単に利用することができるようになっていたのですが、現在ではGoogle Mobile Service全体が連携したコンポーネントになってる都合上、rootをとらないと導入不可能となっている端末も存在しており、できればPlay Store非搭載の端末を選ぶのは避けたほうがいいと思います。
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