中国のスマートウォッチメーカーLEMFOがAndroid OS搭載スマートウォッチのニューモデル「LEMP」を発売しました。CPUが「デュアル」になっていて、通常のAndroidのモードと省電力モードを搭載していますので、このジャンルの製品のウイークポイントであった「バッテリー駆動時間」が長くなっています。
1.LEMFO LEMP スペック
スペック表
LEMFO LEMP | |
OS | Android 9 |
CPU | SC9832E+NRF52832 |
RAM | 4GB |
ストレージ | 64GB |
ディスプレイ | 1.6インチIPS(400 × 400) |
LTEバンド | B1/2/3/4/5/7/8/12/17/20 |
SIM | Nano SIM |
ネットワーク | 802.11 b/g/n、Bluetooth 4.1 |
入出力 | POGO Pin |
カメラ | 5MP+5MP(側面) |
バッテリー | 1,050 mAh |
サイズ | 直径54 mm、厚さ16.7 mm |
重量 | 69.5 g |
ポイント
・Android 9搭載(このジャンルとしては新しいほう)
・CPUがデュアルチップ
・4GB/64GBの大容量ストレージ
・省電力なブレスレットモードを搭載
・血中酸素濃度の測定も可能
コメント
OSはメーカー側では「Android 9.1」と言っていますが、ウィキペディアを確認してもそういうバージョンはありません(Android 9はマイナーバージョンアップはありません)ので、Android 9と理解しておきます。
CPUはSC9832EとNRF52832のデュアルチップです。こう書くと革新的に思われる人もいるかも知れませんが、OS搭載スマートウォッチとしては新しい仕様ではなく、2019年にウインタブで実機レビューをした「LEMFO LEM9」もまた「MT6739+NRF52840」のデュアルチップ仕様でした。
デュアルチップにする目的は性能の向上ではなく、省電力性の向上です。そのため、この製品は「ブレスレットモード」という、機能を大きく絞り込んだ省電力モードも搭載しています。私がLEM9をレビューしてから2年経ちますので、機能面はかなり向上していると思われますが、それでもおそらくブレスレットモードではAndroid OSの機能は限定的にしか使えないと思います。
ということで、ちょっと古い記事になりますが、LEM 9の実機レビュー記事をご覧いただくと多少参考になるかと思います。
LEMFO LEM9 レビュー
RAMは4GB、ストレージは64GBと、スマホとしてみれば大したことはありませんが、スマートウォッチとしては大きな容量と言えます。昨年までこのジャンルの製品は「せいぜい3GB/32GB」までだったのですが、最近はこのように大きな容量の製品が増えています。
ディスプレイは1.6インチで解像度400 × 400と、このジャンルの製品としては標準的くらいですね。当然タッチ操作でAndroid OSを操作するのですが、画面サイズが極小なので、素早い操作とか文字入力はやりにくいです(なので、ハイスペックなCPUを搭載したとしてもあまり意味はない)。
次にカメラです。ここはちょっと新しいかも…。
どこが新しいのかといいますと「位置」です。上部側面にカメラがありますよね?実際に腕に巻いたところをイメージしていただくとわかりやすいと思いますが、この位置だと写真撮影がしやすいと思います。もう1つのカメラは前面右側で、ビデオチャット用ですね。ともに画素数は5MPなので、スマホのようなきれいな写真撮影は難しいと思います。
それと、機能面では「血中酸素濃度測定」が可能になりました。最近この機能に対応するスマートウォッチ(ヘルストラッカー)が増えていますが、Android OS搭載スマートウォッチのジャンルではこの製品が初だと思います。
2.LEMFO LEMP 筐体
OS搭載スマートウォッチは構造上どうしてもサイズが大きめになり、厚みも出てしまうので、スポーツウォッチ的なデザインになっていることが多いです。しかし、LEMPでは前面ベゼルにリングなど(タキメーターのようなもの)はなく、スッキリしたデザインです。
背面には心拍数センサーや血中酸素濃度センサーがついています。それと、この製品には一般的なUSB(microUSB)ポートはなく、データ伝送用および充電用にPOGOピンがついています。POGOピンも背面ですね。
Android OS搭載スマートウォッチは「腕時計型のスマートフォン」とも言えますので、SIMを挿入すれば単体で電話をかけたりGoogle Playアプリをインストールして使うことができます。この製品のSIMスロットは左側面にあります。
これがブレスレットモード。機能を大きく絞り込むかわりに5日~7日間の使用が可能になっているようです。
3.LEMFO LEMP 価格など
LEMFO LEMPは中国の通販サイト「Banggood」で販売中で、6月7日現在の価格は249.99ドル(28,046円)です。CPUとか血中酸素濃度測定とか、割と凝った仕様になってはいますが、これだとクーポンやフラッシュセールを待ちたいなあ、という感じはします。
ウインタブではここ数年、Android OS搭載スマートウォッチを積極的にご紹介していますが、現在でも「ロマン臭が漂う」製品ジャンルだと思っています。ディスプレイサイズが小さいためにどうしても操作性にネックがあり、スマホと同等の機能があってもそれをフルに使いこなすのは難しい、というのが現状です。
また、Android OS搭載、というところから離れて、母艦スマホと一緒に使うヘルストラッカーとして見る場合も、機能性はあまり高くありません。例えばXiaomi Mi Bandシリーズなどはこの製品よりもずっと安価ですが、ペアで使うスマホアプリの出来もよく、LEMPよりもはるかに使い勝手が良いと思われます。
しかし、このジャンルのスマートウォッチでしかできないこと、というのもたくさんあります。腕時計で電話をする、腕時計でYouTubeを観る、腕時計でGoogle Playのゲームをプレイする、といったことはこのジャンルの製品でしかできません。ゆえにロマンです。ガジェット好きな人はぜひ試してみてください。
4.関連リンク
LEMFO LEMP:Banggood