中国メーカーでもLEMFOとZeblaze、KospetはOS搭載スマートウォッチに非常に熱心で、LEMFOの「LEMシリーズ」はウインタブでも過去に何度も紹介記事を掲載しています。「これまでの最新モデル」であるLEM9はウインタブで実機レビューをしていますし、つい先日紹介記事を掲載したLEM Tはキワモノ感が抜群で、読者の皆さんにも注目していただいたと思います。いやまあ、正直気になるのはLEM Tのほうなんですけど、今回紹介するLEM 10はナンバリングからしてLEMシリーズ正統の最新モデル、ということになりますし、実用面でも「まともな腕時計」として期待できそうな製品です。
1.スペック
最新のOS搭載スマートウォッチはOS(あるいはモード)とCPUを2つ搭載し、バッテリー稼働時間を長くするような工夫が見られました。先日レビューしたLEM9がこのタイプです。しかし、LEM 10ではこのような構造をとっておらず、割とトラディショナルなスペックに戻っています。OSはAndroid 7.1.1ベースでスマートウォッチ用にカスタマイズされたUIが搭載され、CPUはスマホで言うとエントリークラスのMT6739です。いつも書いていますが、OS搭載スマートウォッチは「一応」Androidのフル機能が使え、「腕時計型のスマホ」と言える構造になっていますが、実際のところディスプレイサイズが極小であることがボトルネックとなり、CPUに負荷のかかるようなアプリは使えませんので、MT6739でも全く問題はありません。というか、これ以上に高性能なCPUを搭載しても「宝の持ち腐れ」になってしまうかもしれないです。
RAMとストレージは「1GB/16GB」と「3GB/32GB」2種類があります。3GB/32GBのほうはOS搭載スマートウォッチとしては大容量と言えます。ただ、ここでも「3GBも使い切れるのかな?」というのが私の正直な感想です。まあ、RAMやストレージは大きいに越したことはないですけどね。
ディスプレイは1.88インチのIPS液晶で、解像度は360 × 320です。サイズに関しては従来製品よりも確実に大きくなっていますし、円形ではなく四角形というのが目を引きます。実際どのくらい多彩にアプリが使えるかは未知数ですけど、経験上「丸より四角のほうが絶対に使いやすいだろう」とは思います。円形だと四隅が切れて表示されてしまいますし、それを防ぐために表示方法を「スクエア」に変更すると、今度は上下に黒い帯が出て、全体的に表示が縮小されてしまうんですよね。
入出力は従来のOS搭載スマートウォッチと同様、POGOピンです。4ピンなので、充電だけでなくPCなどとのデータ伝送も可能と思われます。また、バッテリーはメーカー公称値で780 mAhで、これは従来のOS搭載スマートウォッチよりは確実に大きくなっています。このへんもあって「OSとCPUを2つ搭載」というのを止めたのかもしれないですね。
残念ながら詳細なサイズ情報がありません。重量のみ「90 g」となっていて、これは従来のOS搭載スマートウォッチよりも若干重いくらいです。
2.筐体
好みの問題はあると思いますが、普通の腕時計っぽくなった、と感じます。従来製品は構造上どうしてもサイズが大きくなってしまうせいか、アウトドアウォッチ、スポーツウォッチのような外観になっているものが多く、街中で使うにはややゴツい印象でしたが、この製品はちょっとだけ上品に見えます。
カメラ位置はここ。OS搭載スマートウォッチの場合、一般的な腕時計のリューズの位置にレンズがあるものと、この製品のように前面にレンズがあるものがあります。前者の場合、スナップ写真など、いろいろなものを撮影しやすいですがビデオチャット用としては使えず、後者(この製品もそうです)だと逆に(事実上)ビデオチャット専用となります。OS搭載スマートウォッチのカメラ品質ははっきり言って非常に低いので、この製品のようにビデオチャット専用と割り切るのも悪くないと思います。
わかりにくい画像ですが、左側が右側面、右側が左側面です。実際にどのような機能が割り当てられているのかは不明ですが、右側面にはリューズのようなボタン(あるいは本当にリューズ?」もついています。
SIMスロットの位置はこちらです。Android OSを搭載しているので、SIMカードを挿入すれば単体で通話することもできますし、母艦スマホなしでアプリのインストールや利用もできます。しかし、SIMスロットが側面にあるOS搭載スマートウォッチはこれまで見た記憶がないですねえ。
背面にはPOGOピンと心拍数センサー。スマートウォッチのお約束である健康管理機能はしっかりついています。それと、「OS搭載」ばかりに目が行きますが、この製品はアプリ(WiiWatch 2)を使ってスマホとデータ連携ができる、つまり「普通のスマートウォッチ」としても使えます。
また、OS搭載スマートウォッチではIP67レベルの防水・防塵性能を持つ製品もありますが、このLEM10もしっかりIP67レベルになっていますので、雨の日はもちろん多少の荒天でも問題なく使えると思います。
3.価格など
LEMFO LEM10はAliexpressとBanggoodに製品ページがあり、9月2日現在の価格は、Aliexpress(メーカー直営店です)でRAM1GB/ストレージ16GB版が129.99ドル(14,043円)から、3GB/32GB版が157.99ドル(16,744円)から(ストラップの仕様により価格が多少変わります)となっていて、Banggoodでは1GB/16GB版が139.99ドル(15,101円)、3GB/32GB版が169.99ドル(18,337円、ただし未発売)です。
個人的にはこの種の製品なら1GB/16GBで十分、と思いますが、価格差が非常に大きいわけでもないので余裕を見て3GB/32GBにしておいてもいいかもしれません。LEM10はデザインが他のOS搭載スマートウォッチとは明らかに異なっています。また、四角形のディスプレイ形状はAndroid OSにはよりフィットすると言えるでしょう。仮にアプリの使い勝手が現状よりも「体感で2割くらい」改善されているとしたら、それだけでも「買い」の理由になりそうです。
4.関連リンク
LEMFO LEM10(1GB/16GB):Banggood
LEMFO LEM10(3GB/32GB):Banggood
LEMFO LEM10:Aliexpress内LEMFO Official Store
コメント
はじめまして。通りすがりの者ですが、コメント失礼いたします。
こちらのLEMFO LEM10 ではテザリングをしてLEMFO LEM10自体を をWi-Fiルータがわりにすることは可能なのでしょうか。
もし可能なのであればiphoneをテザリング通信だけにして使用してみたら面白いんじゃないかと思っています。
また、LEMFO LEM10 ではなくてもそういった使い方ができるスマートウォッチをご存知ではないでしょうか?
できればLEMFO LEM10 のように4glte通信ができるものを探しています。
ご教授くださると嬉しいです。