記事にアフィリエイト広告を含みます

スマートフォン定番のベンチマークソフト「Antutu Benchmark」がバージョン8にアップデート ー リフレッシュレートやRAM/ストレージ仕様の違いなども反映されるようになりました

Antutu Ver 8
こんにちは、かのあゆです。Android環境の総合ベンチマークソフトとして著名なものに「Antutu Benchmark」がありますが、先日これがVersion 8にアップデートされました。今回のアップデートで3Dベンチマークの内容が変更され、計測結果も変わりました。既存のVersion 7と数値(スコア)による単純比較ができなくなっています。

スポンサーリンク

1.3Dベンチマークの内容が変更

基本的にベンチマーク内容自体は以前のバージョンから変わっておらず、
CPU
GPU
メモリ
UX

の項目がテストされますが、GPUテストの内容が変更され、新たに「Vulkan API」を利用したベンチマークテストが追加されています。ベンチマークの内容としてはVersion 7で搭載されていた「Coastline」「Refinery」に加え、従来の「Marooned」と入れ替わる形で「Terracotta Warriors」が追加されています。また、従来はAntutu Benchmark本体と3Dテスト用アプリ「Antutu 3D Bench」が別アプリとして分離していましたが、今回のバージョンから一つに統合されています。

Terracotta Warriors Demo
「Terracotta Warriors」 は古代中国をイメージしたデモムービーで、非常に神秘的なムービーとなっているため一度は見ておくと楽しいかもしれません。

「Coastline」と「Terracotta Warriors」はVulkan APIを利用したテストで、内蔵されているGPUが非対応の場合、あるいはVulkan APIを公式でサポートしないAndroid 6.0.x Marshmallow以前のバージョンを実行している場合はスキップされます。また「Terracotta Warriors」に関しては現在のハイエンドCPUであるQualcomm Snapdragon 855でも重い印象で、Vulkan APIに対応するGPUが搭載されている端末であってもRAMが6GB以上搭載されていない端末では実行されません。

UXのテスト項目はVersion 7と同じく「データセキュリティ」「データ処理」「画像処理」「ユーザーエクスペリエンス」の項目がテストされますが、今回のバージョンから「AQUOS zero」や「ROG Phone」などのゲーミングスマートフォンに搭載されている高リフレッシュレートのディスプレイ環境でのベンチマーク測定にも対応しました。また、RAM容量とストレージ容量の仕様の違いも考慮されるようになりました。

また以前から問題となっていたメーカーによるベンチマークチート行為に対しても対応が行われており、ベンチマークスコアの改ざんやベンチマーク時のみ特別なパフォーマンスモードで動作させるなど「通常の動作ではない環境」を検出するようになりました、これによりベンチマーク結果の正確性も向上することが期待されます。

スポンサーリンク

2.仕様の変更により、ベンチマーク結果にも変化が

Galaxy S10eでの計測例
Version 6からVersion 7にアップデートされた時もそうでしたが、今回のバージョンアップでも3Dベンチ項目の変更や高リフレッシュレート環境への対応などが行われているため、ベンチマーク結果の内容が大きく変更されています。上の画像はAntutu Version 7とAntutu Version 8で計測したSamsung Galaxy S10eでの計測例ですが、Version 7と比較するとベンチマークスコアが約5.5万点向上しています。また同じスマートフォンでもRAM、ストレージ容量による違いも反映されるようになったため、同一端末であってもRAM 6GBモデルとRAM 8GBモデルではまた異なる計測結果となります。

Teclast M30での計測例
「Terracotta Warriors」を実行できなかったTeclast M30でもAntutu Version 7とAntutu Version 8では計測結果が大きく変わっています。Version 7以前の計測結果と比較することができなくなったため、端末レビューなどでベンチマーク結果をチェックする際は注意が必要です。また現時点でAntutu Version 8がリリースされているのはAndroid版となっており、iOS版に関してはVersion 7.1.2が最新バージョンです。こちらも近いうちにVersion 8系に切り替わると思われますが、Android端末との性能比較を確認する際はこの点も頭に入れておく必要がありそうです。

3.まとめ

最新のハードウェア環境を考慮すた内容に
今回のバージョンアップでは「PUBG Mobile」のような重量級3Dゲームの実行を想定したベンチマークテストや高リフレッシュレートのディスプレイを搭載した端末への対応など、近年のスマートフォンのハードウェア強化を想定したアップデートが行われています。また以前から問題となっていたメーカーによるベンチマークチート行為への対策も行われ、今後のベンチマーク計測結果の信頼性の向上も期待できそうです。

もちろん端末の快適性に関してはベンチマークのスコアが全てではありませんが、Antutuなどのベンチマークアプリの結果を参考にして端末を選ぶ方も多いでしょう。ベンチマークアプリ自体は頻繁に使うアプリではありませんが、自分の端末の概ねの性能やOSのバージョンアップによるパフォーマンスの向上が目に見えてわかりやすいので入れておいても損はないかと思われます。

4.関連リンク

Antutu Benchmark : Google Play

スポンサーリンク