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AGM M7の実機レビュー - タフネスなフィーチャーフォンです。長持ちバッテリーや高出力スピーカーが魅力

AGM M7
こんにちは、ウインタブ(Twitter:@WTab8、Instagram:@gadget_wintab8)です。今回は珍しく「フィーチャーフォン」の実機レビューです。AGM M7という「タフネス・フィーチャーフォン」と言えるアウトドア向けの筐体を備えたニューモデルです。

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バッテリー持ちがよく、限定的ながらアプリも使えますので、通話メインで割り切った運用を、と考える場合には便利に使えそうです。あと、ウインタブ読者が中華デバイスの購入検討をする際の必須条件とも言える「なんとなく面白そう」という要件は十二分に満たしていますねw

なお、このレビューにあたり、メーカーのAGMより実機をサンプル提供していただきました。この場にて御礼申し上げます。ありがとうございました。

AGMのWebサイトはこちらです。
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AGM公式サイト M7 製品ページ

1.AGM M7 スペック

スペック表

  AGM M7
OS Simplified Android 8.1 based
CPU MediaTek MT6739
RAM 1GB
ストレージ 8GB
ディスプレイ 2.4インチQVGA(320×240)タッチ
LTEバンド B1/3/5/7/8/20/28AB
SIM形式 nanoSIM
ネットワーク 802.11 b/g/n、Bluetooth 4.2
入出力 USB Type-C、microSDカードリーダー
カメラ イン:0.3MP/アウト:2MP
バッテリー 2,500 mAh
サイズ 142 x 61.9 x 19.8-25 mm
重量 195 g

ポイント

・簡略化されたAndroid OS
・IP68、IP69K、MIL-STD-810Hの堅牢性と防水・防塵性能
・3.5W出力の大型スピーカー搭載
・Google Play Storeなし、アプリの導入不可
・日本語表示は可能、日本語入力は不可

コメント

AGM M7はスマホではないので、スペック表の内容について、例えば「RAMが1GBにストレージ8GBってなんだよ!」とディスっても仕方がありません。というか、このスペック表を見ても実際の使い勝手がピンとこないです。この段階では、「とりあえずしばらく使ってみるか」ということしか言えませんね。

2.筐体

AGM M7 同梱物
同梱物です。ペーパー類は左端のオンライン登録の説明書、その右の取扱説明書があり、あとはACアダプター、充電/データ伝送用のUSBケーブル、そしてUSB Type-C – 3.5mmイヤホンジャックの変換ケーブルが入っていました。

AGM M7 取扱説明書
取扱説明書は英語のみですが、AGM M7の場合、この取扱説明書は重要です。AGM M7は「物理キーのついたフィーチャーフォン」で、物理キーでの文字入力も可能です。数値入力と文字入力の切り替えとか、DeleteとかBackSpaceとかをどうやって操作するのかはこの取説頼みです。一度目を通してしまえばどうということもありませんが、英語が苦手な人だと、調べながらになるので、ちょっと面倒かもしれないですね。

AGM M7 イヤホン
レビュー機にはJBLの防水イヤホン(Bluetooth接続)が同梱されていました。ただ、標準付属品ではないようなので、今回のレビューではこのイヤホンについては言及しません。

PDA工房のフィルム
それと、これも付属品ではありませんが、PDA工房にAGM M7用の保護フィルムを作っていただきました。PDA工房には非常に多くの種類の保護フィルムがありますが、今回はタフネス機らしく「9H高硬度(光沢タイプ)」を選ばせていただきました。なお、このレビューはフィルムを貼らない状態で進めています。フィルムを貼っての使用感はまた別の機会にお伝えしたいと思います。

AGM M7 正面

前面です。タフネスタイプのフィーチャーフォンということで、ゴツいですし、今となっては「懐かしカッコいい」という感じでしょうか?個人的にはとても気に入りました。

AGM M7 キーボード
物理キー部分です。キータッチはやや重く、カチッとした感触で気持ちよく打鍵ができます。キー表面の印字はごくシンプルで、印字だけ見ても使い方を完全には理解できません。取扱説明書をよく読む必要があります。

AGM M7 背面
背面です。この製品のセールスポイントである大型スピーカーが見えます。というか存在感抜群ですね、これ。タフネス系のデザインともよく合っていると思います。

筐体素材は樹脂製です。高級な感じはありませんが、ちょっと触っただけで頑丈さが伝わってきます。

AGM M7 バッテリー部分
AGM M7は今どき珍しい、バッテリー着脱式です。画像左から「外ブタ」「中ブタ」「バッテリー」そしてM7本体です。なぜ中ブタまであるのかについて、正確にはわかりませんが、IP68/IP69Kの防水・防塵機能のある製品なので、おそらく防水性を高めるため、ということでしょう。

AGM M7 SIM & SDスロット
バッテリーを外すとnanoSIMスロットが2つとmicroSDスロットが1つ見えます。なお、この製品はデュアルSIMですが、一方がGSM専用なので、日本では実質的にシングルSIMとなります。また、メーカーの説明では日本のVoLTEにも対応、ということでした。

AGM M7 上面
上面です。こちらにはフラッシュライトがあります。

AGM M7 フラッシュライト
さすがタフネス機。ライトはかなり明るく、「ちょっと暗めの懐中電灯」くらいの性能はあります。就寝時に枕元に置いておくと便利かもしれませんね。

AGM M7 下面
下面です。まず目に入るのがコネクター(2つの接点)です。

AGM M7 充電ドック
これ、メーカーサイトにあった画像です。AGM M7には別売りで充電ドック(クレードル)が用意されています。ただし、今回のレビュー品には充電ドックは含まれていませんでした。

AGM M7 下面
下面にはパッキンで覆われたUSB Type-Cポートがあります。充電ドックがないので、常にこのポートから充電することになります。また、この製品にはイヤホンジャックもなく、イヤホンを使う際は付属の変換ケーブルをこのType-Cポートに接続することになります。

AGM M7 左側面
左側面です。AGM M7はスマホと違って側面にはボタンが1つだけ。このボタンはユーザーが任意に機能を割り当てることができます。標準では「Zello」というPTT(Push to Talk)アプリの呼び出しが割り当てられていました。

AGM M7 右側面
右側面にはボタンはありません。凹凸がつけられ、滑りにくくなっています。

AGM M7 スマホとサイズ比較

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AGM M7 スマホとサイズ比較
スマホ(UMIDIGI S3 Pro、6.3インチディスプレイ)とサイズ比較していました。フィーチャーフォンなので、かなりコンパクトという先入観がありましたが、横幅はスマホより小さいものの「それほどコンパクトでもない」ですねw 特に厚みはかなりのもので、ポケットなどに入れてもそれなりにかさばります。

3.AGM M7 システム

AGM M7 画面
いろいろ試してみましたが、スクリーンショットの撮り方がわかりませんでした(たぶん、「その機能がない」と思います)。ということで、この画像でご容赦ください。

画面が小さいですが、タッチ対応もしますし、アイコンをタップしてアプリを呼び出すというのはスマホと同じです。1画面に表示できるアイコンが4つだけなので、横にスワイプして他のアイコンを表示させます。また、左の画像は待ち受け画面で、上にスワイプしてメニューを出します。PINコード入力などもスマホと同じですね。

初期登録されているアイコンは下記の通り。

・通話履歴
・メッセージ(SMS)
・連絡先
・WhatsApp
・Facebook
・FMラジオ(日本の周波数には合いません)
・カメラ
・Chrome
・カレンダー
・設定
・ギャラリー
・ファイルマネージャー
・時計
・音声レコーダー
・電卓
・音楽
・Skype
・Zello
・Clear(タスクキル及びキャッシュクリア)
・User defined Key(カスタマイズボタンの設定)
・Sound(メディア、アラーム、着信音の設定)
・TikTok

これらの多くはAndroidの基本機能および設定項目にあるもので、アプリらしいものと言えば「WhatsApp」「Facebook」「Chrome」「Skype」「Zello」「TikTok」くらいでしょうか。

また、Google Playはなく、APKでのアプリインストールも試してみましたが、インストールできませんでした。PCからADBで、というのは試していませんが、AGM M7は通常の方法(APKからの導入も含む)では新規にアプリを入れることはできないようです。

ただし、「Chromeがあるのは神」ですね!メールにせよYouTubeにせよ、Chrome経由で使えますから。また、Chromeが入っているということはGMSの全てを除外しているわけではなく、あえて導入していない、ということでしょう。

AGM M7 システム
設定画面は一般的なAndroid OSとあまり変わりません。Androidのバージョンは8.1.0、セキュリティパッチは2019年1月5日と、かなり古いものでした。一応OTAアップデートもできる仕様ですが、アップデートが降ってくることは期待できないでしょう。

ストレージは初期状態で3.75GBほどが使用されており(上記はカメラやAPKファイルをいくつかダウンロードした後の画像です)、空き容量は4.25GBほどでした。アプリのインストールもできないわけですし、まあこれで特に問題はないかと思います。

4.AGM M7 使用感

ディスプレイ

AGM M7 ディスプレイ
使用感を決定づけるポイントとして「ディスプレイの品質が低い」ということが挙げられます。ディスプレイサイズが小さいのは仕方がないとして、いまどきIPS液晶ではありません。視野角が狭く、発色性能も低いので、お世辞にも視認性がいいとは言えません。それに加え、画素数も少ないため、ChromeでWebサイトを開いても文字がギザギザに表示されてしまいます。タッチの感度は「悪くはない」ですが、特に褒められた品質でもありません。

AGM M7の製品特性を考えれば、これらの点は当たり前といえば当たり前です。ChromeからYouTubeの動画を観ることだってできますが、それがAGM M7の本来意図する(メインとなる)使い方なのか、と言われればそれも違うと思います。なので、YouTubeの動画視聴がはなはだ低品質である、ということがAGM M7の評価を決定づけるものではないでしょう。

キーボード

携帯電話として使用する場合、物理キーの使用感は良好です。物理キーのついた製品を探している人のニーズにかなうものだと思います。

次に入力方法ですが、物理キーによる入力、Androidキーボード(AOSP)(画面に表示されるソフトウェアキーボードですね)のいずれも可能です。ただし日本語入力はできません。この製品はアプリの導入ができず、したがってGboardなどの日本語入力アプリも使えませんので、SMSやChromeでの検索はアルファベット入力(ローマ字)のみとなります。どうせLINEは使えないわけですが、テキストメッセージを多用する人には明らかに不便です。

私が試した限りだと、物理キーによる文字入力よりもソフトウェアキーボードでの入力のほうが楽ですね。ソフトウェアキーボードのほうもディスプレイサイズが小さいのでそんなに使いやすいとは言えませんが、以前のガラケーのように物理キーを連打して文字を入れるよりも数段マシでした。

なお、ここまでに掲載している画像を見ていただければわかると思いますが、できないのは「日本語の入力」であって、Android OSの日本語表示はほぼ完ぺきにできます。

アプリ

Androidの基本アプリ以外だと、上に書かせていただいたとおり「WhatsApp」「Facebook」「Chrome」「Skype」「Zello」「TikTok」が使えます。また、繰り返しになりますが、新規のアプリインストールはできません。

私はライターとの連絡にいくつかのツールを使っていますが、WebミーティングではSkypeを使います。なので、ライターに協力してもらい、AGM M7を使ってWebミーティングをやってみました。

AGM M7 Skype
私を含めて3名参加のWebミーティングはこなせます。ただし、ディスプレイサイズが小さいので、視認性はかなり悪くなります。この画像の下のほうに映っている人(めっちゃ挙動不審な風体ですけど)はスマホからアクセスをしていて、カメラと顔の距離が近いので、顔を認識できますが、上のほうに映っている人はPCを使い、Webカメラから一定の距離を置いているため、もはや誰だかわかりません。また、ライターに聞いてみたところ、私の顔の画質は「2000年頃のデバイスかと思った」とのことでした。

ただし、音声は(通信環境に依存しますが)十分クリアに聞こえましたので、実用性はあると判断できます。この製品は日本語のテキスト入力ができませんので、ボイスチャット系は重宝しそうです。

AGM M7 Chrome
Chromeを使っての各種操作(Webブラウジング、動画視聴、Gmailの利用など)も可能です。ただし、上に書かせていただいたとおり、ディスプレイ品質が低いのと、解像度が低いこともあって、あまり快適とは言えません。実使用時にはメールチェックとかグループウェア等の更新内容の確認などで重宝するとは思います。

TikTokに関しては普通に閲覧ができますが、やはり画質はよくありません。仕事中の息抜きくらいなら大丈夫でしょう。

AGM M7 Zello
PTTアプリのZelloです。このアプリはGoogle Playにあり、AGM M7以外のスマホにもインストールできます。ボイスチャットアプリで、トランシーバーのようにボタンを押しながら話すタイプで、サイドにPTT対応のボタンが付いているAGM M7との相性は良好です。Skypeのところでも書きましたが、この製品はボイスチャット系のアプリをいかにうまく使うかが使用感を高める鍵、と言えそうです。

スピーカー

AGM M7のセールスポイントのひとつに「高出力スピーカー内蔵」というのがあります。実際にYouTubeで音楽を聴いたり、SkypeでWebミーティングなどをしてみましたが、スピーカー音質は思ったよりも良好です。さすがに音楽用としてはあまり高く評価できませんが、やばいくらいの大音量を出せます(手持ちのスマホ、Pixel 5の数倍。いやほんとに数倍)ので、屋外の少人数パーティーでも使えそうなレベルです。AGM M7が想定するアウトドア利用を考えると、スピーカー品質は高く評価していいと思います。

バッテリー

今回はWi-Fi接続を試したものの、SIMを使っての通信は試せていません。そのため、実使用時のバッテリー駆動時間とは異なる使用環境と言えます。その前提で書かせていただくと「すごく長時間使える」ということになります。使用時間はあまり長くないとはいえ、4日間くらいずーっと電源を入れっぱなしなんですが、バッテリーは50%くらいしか減っていません。もともとゲームができるような製品ではなく、大部分は通話待ち受け、たまにChromeやSkypeなどのアプリを短時間使う、という感じになると思いますが、それなら数日は充電無しでいけるでしょう。フィーチャーフォンの大きなメリットと言えますね。

カメラ

AGM M7 カメラ

AGM M7 カメラ
AGM M7のアウトカメラは「2MP」なので、あえて記事内で触れる必要もないかと思いましたが、一応撮影画像を少しだけ。

まあ、スペック表に一致した画質、といいましょうか、メモ代わりとしては十分使えますよ、というところでしょうか。カメラアプリは静止画と動画の撮影が可能ですが、画質を調整できるような設定項目もありませんし、どちらにせよ画質には期待しないほうがいいです。

5.AGM M7 レビューまとめ

AGM M7はAGM公式サイトで販売中で、5月11日現在の価格は99.99ドル(約11,000円)ですが、5月15日まで有効のクーポン「AGMNEW」を使えば10%OFFの90ドル(約9,900円)で購入ができます。

レビューを終えてみて「安価でタフネス系のフィーチャーフォンとしては思ったよりも多機能」というのが感想です。ただし、すっかり便利になり、今や日常生活に欠かせないものになったスマートフォンとは「機能性」という点では勝負になりません。あくまで通話やボイスチャット用としての利用がメインとなるでしょうし、バッテリー切れに気を取られることなく長時間の待ち受けが可能である点が最大のメリットと言えるでしょう。

また、IP68/IP69Kの防水・防塵性能とMIL規格準拠の堅牢な筐体、高出力なスピーカー、非常に明るいフラッシュライトなど、アウトドア利用には非常に便利な機能も搭載しています。

ウインタブ読者の場合(というか世の中のほとんどの人)はスマートフォンをメインにお使いだと思いますが、スマホを持っているという前提であれば、通話用・ボイスチャット用として、また予備機として持ち歩くというのは悪くない選択肢と言えるでしょう。もちろん「業務用端末」としては非常に優秀だと思います。

6.関連リンク

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