急速充電器やモバイルバッテリー、ケーブル類でおなじみのUGREENがNAS(Network Attached Storage、ネットワークに接続して使用するストレージシステム)「UGREEN NASync DXPシリーズ」を発表しました。GREEN FUNDINGでクラウドファンディング中なのですが、非常に人気があり、すでに4億円以上の支援金額を集めています(2月20日現在)。また、GREEN FUNDINGに先立ち、米国のKICKSTARTERでもクラウドファンディングが実施され、10億円以上の支援を集めたとのこと。
ウインタブでもクラウドファンディング製品をご紹介することがありますが、UGREEN NASync DXPシリーズほどの人気製品は珍しいと思います。上位モデルだと10万円を超える単価の製品なんですけどね。これは「世の中にNASのユーザー、あるいはNASにニーズのある人」が非常に多いことも意味します。これまでNASに無縁だった人も、このUGREEN NASync DXPシリーズには注目してみても良いんじゃないでしょうか。
GREEN FUNDINGの製品ページはこちらです
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1.バリエーションとスペック
UGREEN NASync DXPシリーズには複数のモデルがあり、現在クラウドファンディング中なのは3モデルです。以下にそれぞれのスペックを掲載します。
モデル | DXP 2800 | DXP 4800 Plus | DXP 6800 Pro |
CPU | Intel N100 | Intel Pentium Gold 8505 | Intel Core i5-1235U |
コア/スレッド | 4コア/4スレッド | 5コア/6スレッド | 10コア/12スレッド |
RAM | 8GB(DDR5, 最大16GB) | 8GB(DDR5, 最大64GB) | 8GB(DDR5, 最大64GB) |
フラッシュ メモリ (システム ディスク) | eMMC 32GB | SSD 128GB | SSD 128GB |
SATA ドライブ ベイ | 2(最大24TB×2) | 4(最大24TB×4) | 6(最大24TB×6) |
M.2 SSD ドライブ スロット | 2(最大8TB × 2) | 2(最大8TB × 2) | 2(最大8TB × 2) |
RAID | JBOD/Basic/RAID0/RAID1 | JBOD/Basic/RAID0/1/5/6/10 | JBOD/Basic/RAID0/1/5/6/10 |
最大ストレージ | 64TB(24TB×2+8TB×2) | 112TB(24TB×4+8TB×2) | 160TB(24TB×6+8TB×2) |
LAN ポート (RJ45) | 2.5GbE×1 | 2.5GbE×1+10GbE×1 | 10GbE×2 |
PCle 拡張 | — | — | X4×1 |
Thunderbolt 4 ポート | — | — | TBT4×2 |
USB 3 | Type-C Gen2 USB3 Gen2 USB3 Gen1 |
Type-C Gen2 USB3 Gen2 USB3 Gen1 |
TBT4×2 USB3.2 Gen2×2 |
USB 2 | USB2.0×2 | USB2.0×2 | USB2.0×2 |
SD カード リーダー | — | SD 3.0 | SD 4.0 |
HDMI | 4K | 4K | 8K |
サイズ | 231 × 109 × 177 mm | 257.5 × 178 × 178 mm |
293 × 258 ×200 mm |
重量 | 2.545 kg | 6.023 kg | 6.375 kg |
NASの基本機能は「ストレージ」ですが、単純に容量だけ見ると最もコンパクトかつ安価なDXP 2800でも最大64TBと、もっぱらPCやスマホだけを使っている人には気の遠くなるようなものになっています。
2.機能について
ご存じの方も多いと思いますが、NASは単なる「外付けストレージ」ではありません。外付けストレージが「パソコンに直接つなぐストレージ(1台のPCのみに接続)」であるのに対し、NASは「ネットワークにつながるストレージ(Wi-FiやLAN経由で多人数・他デバイスで使える)」です。ネットワークにつながる、という時点でSSDやHDD以外のパーツも必要になります。いわば「小型のコンピューターのようなもの」で、CPUやRAM、各種ポート、ネットワーク機能を備えています。
搭載CPUは最も低価格なDXP 2800でIntel N100、上位のDXP 6800 Pro なら第12世代のCore i5-1235Uです。いずれもニーズに照らすと十分な性能を備えています。
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オリジナルOS「UGOS Pro」
OSはUGREENのオリジナルOS「UGOS Pro」です。もちろんWindows、macOS、Android、iOS、 Web、TVからアクセス可能でNAS初心者でも簡単に初期設定ができ、強力なセキュリティ機能を備えています。
セキュリティに関しては欧州の「ETSI EN 303 645認証」、及び米国の「TRUSTe認証」と、国際的な認証も取得しており、転送中の暗号化やリアルタイムスキャンによるウイルスやマルウェアから保護機能もあります。
これだけの大容量なので、当然RAID(Redundant Array of Independent Disks、複数のHDDやSSDを組み合わせてデータの高速化や安全性向上を図る技術)にも対応しています。RAIDについて詳しい説明は省きますが、データの安全な保管を優先するRAID 1(ミラーリング。 2台のディスクに同じデータを保存するので、一方のディスクが破損してもデータは守られるが、容量は半分になる)、速度を優先するRAID0(ストライピング。複数のディスクにデータを分散するので、読み込み・書き込み速度が理論上2倍になるが、1台でも壊れると全データ消失)などを選べます。ただ、HDDを使う場合ならRAID0にする意味は薄いかもしれませんね。
3.他のストレージとの比較
次に、「外付けストレージ」と「クラウドストレージ」との比較です。
上でもご説明した通り、NASは「複数デバイスからのアクセスが可能」というメリットが大きいです。また、OSやCPU、RAMも搭載していますので、特にUGREEN NASync DXPシリーズではデータ管理などの付加機能も充実しています。
クラウドストレージとの比較ではコスト面の優位性が高いです。また、(私が先日購入したpCloudのような買い切り型もありますが)クラウドストレージはサブスクリプション型がほとんどなので、定期的にお金がかかりますが、NASは一度購入すれば追加料金はかかりません(HDDやSSDを増設する場合は別ですけどね)。
あと、回線速度ですが、クラウドストレージの場合はご自宅や事務所などで使っている「おおもとの通信回線(光回線など)」の速度に依存するので、私のようにマンション住まいで勝手に回線工事ができない場合はどうしようもありませんが、ご自宅のルーターを介してNASとPC(他のデバイスでも)を接続する場合は接続機器の仕様によって高速にすることができます。DXP 2800は2.5GbE、DXP 4800 Plusは2.5GbE+10GbE、DXP 6800 Proは10GbE×2のLANポートを備えており、DXP 6800 Proでは最大2500MB/sの速度でファイルを転送できます。
ただし、これはNAS側が対応していればいいというものではなく、接続するPCやルーター、ケーブルも2.5GbEや10GbEに対応している必要がありますし、おそらく一般家庭の多くは1GbEになっていると思うので、超高速なデータ転送を実現するためにはNASync DXPシリーズ以外にも結構なお金がかかります。
4.価格
UGREEN NASync DXPシリーズはGREEN FUNDINGでクラウドファンディング中で、2月20日現在の価格(支援額)は下記のとおりです。
NASync DXP 2800:39,116円
NASync DXP 4800 Plus:69,916円
NASync DXP 6800 Pro:118,916円
※いずれも超早割価格(30%OFF)です
私の感覚だと、DXP 2800でも十分かな、と思える仕様なので、39,116円なら買いかも、と感じられます。ただし、搭載するHDDやSSDは別途購入する必要があります(ぶっちゃけNASyncだけ買っても何にもできませんw)し、データ転送を高速化するための設備投資もする場合はさらに追加費用がかかりますのでご注意下さい。
5.関連リンク
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