こんにちは、ウインタブ(@WTab8)です。この6月はBluetoothイヤホンのレビューを連続して実施しました。私は音質の評価が得意ではなく、家族(特に音楽好きな若者たち)の協力を得ながら、自分でもいろいろと勉強させてもらいながら、いい経験をさせてもらったと思います。また、ライターの壁さんにもヘッドホンのレビューをしていただきました。
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そして、今回もイヤホンのレビューです。Bluetoothの「完全ワイヤレス」タイプである「SoundPEATS Q32」です。音楽好きな人はこのような完全ワイヤレスイヤホンをすでに使っているかもしれませんし、Appleの「AirPods」なんかは税込みで2万円近い価格であるにもかかわらず、かなりの人気になっているようです。完全ワイヤレスイヤホンを試してみたい、という人も少なくないでしょう。この製品は税込み5,099円(6月29日現在のAmazon価格)と比較的安価で、Amazonでもよく売れているようです。レビュアーである私と私の家族(どちらかというと後者が一段と意欲的)にとってもはじめての経験となる完全ワイヤレスイヤホン、しっかりレビューしていきたいと思います。
なお、この製品はメーカーであるSoundPEATSにご提供いただきました。この場にて御礼を申し上げます。ありがとうございました。
1.スペック
通信規格: Bluetooth 5.0
最大通信距離: 10 m(障害物なし)
対応プロファイル: HSP v1.2、HFP v1.6、A2DP v1.3、AVRCP v1.6
ノイズリダクション: CVC 8.0
チップセット: CSR63210
再生時間: 約3時間(音量60%で使用の場合)
待機時間: 約80時間
充電ケース・イヤホン充電可能回数: 18-20回
充電ケースバッテリー容量: 2600mAh
サイズ: 24 × 21.9 × 16 mm / 4.7 g(単耳)
まず、この製品はBluetooth 5.0に対応します。「へえ、じゃあ音もいいんだ!」と思いましたが、Bluetooth 5.0だから音質がいいということはないそうです。ただし、低遅延で安定性が高いので、音が途切れたりしない、という意味では高音質と言ってもいいのかもしれません。また、Bluetooth 5.0の恩恵を受けるためにはイヤホンだけでなく、接続するスマホもこの規格に対応している必要があります。iPhoneであれば「iPhone 8 / iPhone X」のみですね。Androidのほうも、最新の上級モデルでないとBluetooth 5.0に対応するスマホは少ないだろうと思います。
コーデックですが、AAC、aptXとも非対応です(スペック表に記載がなく、実機レビューでも確認できませんでした)。一般的にはiPhoneならAAC、AndroidならaptXに対応するイヤホンのほうが高音質ということが言われていますが、そのへんも踏まえて音質面のレビューをしていきたいと思います。また、この製品はノイズキャンセリング機能「CVC 8.0」を備えますが、これは音楽鑑賞時に周囲の騒音を消す機能(ANC)ではなく、通話時に威力を発揮する機能なので、そのへんは誤解のないようにしたいところです。
完全ワイヤレスイヤホンの特徴として「片耳でも使える」というのがありますが、この製品の場合、両耳でのペアリング、右耳のみのペアリング、そして左耳のみのペアリングが可能です。音楽鑑賞の場合は両耳必須かと思いますが、ハンズフリー通話等の場合は片耳で十分ですし、その場合はCVCも役に立つと思います。
また、この製品は充電式です。しかも連続再生時間は公称値で3時間(実際には2時間強くらいでした)となっています。しかし、専用の収納ケースが同梱され、このケースにバッテリーが内蔵されているため、出先であっても使用していないときにケースに入れておけば勝手に充電される仕組みです。しかも一度ケース側を満充電すれば、18~20回はイヤホンを充電できます。ここのテストはしていませんが、話半分としても10回くらいは充電できますので、実用性を大いに高めてくれていると言えるでしょう。
2.筐体
同献物です。SoundPEATSのイヤホンは同梱物満載です。ご自身の耳のサイズに合わせてフィット感を調整するためのイヤーフック、イヤーピースそれぞれ3サイズ(S、M、L)が入っていました。画像右下にあるのがバッテリーを兼ねたケース、左下はソフトケース(バッテリーケースも収納できます)です。右上はバッテリーケースを充電するためのmicroUSB(オス)- USB(オス)のケーブル、中央左は取扱説明書、そして中央右はサポート連絡先などが記載されたカードです。
取扱説明書は「豆本(6センチ四方)」サイズですが、このように非常に分厚くなっています。日本語を含む5カ国語で記載され、日本語の部分だけで14ページあります。この製品は片耳、両耳でペアリングができたりしますので、説明文は長くなってしまいます(ペアリングはめちゃめちゃ簡単ですが、取説を読まないと自分の希望するペアリングができません)。
これが本体です。「完全ワイヤレス」なのでコードはありません。この画像では「Mサイズのイヤーピース」がついていますが、これは製品にデフォルトで装着されているものです。また、この画像では両方のイヤホンに金色の点が2つずつありますが、これはバッテリーケースに入れた際に充電するためのコネクターです。
背面にはSoundPEATSのロゴがありますが、ここはボタン(マルチファンクションボタン)になっていて、短押しや長押し、押す回数などに応じてBluetoothのペアリングや曲送り、電話応答などができます。ボタン一つで多くの機能を兼ねている関係上、例えば「曲送りはボタンを短押しで2回」など、操作方法を頭にいれるのに少し苦労しそうです。なお、マルチファンクションボタンは両耳にあり、例えば曲送りなんかだと左右どちらのボタンでも操作可能です。
イヤーピースの着脱は特に大きな力が必要だったり特別なコツが必要だったりということはありません。ただし、柔らかいラバーなので、乱暴には扱えないですね。
イヤーピースは2種類の形状があり、「羽根つき」のほうをイヤーフックとよんでいます。役割はどちらも同じで、耳のサイズに合わせたイヤーピース、イヤーフックを選ぶことになります。
ご想像の通り、といいますか、この製品、というか完全ワイヤレスイヤホンは「めちゃめちゃ紛失しやすい」です。そのため、イヤーピースやイヤーフックをどれにするかということは慎重にやる必要があります。紛失しなくとも、耳に装着している際にうっかり落としてしまったら、そして不運にもそれが水場だったりしたら、水没して故障するなどの原因になりかねません。
より脱落しにくいのは羽根つきのイヤーフックの方です。こちらにすれば耳にしっかりと引っかかりますので脱落のリスクは小さくなります。しかし、これも少し問題があります。
これがバッテリーを兼ねたケースです。ここにイヤホンを収納すると、ケースのバッテリー残量がある限り勝手に充電してくれます。このケース、バッテリーを内蔵していることもあり、手で持ってみるとずっしりした印象ですが、重量は実測値で95 gと、それほど重いわけではありません。
95 gという重量と合わせ、イヤホン本体のバッテリーの持ちがよくないことから、長時間の外出時にはこのケースをバッグに入れておくということが必須になるでしょう。実際、ケースはサイズも小さく、バッグに入れてもじゃまになりません。
ケースの正面には充電用のmicroUSBポートと、バッテリー残量を示すLEDインジケーターがあります。
ケースはかなりしっかりした作りになっていて、まるで指輪ケースみたいな感じです。この状態でお付き合いしている人にプレゼントしたら、うれしい誤算(ただの誤算かもしれないですけど)になるかもしれません。
で、話を「羽根つきのイヤーフック」に戻します。イヤーフックを装着した状態だと、ケースにピッタリ収納し、充電させるのに苦労します(後述します)。かなりわがままな注文になりますが、可能であればこの点をメーカーさんに改善してもらいたいところです。
3.使用感と音質
装着イメージ
今回、比較的長時間この製品を試用したのは上の子です。ということで彼女をモデルにして装着したところを撮影してみました。
このようになります。で、向きなんですけど、イヤーフック(羽根つきのほう)を使わず、イヤーピースだけで装着する場合、特に「この向きでないとダメ」というのはありません。コードもありませんしね。
イヤーフックに取り替えてみました。こちらのほうが安定感は数段上です。ただし、
ケースに入れる際にはひと工夫、というか、羽根の向きをうまく考えて、少し動かしてやる必要があります。この画像だと羽根がはみ出してしまっていますが、手で羽根を押し込んでやると、蓋を閉めることはできます。でもこの作業は結構ウザいですね。頻繁に耳に装着したり、ケースにしまったり、ということを繰り返す使い方だと「イラッと」するかもしれません。
また、装着感との関係ですが、上の子に「どう?使いやすいかい?」と聞いてみたところ、「完全ワイヤレスの快適さは異常。コードがないということがこれほど気持ちいいものだとは思わなかった。もはやコード付きのイヤホンには戻れない」とのことでした。このあと簡単に音質評価もしますが、やはり完全ワイヤレスの真骨頂は装着感にあるのだ、と思います。
音質
試用に使ったスマホはiPhone 8で、Bluetooth 5に対応します。その上で、音楽や動画を視聴してみました。試用してみての音質の感想はこんな感じです。なお、視聴したのはポップ系の音楽です。
●ヴォーカルが近く感じる。ヴォーカルの音域が強調されているのか、他のイヤホンと比較すると、すぐ近くで歌っているように感じられるし、繊細に思われる。
●ドラムスやギターなどの音の輪郭がはっきりしていて、リアルに感じられる。
●ヴォーカルと楽器の音がそれぞれリアルに、間近かに感じられるので、臨場感がある。
音質に関しての総合評価はかなり高いです。特にiPhoneの標準付属イヤホン(EarPods)よりは明らかに上ですね。
次に動画視聴です。これね、音ズレします。Bluetooth 5でつながっているはずなんですが、遅延はありますね。上の子いわく、「YouTubeの動画とかでもズレるが、特に困っていない。でも、インスタのストーリー(InstagramのStoryという動画投稿機能)はめっちゃズレる。」とのこと。ということで、Bluetooth 5だから低遅延、ということはこの製品の場合過信できません。
4.まとめ
SoundPEATS Q32はAmazonで販売中で、6月29日現在の価格は税込み5,099円です。完全ワイヤレスイヤホンは安いものだと3,000円台から購入できますので、この製品は必ずしも最安値とは言えません。しかし、ウインタブでSoundPEATS製のイヤホンをレビューするのはこれで3機種目で、過去の2機種はもちろん、この製品についても若い人たちからの評価は非常に高いものがあります。
規格面の話をしていまうと、AACやaptXに対応しない、という弱点がありますが、私と私の家族の感覚では「AACでないから、またaptXでないから音が悪い」というのはわかりませんでした。おそらく音質を追求していくと、どこかでボロが出るのかもしれませんが、値段なりというところで納得できる水準だと思います。
音質ももちろん重要ですが、完全ワイヤレスの最大の魅力は「コードがないので爽快」ということだと思います。なので、音質面と使用感と、トータルで判断すべきものでしょう。そして、完全ワイヤレスという構造は「落下」だけがすごく心配です。
あと1カ月くらいして、読者の方から、「あのQ32、その後調子はどうですか?」って聞かれた際に「ああ、あれね、片方なくしちゃったんですよ。」という回答にならないように十分注意しなくては…。そういう事態にならない限り、「もうコード付きのイヤホンには戻れません。」という回答ができると思います。
コメント
商品を提供された人のレビューでよくあるパターンだけど、あなたも例にもれず付け方間違えてますよ
あー確かに。Amazonの商品説明画像とは逆ですね~。
>AndroidならaptXに
揚げ足取りみたいでアレですけど、aptXはスナドラ機にしか対応してないです。