こんにちは、ウインタブ(@WTab8)です。今回は完全ワイヤレスイヤホン「mifo O5」の実機レビューです。ウインタブの周辺機器レビューではキーボードと並んでレビュー機会が多いのがイヤホンですが、私自身は音楽鑑賞が趣味ということもありませんし、年齢も上がってきているので「耳の機能」も衰えていると思っています。自分を卑下するわけではありませんが、自然の成り行きとして、年齢を重ねていくと聞こえる音域が狭くなるというのはやむを得ないところですよね。
「イヤホンのレビュー」という案件に対し、俄然張り切るのがうちの子たちです。実際彼女たちは年齢が若く、小さい頃からピアノを習っていたりするので、(学校の勉強ではいいところがありませんでしたが)音質の評価能力は比較的高いと言えます。ということで、このレビューは私が製品概要を説明し、うちの子(お姉ちゃんのほう。春から新社会人)が毎日実機を使い、音質を評価するという形式で進めたいと思います。
なお、この製品はメーカーであるLevanproにサンプル提供していただきました。Levanproにはこの場にて御礼申し上げます。ありがとうございました。
1.スペック
通信方式: Bluetooth Ver.5.0
最大通信距離: 見通し距離 約20 m
対応プロファイル: A2DP、AVRCP、HFP、HSP、SPP、PBAP
対応コーデック: AAC、VVC 6.0、DSP
充電時間: 本体1.5時間、充電ケース約4時間(フル充電)
充電方法: USB充電(ケース使用)
連続再生時間: 最大6時間
連続通話時間: 最大5時間
待受時間: 最大560時間
ケース内蔵バッテリー: 2,600mAh(約90時間稼働可)
スペックはこんな感じです。ちょっとややこしいので、簡単に言います。Bluetooth接続の完全ワイヤレスイヤホンで、対応コーデックにAACを含むので、iPhoneでは高音質を楽しめ、Androidでも比較的新しいバージョン(Android 8.0以降。すべてのAndroid端末で対応するわけではありません)だとAACに対応しますので、対応機器を持っている場合はやはり高音質での音楽鑑賞などが可能です。
ケースには2,600 mAhのバッテリーが内蔵されていて、基本的には使っていないとき(ケースにしまっているとき)に勝手に充電されます。イヤホン本体のみでの最大稼働時間は6時間、使っていないときはケースに収納しておくようにすれば最大で90時間の稼働ができます(ただし、理論値というか、継ぎ足し充電になりますので、実際にはこれよりも稼働時間は短いはずです)。
それと、スペックに書いていませんが、この製品の最大のセールスポイントは「IP67レベルの防水・防塵性能がある」ということでしょう。つまり、完全ワイヤレスイヤホンの宿命とも言える「落としちゃう」トラブルで、運悪く水たまりに落としてしまっても大丈夫、ということですね。
ウインタブ注:この製品は、Amazonの製品ページでは「IPX7」という表記になっています。一方で製品の外箱は「IP67」という表記でした。記事中では「IP67」と表記しておりますが、防塵性能(IP6Xのほう)について、実際と異なる可能性があります。また、レビューでは防塵性能のテストおよび防水性能のテストは実施しておりません。この点あらかじめご了承ください。
2.筐体
まずは外箱から。非常にしっかりしたもので、内容物(イヤホンなど)をしっかり保護してくれました。また、デザインに高級感があり、まさに「化粧箱」という感じです。私は外箱には全然興味がありませんが、このパッケージならブレゼント用としても喜ばれるのでは?と思います。
同梱物です。イヤホン本体のほか、金属製のケース、交換用のイヤーパッド(サイズの異なるものが6組、プラス、本体にあらかじめ装着されていた1組)、USB(オス)- microUSB(オス)の充電ケーブル、取扱説明書2部(一部は英語で、取説と言うよりは製品紹介的な内容、もう一部は日本語で書かれたもの)が入っていました。後述しますが、この製品は本体にボタンが2つ(左右とも)ついていますので、取説を見ておかないと使いにくいところもあります。そのため日本語の取説があるのはありがたいです。
本体です。すみません、本体の素材はよくわかりませんが、おそらく「樹脂+塗装」だと思います。左右で少し異なる模様になっていまして、青い線が入っている方が左耳用、赤い線が入っている方が右耳用です。
こちらが左耳用。ボタンが2つついています。
左耳の左ボタン:音量マイナス、曲戻し
左耳の右ボタン:電源オン/オフ、一時停止、受話・終話・通話キャンセル
右耳の左ボタン:音量プラス、曲送り
右耳の右ボタン:電源オン/オフ、一時停止、受話・終話・通話キャンセル
こんな感じで機能が振り分けられています。今回はうちの子が主要レビュアーだったのですが、彼女はマニュアルをじっくり読むようなタイプの人間ではなく、その彼女をして「ボタンをいろいろ押してみたけどいまいちよくわかんない」という感想でした。なので、ボタン操作について10分くらいレクチャーしたところ、その後は無事に使えるようになりました(ガジェットに強い関心がないんです、彼女)。
イヤーパッドを外して、側面と前面を撮影してみました。こうして見る限り、特段変わったところはなく、普通の完全ワイヤレスイヤホンという感じです。なお、「金色のマル×3」は、ケース収納時の充電端子です。
バッテリーを内蔵する収納ケースです。ケースは金属製で仕上がりが非常に美しく、高級感もあります。この点は他社競合製品よりもワンランク上であると評価できます。
ケースに収納してみました。このように、ケースのインジケーター(グリーンのランプ)と本体のインジケーター(赤いランプ)が点灯し、充電中であることがわかります。
ケースにも充電は必要です。目安としてイヤホン本体を15回充電すると、ケースに内蔵されているバッテリーも消耗するため、定期的にケースを充電しなければなりません。この画像では同梱のケーブルではなく、私の手持ちのケーブルを使っていますが、充電中はmicroUSBポートの右側にあるインジケーターが点滅(満充電で常時点灯)します。
耳に装着したところです。この手の完全ワイヤレスイヤホンは色がブラックだったりホワイトだったりしますが、この製品はシルバーなので、ちょっと存在感がありますよね。ただ、このシルバーが気に入るかどうかは人それぞれだと思います。
3.使用感
バッテリー
この製品に限らず、ケースにバッテリーが内蔵されているというのは多くの完全ワイヤレスイヤホンの仕様でもあります。私にせよ、私の家族、周囲の人にせよ、満充電のイヤホンを充電切れになるまで連続使用する人は見かけません。基本的には通勤や通学の際に使い、目的地についたらケースに収納するとかのパターンで、自宅でゆっくり音楽鑑賞する場合でも数時間イヤホンを装着しっぱなし、という機会は多くないと思います。
その意味ではバッテリーの稼働時間をあまり気にする必要はないと思います。ちなみに、ボリュームを40~50%くらいに設定して使っていると、4時間でもバッテリーは切れませんでした。完全ワイヤレスイヤホンとしては比較的バッテリーは長持ちするほうだと言えます。なので、ケース側の充電さえしっかり行っておけば、実用上はバッテリー切れをあまり心配しなくていいと思います。
操作性
「操作性」と言っても、この製品はイヤホンですから、それほど多くのチェック項目はなく、要は「ボタン」の使いやすさということになります。このボタン、高く評価できません。耳に装着した状態だと非常に押しにくいです。ボタンの作りがしっかりしているため、カチッと気持ちよく押せることは押せますが、いかんせんサイズが小さく、そして重い(押下圧が大きい)です。そのため、耳に装着してボタンを押そうとするとボタンの位置を手探りで探し、やっと位置を確認できたので押すと、今度は耳が圧迫されてしまいます。
他社製品でも左右の本体の背面にボタンがついていることが多いですが、一般に「背面全体がボタンになっている」と思います(SoundPEATS製品の多くはこのタイプです)。耳に装着した状態だと、どうしても手探りでボタンを探すことになるので、ボタンが小さく、複数ついているというだけで操作性はマイナスですね。
また、ボタンが重いのも問題です。手で持った状態とは違いますので、強く押すと耳が痛くなっちゃうんですよ。IP67対応(防水・防塵対策をしている)なので、やむを得ないとも言えますが、ボタンの操作性については改善をお願いしたいところです。
装着感のほうは、特筆するようなことはありません。構造として「カナル型」なので密閉性は高く、使用前にサイズの異なるイヤーパッドをいろいろ試してみて、好みにあうサイズのイヤーパッドを選択するという手間はありますが、この製品の場合、かなり幅広くイヤーパッドのサイズを選べるようになっていますので、「どうやっても合わない」という人は少ないと思います。
音質
ウインタブで最も多くレビューしているイヤホンは「SoundPEATS製」のものです。SoundPEATSのイヤホンはAmazonでも人気があり、実際音質の方も価格に見合わないくらいに素晴らしいと評価しています。では、SoundPEATSよりもやや高価なmifo O5はどうでしょうか?
結論から言うと、トータルでの音質はSoundPEATS Q32と大きな差はありません。レビュアー(上の子)に何度も確認したのですが、当初は「音はいいと思うけど、違いがよくわからないんだよねー」なんて言ってました。
彼女の使用スマホはiPhone 8で、コーデックはAACです。また彼女は今どきの若い人と変わらず、移動中にポップ系の音楽を聴くことが多いです。最近はK-POPを聴く機会が多いとのこと。
1週間ほど使ってもらって、レビュー用に感想をまとめてもらいました。「SoundPEATS Q32」を常用していたので、Q32との比較になります。
上に書いたように全体的な評価として、音質には不満がなく、特にヴォーカルがやや強調され、息遣いが聞こえてくるような高い再現力があります。また、臨場感が高く、音の広がりが感じられます。ヴォーカルが重要なポップ系の音楽を聞くのに最適でしょう。
音量は大きめです。同じ音量設定にした場合、SoundPEATS Q32よりも音が大きくなります。電車の中でも音量は40%~50%くらいで十分で、カナル型の形状のため、外部の音が聞こえにくいというのもあります。
また、この製品はCVCというノイズキャンセリング機能を搭載していますが、この機能は通話時に威力を発揮するもので、音楽再生時には恩恵がありません。したがって音楽再生用に使用する場合はCVC機能の有無は関係ないようです。
4.まとめ
mifo o5はAmazonで販売中で、4月29日現在の価格は税込み8,999円です。この価格はAppleなどのハイブランドの製品よりもかなり安く、Amazonで販売されているボリュームゾーンの製品よりはやや高価です。
音質については概ね期待を裏切ることはないと思います。うちの子だけでなく、私も試用していますが、特に弱いジャンルというのはないと思われ、逆にヴォーカルが重視される音楽には強い、という印象があります。
他社売れ筋製品との比較では、やはりIP67の防水・防塵性能を備えているというのが大きいです。完全ワイヤレスイヤホンの場合、どうしても落下のリスクがあり、最悪の場合「なくす」ということも考えられますが、この製品の場合、紛失リスクまでは排除できないものの、多少汚れた場所や水場などで落下しても大丈夫、という安心感は大きいです。
また、ここは好みによると思いますが、シルバー基調の筐体デザインは美しく、また高級感もあります。同様にケースも金属製で作りがよく、やはり高級感のあるものに仕上がっています。ウインタブとしては、ボタンの操作性だけは少し残念でしたが、総合的には価格に見合う仕上がりの製品だと評価します。スポーツ用としてもいいでしょうね。
5.関連リンク
mifo O5:Amazon
コメント
最近、似たようなものを買ったのですが
耳からぽろっとよく落ちます
そこが水場だったとしたら怖いので防水防塵はありがたいですね