ガジェット好きなら「ポメラ」のことはご存知でしょう。超小型で「テキスト入力しかできない」ワープロ専用機みたいなものです。こう書くと「いやそれ違うし」と言われそうですが、ポメラの低価格モデル「DM5」というのがありまして、これは本当に「テキストを入力する」ための製品で、PCとのデータのやり取りもSDカード経由となる、非常にシンプルな製品でした。しかし、代を重ねるごとに機能が充実していて、PCとのデータリンクや辞書の搭載など、よく言えばどんどん便利に、悪く言えば肥大化しています。ただ、私はポメラを所有したことがありませんので、あまり偉そうなことは言わないほうがいいですね(PORTABOOKなら持ってますよw)。
さて、今回紹介するのはポメラの最新機種「DM30」です。ポメラらしいコンパクトなサイズながら、機能は充実していますよ!
1.スペック
ポメラはパソコンではないので、一般的なパソコンと性能比較する、という感じではありません。RAMとストレージ、ではなく、「本体メモリー」です。8GBですが、主にテキストを保存するだけなので、本体に記憶するデータ領域としては十分です。これで足りない場合はSDカードを使います。
ディスプレイはDM30が既存のポメラから大きく改善した点です。ポメラは基本的にモノクロディスプレイなのですが、この製品はモノクロという点は同じながら「電子ペーパー(E Ink)」を採用しています。したがって、表示するものが「テキスト」である以上、非常に視認性が高くなります。
また、電子ペーパーという素材だけでなく、「縦書き入力」とか「白黒反転」といった表示方法も可能ですし、「表形式(csv形式ですが、表計算はできません)」での入力なので、使う人のニーズによりよく応えてくれると思います。
つぎに電源ですが、この製品は乾電池式です。この割り切りはすごいと思いますが、電池交換が面倒、というのはあるかもしれませんね。ただし、出先で「バッテリー切れ」になったらコンビニで電池を買えばいいだけ、という気楽さがあります。
DM30とパソコン・スマホのデータ連携ですが、クラシカルな「SDカードを使う」方法と、専用アプリを使う方法があります。専用アプリを使う場合は、「ポメラで作成したテキストをQRコードに変換→専用アプリでQRコードを読み取る」という方式になります。シンプルですよね!
IME(日本語入力をするためのソフトウェア)はATOKが搭載されています。また内蔵辞書として「明鏡国語辞典MX」「ジーニアス英和辞典MX」「ジーニアス和英辞典MX」があります。とにかくテキスト入力をする、という目的について快適性を追求していると言えるでしょう。
キーボードについては後述しますが、折りたたみ式(3つ折り)キーボードが装備されているため、収納時は非常にコンパクトなサイズになります。これがポメラのいいところですよね。文章を書く仕事をしている人には持ち歩くのに最高のサイズ感だと思います。
2.筐体
こんな感じです。以前の低価格なポメラのようなデザインです。キーボードを展開すると、「キーボードが主役で申し訳程度にディスプレイがついている」って感じですね。
キーボードです。サイズは少し小さめで、キーピッチが左右方向に17 mm、上下方向には15.5 mmです。13.3インチサイズかそれ以上のサイズのノートパソコンのキーピッチは19 mmが標準ですから、それよりは小ぶりです。なので、少し慣れが必要だと思います。ただし、ポメラシリーズのキーボードは打鍵感が非常によく、使っていて気持ちがいい、というのは間違いありません。
キーボードを折りたたんだところです。画像左上が天板、右上が底面、左下が前面、右下が背面です。筐体素材は不明ですが、外板はアルミなのではないか、と思います。
3.価格など
ポメラ DM30は6月8日の発売予定で、価格は43,000円(税込み46,440円)です。この価格はエントリークラスのノートパソコン(モバイルノート、スタンダードノート)が購入できる価格となります。
私は以前からポメラに関心があり、特に最も低価格でシンプルな「DM5」に強く惹かれていました。DM5はすでに生産終了しており、直近の販売価格は15,000円程度なのですが、2年ほど前だと5,000円くらいで買えた時期があり、「それなら」と思った次第です。
私も「文章を書く仕事」をしている人間ですが、ウインタブの記事を書くのにあたり、テキスト入力だけすればいい、というものではありません。そもそもWebサイトはWordPressなどのCMS(コンテンツマネジメントシステム)で作られていることが多く、Webブラウザーが必要ですし、記事には画像も必要です。つまり、ポメラではウインタブの記事は完結できません。私は外出時にはノートパソコンを携帯しますが、ノートパソコンを持ち歩く、という時点でポメラは不要になります(少なくとも私の場合)。もし私がポメラを使うとしたら、「出先で思いついたことをメモ書きする」くらいの用途になります。
DM30は電子ペーパーを採用し、辞書やIMEも充実しています。サイズもコンパクトでとても魅力的に映ります。しかし、私も含め、ウインタブ読者って、ノートパソコンを持っていたりすると思うので、その上でポメラをどう使うか、というのが考えどころになりますね。また、DM30は機能が充実している半面、価格がノートパソコンと遜色ないくらいになってしまっているので、「46,000円の予算で何を買うか?」と自問自答するとどうなるのかな、と思います。
4.関連リンク
ポメラ DM30:KINGJIM 製品紹介ページ
コメント
pomera、なんだろう、新機種でるたびに「コレジャナイ」感……
電子ペーパーでも168dpiって荒いし……
「思いついたら即メモ」てならフルキーボードよりiPhoneのフリックのほうが早いし(私的には
なにより、機能のわりに高すぎる。
以前同社の似たような製品が7万→2万に叩き売りされていたのを見るとこの価格で大丈夫なのかと思ってしまいますね。
たたき売りされてたのはPotabookですね。http://www.kingjim.co.jp/sp/portabook/xmc10/
あれは完全に失敗作です(^_^;
現行機DM200は発売2年経ちますが、高値安定、中古もあまり出回らないのを見ると、そこそこ売れているのだろうなと思っています。
初期型(DM10)を使っていましたが、とにかく「文章入力に集中できる」というのが利点だと感じていました。メモ程度では無く「頭にある漠然とした文章を形にするための専用機」として使っていました。
仕事上の文章とか、締め切りに追われるとパソコンではどうしても別の作業がしたくなる、試験前なのに部屋の掃除を始めちゃう人にはぴったりです。
私は仕事上、長文を書くことが減ったので使わなくなりました。
私はDM100を持っていますが、bluetoothキーボードになるのでタブレットと合わせて重宝しています。
欲しい人が買うデバイスではありますが、どうしてこの価格になったのか…とは思いますね。
検索して、この記事にたどり着きました。
このポメラDM30現在、ビックカメラで21999円(2199ポイント還元)、joshin電機で19600円(顧客グレードにより数百円のポイント還元あり)、となってきています。
と言うわけで、買ってみました(^^;;;。
E-inkのディスプレイ確かに表示遅くて、例えば、バックスペースで「がががっ」と消そうとすると、消しすぎてしまったり、画面がうっすら残ったりしますけど、自分的には、ずいぶん良くなったなぁと。
楽天koboなんかの初期ものだと、本読むのさえやる気無くす遅さでした。
昔のAtom機(Atom N550とか)などよりもずっとテキストライティングしやすいですね。
上で書かれているとおり、集中して何かを文字表現する用途には良いと思います。
現在DM200も4万円前後になっています。
単三乾電池で、パッと開けてパッと書く用途には向いていると思いますね。
ただ、膝の上で書くのには、やはり安定しません。机の上で作業するもしくは硬い板野上で作業するのが前提でしょうね。
取り急ぎご報告まで(^^)