こんにちは、natsukiです。非常に気に入っていながら、もはや終売と思っていたモバイルキーボードが、ブランドを変えて再販していたのでご紹介します。5年間にわたり、ボロボロにしながらも愛用し続けている製品で、徹底的に使い込んだ使用感もお伝えします。個人的にはこれを買っておけば間違いない、モバイルキーボードの決定版だと思っている製品です。携帯性を重視したモバイルキーボードを探しているなら、是非、どうぞ。
1.製品概要
スペックは以下の通りです。
・サイズ(折りたたみ時):15.6×9.1×1.4cm(実測)
・サイズ(展開時):27.8×9.1x×1.3cm(実測)
・重量:217g(実測220g)
・キー配列:5列、現行品は英字配列と日本語配列の折衷
・キーピッチ:16.5mm
・タッチパッド付き
・一体式スマホ・タブレット用スタンド付き
・充電:microUSBポート、充電時間約2時間、使用時間約50時間
・Bluetoothによる3台マルチペアリング
・Windows,Android,iOSに対応(古いバージョンのiOSではタッチパッド使用不可)
基本的な性格としては、折りたたみ式で、携帯性を最重視したタイプのモバイルキーボードになります。当然、携帯性を高めれば高めるほど、キーボードとしての使用感が犠牲になるんですが、この製品はそれを最小限に抑え、16.5mmという小さめのキーピッチながらも、そこそこ快適なタッチを実現しています。さらに、タッチパッドが付いて、3台マルチペアリングあり、そして最大の特徴でもあるスマホ・タブレット用スタンドを備えるなど、これでもかという機能盛り盛り全部入りの構成です。ここまでで十分にロマンあふれる製品なんですが、ただのロマンだけでなく、これらが実際の使用感の向上にきっちり結びついている。実際に5年間にわたり愛用を続けていて、今後も間違いなくヘビーユースを続ける、自信を持って全力でお勧めできる製品です。
これのスタンドがないタイプなら、ずっと継続販売されていたんですが、スタンド付きのものは、5年前にドスパラの上海問屋ブランドで販売されていたものの、その後ながらく終売でした。それが、昨年からiCleverブランドで再販をはじめたので、今回紹介しようと考えたわけです。
2.筐体と使用感
折りたたみ構造
折りたたみ時のサイズ感はこのくらい。重量は実測220gで、カバンの中にサッとつっこんでおけます。この携帯性は、ただ素晴らしいの一言。
秀逸なのがこの折りたたみ構造で、ご覧のように特殊な関節構造を採用しているため、折りたたみ式モバイルキーボードでありがちな「折り目でキーの形が不自然になる」ことがなく、快適に打鍵できるキー配置を維持しています。また、カバンの中で勝手に開いたりということも、しにくくなっています。
さすがに強度的にはややネックのようで、旅行時なんかも乱雑にバッグに放り込んでいたために、ご覧のありさま。向かって左側の関節が破損しています。でも、これでもまったく問題なく動作しています。もちろん、これは5年間にわたる酷使の結果で、普通に扱っている分には問題ないでしょう。
なお、電源は閉じると自動でOFF、開くと自動でONとなっていて、開いて数秒で使用できます。これも地味ながら便利な部分です。
備え付けのスマホ・タブレット用スタンド
本製品最大の特徴が、この独特の構造のスタンド。折りたたみ時はマグネットでピッタリと本体に貼り付いて、ガタついたり、他のものに引っかかったりというようなことはありません。構造上、キーと画面が近くなってはしまいますが、スタンドが一体になっているという携帯性は、それだけで大きなメリットです。落ち着いて使いたいなら、別にスタンドを用意すればいいだけの話で、付いていることにデメリットはないですからね。
タブレットは、10インチクラスまでなら十分に安定します。もっとも、10インチクラスのタブレットになると、専用タイプカバーキーボードがある場合も多く、さすがにその場合は専用キーボードの方が快適かと思います。
スマホなら、横でも縦でも良し。縦置きだと安定性には欠けますが、新幹線で使うのは不安かなというくらいで、スマホやケースの形状にもよるものの、揺れないところならまあ使える感じです。
キーと打鍵感
キーピッチは、さすがに狭めの16.5mm。ただ、案外これで打てるものです。
ひとつには、キー構造がおそらくパンタグラフ式で、かなり安定しているというのがあります。しっかりとしたクリック感があり、押したのがキーの中央部でなくても均一なタイプ感で打てます。「モバイルキーボードとしては」というただし書きは付くものの、サイズ感と携帯性からすれば、タイプのしやすさは十分に健闘していると思います。打鍵音は、ややカシャカシャいうので、喫茶店やファミレスなどなら問題ないレベルですが、よっぽど静かな環境だと気にはなるかも。図書館だと微妙なところですね。
キー配列
私の使っている旧来品は、6列目のファンクション列が省略された、典型的な5列の英字配列です。「Fn」キー同時押しの配列があるのはモバイルキーボードなら許容範囲として、「F1」~「F12」など、一部に「Fn」「Shift」キー同時押しという3キー同時押しが出てしまうのには、ある程度慣れが必要です。
なお、後述のように、現行製品は英字配列と日本語配列の折衷型となっていますが、やはりファンクション機能は3キー同時押しのようです。
タッチパッド付き
文字を打つ際、タッチパッドの存在は非常に重要です。もちろん、マウスがあればそれにこしたことはないんですが、この製品は携帯性を追求するものですからね。文章の打ち始めの位置を指定する際、あるいは一定の範囲を指定するときに、画面タッチとタッチパッドでは使用感に雲泥の差があります。少なくとも、私は必須だとすら思っています。タッチパッドあってこそ、自在にカーソルを戻して打ち直したり、コピペしたり、スムーズな文書入力ができるというものです。
3台マルチペアリング
3台マルチペアリングで、簡単に切り替えが効くのも、モバイルキーボードとしては嬉しいところ。私は、2つは常にメインスマホとBOOX、あとひとつは状況に応じての枠として使っています。
3.旧来品と現行販売品の相違点
私が使用しているのは、5年も前に発売されたものですが、すでにその段階で非常に高い完成度を誇っています。現在販売されている製品は、基本的には同等品であると思われますが、細かなブラッシュアップや変更はなされているようです。スペック上の明らかな向上点のひとつは、Bluetoothのバージョンが3.0から5.1に上がっていますね。より安定した接続が期待できるかと思います。
また、キー配列が異なっています。私の持っている製品は英字配列ですが、iCleverの現行品は、英字配列と日本語配列の入り交じった折衷型となっています。キーが省略されている都合から多用する「Fn」キーが、右上の遠いエリアに行ってしまったのは、ちょっと押しづらくなったかも。一方で、白字と灰字の表示があるキーがありますが、「日本ローマ字入力モードでは、入力される内容はグレー記号になります。英字配列(US)入力モードでは、入力される内容は白い記号になります。」とのことで、システム側の配列がどちらであろうと入力しやすいような配慮がなされています。
それから、旧来品ではタッチパッドがiOSでは利用不可だったのが、iOS 13以降であればAssistiveTouch機能に対応して、利用可能となっています。
その他については、旧来品と現行品で、大きく使用感が変わることはないと思います。
4.価格など
価格は、記事執筆現在、Amazonで5,399円となっています。モバイルキーボードとしては多少値段が張る部類には入るものの、これだけ盛りだくさんの機能を備え、実際の高い携帯性と、一定の快適性を確保した使用感のバランスから言えば、自信を持って価格以上の満足が得られる製品だとおすすめできます。スマホや専用タイプカバーキーボードのないタブレットで、出先で文字を打つ機会が多いなら、とりあえずカバンに突っ込んでおいて損はない、そんな製品です。
5.関連リンク
iCleverタッチパッド搭載スタンド一体式ミニキーボード:Amazon
折りたたみ式キーボード IC-BK08se:メーカーサイト(詳細なマニュアルあり)
上海問屋 3つ折りmini BTキーボードタッチパッド付き - SFチックな多機能モバイルキーボード:5年前のウインタブ実機レビュー記事
コメント
MOBO Keyboard2はキーピッチ19mmで使いやすいよ
MOBOもよさそうですね。特に日本語配列にこだわりたい場合は、私も超有力な選択肢だと思います。
私の場合は、「タッチパッド付き」「スタンドが一体式(使用するときにケースから出す一手間もない)」という点で、こっちに軍配を上げていますが、タッチパッドにあまり有用性を見いださない、ケースから出す一手間があっても柔軟に設置できるスタンドの方がいい、という場合はMOBOですね。