中国メーカーのDASUNGはE-Ink製品を手掛けるメーカーです。E-Ink搭載のAndroidタブレット「BOOXシリーズ」でおなじみのONIX社とは取扱製品のラインナップが異なり、E-Ink搭載Androidタブレットも扱いますが、どちらかというとE-InkのPCモニター製品に力を入れているようです。日本ではE-Ink製品の専門店、SKT株式会社がDASUNGのE-Inkモニターをいくつか販売しており、ウインタブでも以前「Paperlike」というPCモニターをレビューしたことがあります。
そのDASUNGがINDIEGOGOで面白いE-Ink製品をクラウドファンディング中です。「DASUNG Link」という製品で、トップ画像を見ていただくと「E-Ink搭載のスマホか?」と思ってしまいますが、スマホではなく「スマホ用のモニター」です。
こちらの動画をご覧ください。
母艦スマホに接続して(当たり前ですけど)スマホの画面と同じものを映し出し、DASUNG Link側のモニターでタッチ操作ができる、ということです。「だいたい予想通り」ですよね?
E-Inkパネルの弱点である低リフレッシュレートですが、DUSUNG LinkではDUSUNG Turboという独自チップを搭載し、大幅な高速化を実現しているとのこと。
フロントライトも搭載し、暖色表示もできます。このあたりは他のE-Ink端末でも実現されている機能です。
ここまではいいんですけど、記事タイトルに「発展途上」という文言を入れた通り、「ちょっと厳しい…」ところがあります。
まず、DUSUNG Linkは「有線でも無線でもスマホに接続できる」のではなく「有線タイプと無線タイプがある」んです。つまり、購入の段階で有線接続にするか無線接続にするかを決めなくてはなりません。
さらにこれ…
DASUNGでは上に掲載した動画のような「DASUNG Link側のモニターでタッチ操作する」ことを「リバースタッチ」と呼んでいるのですが、「iPhone(iOS端末)ではリバースタッチに対応しない」「Android 13端末で有線タイプはリバースタッチに対応しない」「Android 13端末で無線タイプはリバースタッチがあまり有効ではない」ということです。
なので「iPhoneユーザーは購入をおすすめしない」「Android 13にアップデートしてしまうと有線タイプではリバースタッチができないし、無線タイプでも快適な操作ができないかもしれない」という「警告」が製品ページにあります。
なお、Samsung製品との相性が非常によく、Samsung製品(Galaxyの上位モデル)であれば有線タイプでも無線タイプでも、そしてOSがAndroid 13でもリバースタッチができるとのことです。
製品ページにあった「有線接続でリバースタッチができる端末」の一覧です。また、そもそもスマホの場合、「USB Type-Cポートが映像出力に対応しない」ものもあります。私はPixel 7を使っていますが、Pixel 7はUSB Type-Cポートからの映像出力には対応していませんのでDASUNG Linkと有線接続はできません。また、「OSがいち早く最新になるからこそ」のPixel 7なので、当然Android 13が搭載されており、無線タイプでも問題があります。
スペック表を見てみましょう。ディスプレイは6.7インチで300ppiということなので、FHD(1,920 × 1,080)よりも少し低い解像度です(FHDは329ppi、testpage.jpさんにて計算)。また、重量も軽く、無線タイプなら149 g、有線タイプでも170 gです。筐体もアルミ合金製ですね。
無線タイプには6,800mAhのバッテリードック(ケース)が付属し、さらにクラウドファンディングの早期購入者は4,000mAhのバッテリーももらえます。
有線タイプにはバッテリードックは付属しません。また、有線タイプは「リバースチャージ(DASUNG Linkからスマホに充電できる機能)」にも対応しているとのことですが、肝心の「本体内蔵バッテリー」の容量が開示されていません…。
DASUNG LinkはINDIEGOGOにてクラウドファンディング中で、4月12日現在最も安価なプランは有線タイプが40,001円、無線タイプが44,088円です。
…Galaxyユーザー向けかな…と思います。そもそもiPhoneには無理、というのと、読者のみなさんがメイン機として使われているスマホの一定数はすでにAndroid 13になっている可能性がありますし、そうでなくとも「DASUNG LinkのためにAndroid 13へのアップデートを控える」という意思決定はしにくいんじゃないかと思いますね。
ただ、スマホでも目に優しいE-Inkを、というコンセプトは評価したいですし、機能改善されたニューモデルが登場する可能性も高いと思いますので、今後に期待!ですね。
コメント
面白そうだけどニッチどころかそれ以前にターゲットが想像つかん
現状の小型E-inkモニタですらハードル高めでこれでフォローできない用途
ファブレットサイズでなければならず視認性を確保したい…うーん
乗り物のスマホホルダー、とか?
700%以上出資してるんだな。4万払うならBOOXとか買えばいいんじゃと思うが。
DASUNGのPC用モニターは「お試しで買ってみる」ようなお値段ではないので、それを思えば価格についてはまだマシかと。でも次のモデル待ちかな、と思います。少なくともiPhoneに(まともに)対応しない限り日本じゃ難しいですよね。
例のiphoneType-Cも帯域だけ見れば泥機ですら珍しい10Gbpsらしいので
appleM機との兼ね合いの話はともかくaltDP対応の期待値はそれなりありそう
そしたらモバイルディスプレイ業界は多少賑わって売れるのかもしれませんね
そうですね、ウインタブではほぼスルーですけど、日本国内でシェアがめちゃめちゃ大きいiPhoneとの互換というのは周辺機器では極めて重要ですもんね。Type-Cは次期iPhoneからですよね?