BLUETTIがポータブル電源「AC180」を発表しました。ウインタブでは2023年からポータブル電源のジャンルにも力を入れるつもりで、すでに3機種、BLUETTI EB3A(268.8Wh)、EBL MP1000(999Wh)、UIBI B70(666Wh)の実機レビューをしています。私はもともと電気系の計算には非常に弱く、以前は「ポータブル電源が1つあれば停電していても1日とか2日なら大丈夫」なんて思っていたのですが、実際にレビューをしてみて、見た感じ大容量なものでも実用上は意外に制約があって、例えば電気ポット(1,300Wくらい)や電気コンロ(800Wくらい)には使えなかったり、使えても短時間でバッテリー切れになったり、といったことを体験しました。
よく「Wh(あるいはWhr)」という単位を目にしますが、これは「電力量」のことで、「電力量(Wh)= 電力(W)× 時間(h)」という計算式になります。なので、1,300Wの電気ポットを使う場合は1,300 = 電力量(Wh)÷ 時間(h)となり、268.8WhのBLUETTI EB3Aの場合は 1,300 = 268.8 ÷ 時間、これを解くと約0.2時間、つまり12分で容量が空っぽになってしまうことになります。また、それだけでなく、EB3Aの定格出力は600Wで一時的に1,200Wまで出せますが、1,300Wには対応しません。なので、そもそも1,300Wの電気ポットには使えません。
前置きが長くなりました。今回ご紹介するAC180は容量が大きく、大出力にも対応していますので、アウトドアや非常用としての利用にとどまらず、ご家庭用電源としても使い道が多いと言える製品です。
これがスペック表です。容量は1,152Whと大きく(それでも1,300Wの電気ポットに使うと1時間持ちませんね。50~55分くらいです)、ACでの定格出力は1,800W、そして
電力リフト機能により最大2,700Wまで出力を上げられますので、ヘアドライヤーや冷蔵庫、電気ヒーターなどでも使えます。メーカーによれば99%の家電に使えるとのこと。
この画像の下部がCGで加工されていますが、主要なポート構成はこんな感じです。AC出力(コンセント)は4つ、USB Type-Cが1つ、USB Type-Aが4つ、Type-Cは最大100Wの出力が可能です。また、シガーソケット出力もできます。ちなみにAC入力端子は側面にあり、上面ではスマホのワイヤレス充電もできます。
1,152Wと大容量ですが、最大1,440Wのターボ充電が可能で、残量0から80%までの充電時間はわずかに45分。以前レビューしたポータブル電源だと本体を充電するのに数時間を要するものがありましたので、この点も大きな魅力です。
ポータブル電源には冷却ファンが搭載されています。出力が大きくなったり、本体を充電する際にはファンが動作し、騒音が発生します。しかし、AC180では充電中のファン音を低減し、45dBと低騒音で動作させることができます。ただし、(製品ページに説明はありませんでしたが)大出力で給電する場合はそれなりにうるさいんじゃないかと思います。
BLUETTI製品はスマホアプリが用意されています。個人的にはポータブル電源にスマホアプリの必要性をあまり感じないのですが、アプリから細かい設定ができると思いますし、自宅内で使う場合などは便利でしょうね。
それと、この製品はパススルー充電に対応しており、UPS(無停電電源装置)としても使えますので、PC作業用としても安心ですね。
あと、容量が大きいこともありまして、「大きくて重い」です。重さは16 kgありますので、オートキャンプ(テントサイトまで車が乗り入れることができる)などでは問題ないと思いますが、持ち運びはちょっと大変だと思います。
BLUETTI AC180、5月25日に発表されましたが、販売開始はもう少し先のようで、メーカーからの連絡だと6月上旬に発売されるとのことでした。価格も現時点では不明ですが、メーカーサイトでメールアドレスを登録しておくと発売後に割引が受けられるようです。
1,152Wで多機能なポータブル電源ですし、メーカーもBLUETTIなのでそんなに安価ではないと思いますが、このくらいの容量であれば使い道が広がりますし、販売価格に注目したいところです。
関連リンク
BLUETTI AC180:BLUETTI公式サイト
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