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BigBlue Cellpowa 1000 レビュー - 容量1,075Whでアウトドア活動を快適にしてくれるポータブル電源。UPSとしての性能も優秀!

BigBlue Cellpowa 1000
BigBlueのポータブル電源「Cellpowa 1000」の実機レビューです。BigBlueのポータブル電源はCellpowaという名称になっており、その後にある数字が「およその容量」を示しています。Cellpowa 1000は容量が1,075.2Whです。BigBlue製品は以前ウインタブで「Cellpowa 500」という製品をレビューしたことがあり、Cellpowa 500の容量は537.5Whでした。また、BigBlueは「Solarpowaシリーズ」というソーラーパネルも取り扱っており、Cellpowaシリーズとセットで使うとさらに便利になります(Solarpowaは別売りです)。

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容量1075.2Whという、大きめの容量のポータブル電源、今回のレビューでも実際にキャンプに持ち出して使ってみました。

なお、BlgBlue Techという会社は本拠が中国・深圳ですが、しっかり日本法人も設立されており、日本語のサポート(電話やEメール)にも対応しています。「有名企業と言えるか」については何ともいえませんが、ウインタブは過去にBigBlue製品をレビューしたこともあり、信頼できる会社であると理解しています。

おすすめポイント
・1,075.2Whの大容量
・600WのAC急速充電に対応
・切替速度10msのUPSとしても利用可能
・定格1,000W、最大2,000Wと出力が大きく、家電製品にも給電可能
・容量と出力の割に価格は低め
ここに注意
・スマホアプリなし
・ワイヤレス充電器なし
・重量14.5 kgと重く、持ち運びには車が必要か
販売サイトはこちら
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1.BigBlue Cellpowa 1000 スペック

スペック表

  BigBlue Cellpowa 1000
容量 1,075.2Wh (42Ah/25.6V)
定格出力(AC) 1,000 W(瞬間最大2,000 W)
出力波形 純正弦波
AC充電入力 AC充電(最大600W、1.6時間で約80%充電)
ソーラー充電(ソーラーパネル別売り)
シガーソケット充電(12/24V, 最短8~9時間で約80%充電)
充電時間 ACケーブル(ターボモード1440W):1.3-1.8時間
シガーソケット(100W/200W):12-12.5時間 / 6.3-6.8時間
出力 AC×4(100V /10A)50Hz/60Hz手動切り替え
DC 5.5 mm × 2(12V/5A, 最大60W)
シガーソケット× 1(12V/10A, 最大120W)
DCとシガー合計で最大120W
USB-A×2(5V/3A,9V/2A,12V/1.5A, 最大18W, 合計最大36W)
USB-C1×2(5V,9V,12V,15V/3A, 20V/2.25A,最大45W, 合計最大90W)
USB-C2×2(5V,9V,12V,15V/3A, 20V/5A,最大100W, 合計最大200W)
充電温度範囲 0 ~ 45°C
放電温度範囲 -15℃~45℃
サイズ 340 × 224 × 266 mm
重量 約14.5 kg

コメント

ポータブル電源はAmazonなどで非常に多くの製品が販売されています。容量と価格はピンキリですが、基本的に容量が大きくなるほどに筐体が大きくなり、価格も上がります。初めてポータブル電源を購入する場合は3万円~5万円くらいのものに目が行くのではないか、と思います。5万円くらいで買えるポータブル電源は容量が500Whくらいのものが多いようです。Cellpowa 1000はそれらエントリータイプの製品よりも容量が大きく(約2倍)、それでいて価格は89,800円(6月26日現在のAmazonでの価格)と、コストパフォーマンスが高い製品です。

容量が1,000Wh強であることに加え、AC定格出力も1,000Wと高く、瞬間最大で2,000W出力が可能です。ただし、メーカーによれば「AC出力が1,050Wを越える場合は5分で、1,200Wを越える場合は1分で、1,400Wを越える場合は30秒でAC出力がOFFになる」とのことなので、高出力を長時間続けることはできません。

しかし、「Utmost-Bモード」というのがあり、このモードにすると出力を最大1,960Wにして継続使用することができます。メーカーでは「すべての機器での動作は保証しない」としていますが、おそらく電気コンロとかポットといった機器であれば使える可能性が高いと思います。

Cellpowa 1000はパススルー充電に対応しており、PC用のUPS(無停電電源装置)としても使えます。急な停電時でも切り替え時間がわずかに10msと短いため、PC、そしてデータの保護にも安心できそうです。

また、ACで600Wの急速充電に対応していますので、充電時間は短く、1.6時間で80%までの充電が可能です。ポータブル電源の場合、充電時間が長くなってしまうものが少なくありませんので、なにげにこの点は大きな魅力かと思います。

では、外観から見ていきます。

2.BigBlue Cellpowa 1000 外観

BigBlue Cellpowa 1000 同梱物
同梱物です。ペーパー類は取扱説明書とクイックスタートガイド。取扱説明書は完全に日本語化され、内容も丁寧でした。また、クイックスタートガイドは「地域による50Hz/60Hzの違い」など、この手の製品にあまり詳しくない人にも重要な情報が書かれていました。

ケーブル類は電源ケーブル、ソーラー充電ケーブル、そしてシガーライターケーブルの3本が入っており、ケーブルを収納する袋もついていました。この袋は親切ですね、これでケーブル類を紛失するリスクが大きく軽減されます。

BigBlue Cellpowa 1000 前面

BigBlue Cellpowa 1000 前面
前面です。BigBlueのCellpowaシリーズは上部のハンドル部分が蛇腹になっていて、このように収納することができます。これ以降の画像はハンドルを収納した状態で掲載します。

前面には入出力ポートが集中しています。というか、Cellpowa 1000はAC入力を除き、すべて前面にポートがあります。

画像左上にはDC入出力が3つ(シガーライター入出力、DC 5.5 mm出力 × 2)、ディスプレイを挟んで右側にはACコンセント × 4、中央のディスプレイ下には赤いメイン電源ボタン、その下の左側にソーラー入力、その右にリセットボタン、そしてUSB Type-A出力 × 2とUSB Type-C出力 × 4があります。Type-AよりもType-Cのほうが数が多い、というあたりは「今風」ですよね。個人的には「そんなには使わない」と思っていますが、最大13デバイスに同時給電が可能です。

BigBlue Cellpowa 1000 左側面
左側面です。上部に2つの冷却ファンが見えます。また、下部にはACポートがあります。Cellpowa 1000にはACアダプターはなく、本体に直接電源ケーブルを接続して充電します。

BigBlue Cellpowa 1000 右側面
右側面には通気口があるのみ。

BigBlue Cellpowa 1000 背面
背面です。こちらには強力なLEDライトがついています。このライトは輝度を2段階に調整でき、SOS点滅も可能です。

BigBlue Cellpowa 1000 上面
上面です。他社製品の一部にはこの部分にワイヤレス充電器を装備しているものが見受けられますが、Cellpowa 1000にはありません。Cellpowa 1000はワイヤレス充電には対応していません。なので、ワイヤレス充電対応のスマホや周辺機器を持っている人にはちょっと残念。

BigBlue Cellpowa 1000 底面
底面にはゴム足と各種認証マークがあるのみです(文字が逆さになっていてすみません。液晶ディスプレイが上向きになるように撮影したので、画像が不自然になりました)。

3.BigBlue Cellpowa 1000 性能テスト

出力と消費電力量

BigBlue Cellpowa 1000 ラーメンテスト
「性能テスト」というほどでもないのですが、「容量と出力」がおおよそ公称値通りになっているかを確認する、という意味で少しテストをしてみました。

実はウインタブのポータブル電源実機レビューでは毎回同じような条件でテストをしていて、使用機材は「電気ポット(定格430W)」と「電気コンロ(定格強600W、弱300W)」の2つ、これらを使って「辛ラーメン」を調理してみます。

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1.ポットに500CCの水を入れて湯沸かし開始、鍋には50CCの水をいれて電気コンロを強にして湯沸かし開始(Cellpowa 100に2つの機材を同時に接続)
→この際、Cellpowa 1000の液晶ディスプレイには「出力1,040W~1,050W」と表示されました。Cellpowa 1000は「AC出力が1,050Wを越える場合は5分で出力OFFとなる」仕様ですが、恒常的に1,050Wを越えなかったため、5分経っても出力はOFFになりませんでした。極めて私的な話なんですけど、「この電気ポットと電気コンロなら、同時に接続してもOK」ということですね。

なお、Cellpowa 1000は「Utmost-Bモード」を搭載しているため、このモードを有効にすれば(デフォルトではOFF)、最大1,960Wの継続出力が可能です。ただし、このモードの場合、すべての機器の動作は保証されず、1,960Wで継続使用する場合は30分強で容量がなくなってしまいます。

2.湯沸かしを開始してから7分後に電気コンロを外し、電気ポットのみを接続して湯沸かしを継続。
→電気ポットのみを接続した際の出力はおよそ437Wでした。ポットの定格出力430Wとの誤差はかなり小さかったと思います。

3.その1分後にポットが保温状態となり、出力が19Wに低下。ポットをCellpowa 1000から外してお湯を電気コンロ上に置いていた鍋に移し、合計550CCにして(辛ラーメンは550CCの水を使って調理します)電気コンロを強にして再加熱。
→電気コンロのみを接続した際の出力はおよそ605Wでした。ここでもコンロの定格出力600Wとの誤差は非常に小さいと思います。

4.沸騰したのでラーメンを入れて調理。コンロの出力は強のまま

5.電気コンロのみを使用し続け、再沸騰および調理終了まで10分。

ということで、無事にラーメンが完成したのですが、この際の消費電力量は下記のように計算されます

1.ポットとコンロを7分間同時使用:1,045Wで7分:121.9Wh
2.ポットのみで1分間使用:437Wで1分:7.3Wh
3.4.5.電気コンロのみで10分使用:605Wで10分:100.8Wh
※上記トータルでの計算上の消費電力量は230Wh

この際、Cellpowa 100の残量は99%から75%まで低下しました。つまり1,075.2Wh×24%で258Whを消費したことになります。なので、ウインタブのテスト結果との誤差は10%くらいですね。実際のところ、電気ポットを保温状態で1~2分ほど放置したり、機材の接続の変更などで若干のロスがあったり、「秒単位ではなく分単位」で測定していたりと、テスト環境も必ずしも正確なものとは言えませんので、それを考慮すれば「まあ優秀」な結果が出たと思います。

ファン音

動作中はファン音がありました。「出力が大きければ大きいほど騒々しい」という、ごく当たり前の傾向があり、電気ポットと電気コンロの同時利用時(1,045W)は「左側面から10センチほど」の場所で約80dBを記録しました(はっきり言ってうるさいです)。また、電気ポットのみ(430Wくらい)だと60dB前後、電気コンロのみ(600Wくらい)だと70dBくらいでした。

なお、ファン音70dBが出ていた際、Cellpowa 1000から1メートルくらい離れると騒音は53dBくらいになりました。ポータブル電源の場合、ノートPCのように本体に非常に近い位置で使うわけではなく、実際には1メートルとか2メートル離れて使うと思いますので、その意味では「まあ許せる」レベルですね。

充電

BigBlue Cellpowa 1000 シガーソケット充電
今回はACコンセントからの充電とシガーライターソケットからの充電を試しています。ACコンセントからの充電の場合、公称値通り「600W強(615Wくらい)」での充電が可能でした。理論上、1,075.2WhのCellpowa 1000を600Wで充電すれば「1時間50分くらい」で満充電できることになりますが、この手の製品は充電が70%とか80%になると出力が下がり、400Wとか300Wになります。これはスマホなどでもおなじみの仕様ですよね?なので、容量ゼロから満充電までは2時間強はかかると思います。これでも相当に高速です。

一方でシガーライターからの充電は「だいたい90W弱」で推移しました。なので、容量ゼロから満充電までは10時間以上かかることになります。ただこれ、お使いの車によって出力には差が出ると思います。「20年落ちのスバル・レガシイ」ではそうだった、ということで参考程度にご理解ください。

4.BigBlue Cellpowa 1000 キャンプで使ってみた

BigBlue Cellpowa 1000 キャンプに持参
個人的に「ソロキャンプ」に関心があるので、このレビューでもCellpowa 1000をキャンプ場で使ってみることにしました。

道志の森キャンプ場

道志の森キャンプ場

訪れたのは私の自宅から車で1時間半ほどのところにある「道志の森キャンプ場」です(なにげに大人気のキャンプ場です)。この画像を見ていただくと「癒やされるー」って思いませんか?

BigBlue Cellpowa 1000 リアシートに
ポータブル電源は荷台とかトランクに積んでしまっても大丈夫なんですけど、「一応レビュー機なので」リアシートに積み込みました。サイズ感の参考になれば…。

BigBlue Cellpowa 1000 PCに給電

PCで作業

持参したPCはこちらもレビュー用にお借りしていたLenovo LOQ 16IRH8です。ACアダプターの出力は170Wですが、実際には85W~90Wくらいで給電されました(ゲーム時以外)。車での移動、そして電源供給に不安なし、ということで、「ゲーミングノートを野外で使う」という、とっても楽しいことができました…。

BigBlue Cellpowa 1000 夕食調理

夕食

BigBlue Cellpowa 1000 湯沸かし

朝食

夕食と朝食の風景です。夕食は「そこらへんのスーパーに売っていた味付けの豚肉」「もやし」「卵」そして私が「食パン界の帝王」と呼んでいるヤマザキのダブルソフトを食材に選びました。…まあ、Cellpowa 1000と電気コンロでキャンプとは思えないくらいにラクな調理でしたね。

朝食はさらに手抜きをしまして、「お湯を沸かして、ゆるキャンでおなじみのカレー麺(カップヌードルカレー)」を食べただけ。オール電化のらくらくキャンプを極めた、という感じですね。

BigBlue Cellpowa 1000

Lenovo LOQ 16IRH8でいつも遊んでいるゲームGunfire Rebornを

また、暗くなってからはテントの中でNetflixとかYouTubeの動画視聴、そしてオンラインゲームでも遊びましたw

まあ、こんな使い方をして1泊2日を過ごし、100%だったCellpowa 1000のバッテリー残量は25%ほどとなりました。

・キャンプで電気コンロを使うか?
・キャンプで電気ポットを使うか?
・冬場は電気ヒーターや電気毛布を使うか?

といったことでポータブル電源に求められる容量は変わってきますが、私の過去の経験上、1,000Wh程度の容量があれば、1泊2日で電気ポットや電気コンロ、また電気毛布くらいであれば賄えるんじゃないか、と思います。

もちろん「炭火や焚き火で湯沸かしや調理をする」という、「むしろこっちが普通」のキャンプであれば1,000Whまでは不要ですね。以前レビューしたCellpowa 500でも大丈夫かと思います。

5.その他

Cellpowa 1000をしばらく使ってみての感想です。まず、メリットというか、高評価できる部分ですが、

・容量が大きめなので、キャンプなどのアウトドア活動で頼りになる
・液晶の表示(出力や残量など)の表示が他社製品よりも正確
・短期間の試用なのであまり根拠はないが、挙動は安定し、余計な発熱も感じなかったので、安全性は高いと認識
・パススルー充電に対応し、停電時はわずか10msで切替可能なので、UPS(無停電電源装置)として頼りになる

といった点が挙げられます。また、デメリットとしては、

・定格出力1,000Wの場合、家電製品の一部、ドライヤー強(1,200W程度)や電気ポット(ウインタブが使ったポットは430Wですが、これはむしろレアでして、1,300W程度のものがほとんどです)などでは使えない。ただし、Utmost-Bモードを使えば最大1,960Wh出力が可能(すべての機器の動作は保証されない)
・容量1,000Whオーバーの場合、筐体重量がかなり重くなり(Cellpowa 1000は14kg)、自動車に積み込んで持ち運ぶのが現実的

といった点が指摘できると思います。また、必ずしもデメリットというわけではありませんが、注意したい点として

・ワイヤレス充電に対応しない
・スマホアプリがない

というのもあります。私がメインで使っているスマホ(Google Pixel 7)はワイヤレス充電に対応しますので、他社のポータブル電源でワイヤレス充電対応のものが多いことを思えば、「イマイチ」と感じます。また、スマホアプリは必ずしも必要とは思いませんが、Cellpowa 1000のハードウェアボタンの数が多くないため、例えばACを50Hz/60Hzに切り替える場合は「AC出力ボタンとDC出力ボタンを3秒長押しする」、また、Utmost-Bモードへの切り替えは「ACボタンを3秒間長押しする」といった同時押しや長押しの操作となり、すぐには覚えられないので取扱説明書を熟読しなくてはならない、ということもありますね。

6.BigBlue Cellpowa 1000 レビューまとめ

BigBlue Cellpowa 1000はAmazonで販売中で、6月26日現在の価格は89,800円です(製品ページにある30,000円OFFクーポンを使用した価格。有効期限は7月10日です)。この価格はAmazonで販売されているポータブル電源としては必ずしも最安値とは言えませんが、「(ウインタブの主観として)信頼できるメーカーの製品」としては安価だと思います。

短期間のレビューで安全性について言及するのは難しいものの、ウインタブでは2年前にもBigBlue製品をレビューしており、その後も継続利用しています(ただし、使用頻度は高くありません)が、全くトラブルはありません。無名のメーカー品を選ぶのが悪いとは言いませんが、モバイルバッテリーよりもずっと大きな容量で、出力も大きい製品なので、まあ信頼できるメーカー品のほうが安心ではありますね。

7.関連リンク

BigBlue Cellpowa1000 ポータブル電源:BigBlue 製品紹介ページ
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