こんにちは、ウインタブ(@WTab8)です。今回はアクションカメラ「AKASO V50 Pro」の実機レビューです。アクションカメラについては過去「Andoer AN4000」という「一応4K」のアクションカメラをレビューしたことがありますが、この製品は約4,000円という、非常に安価なもので、「4Kは4Kなんだけどそもそも画質悪すぎ」というものでした。その後「Thieye E7」「EKEN H6s EIS」という1万円クラスのアクションカメラのライターレビューを掲載しています。ThieyeとEKENに関しては画質のほうもよく、価格なりの価値のある製品だったと思っています。
今回レビューする「AKASO V50 Pro」はAmazonでの価格が13,580円(さらに2,000円割引クーポンがあります)と、やはり1万円を越える価格ということもあり、その品質には大いに期待できるところです。なお、この製品はAmazon出品者であるCnestStore-JPにご提供いただきました。CnestStore-JPにはこの場にて御礼申し上げます。ありがとうございました。
1.スペック
ディスプレイ: 2インチ(タッチ対応)
アングル(視野角):最大170度
撮影機能:
EIS(手ブレ防止機能)
タイムラプス:1秒、5秒、10秒、30秒、1分
倍速:2倍、4倍、6倍、10倍、15倍
無線: WiFi
インターフェイス: MicroHDMI/MicroUSB/MicroSDスロット
バッテリー: 1100mAh(電池2個付属)
サイズ: 60 × 41.1 × 31.7 mm / 80 g(バッテリー搭載時)
動画解像度:
3840*2160 30fps
2720*1520 30fps
1920*1080 60fps、30fps
1280*720 120fps、60fps
コーデック: H264、H265
静止画解像度:
20MP(5,120 × 3,840)
16MP(4,640 × 3,480)
14MP(4,320 × 3,240)
10MP(4,320 × 2,430)
8MP(3,840 × 2,160)
5MP(2,592 × 1,944)
2MP(1,920 × 1,080)
動画・静止画とも画素数に関しては文句なしの水準だと思います。あとは実際に撮影してみてのお楽しみ、というところでしょう。また、機能面でもEIS(Electronic Image Stabilization、手ブレ防止機能)タイムラプス、倍速撮影などに対応します。後述しますが、この手のアクションカメラは付属品(アタッチメント)がめちゃめちゃ豊富で、防水ケースもついていますので水中での撮影もできます。
今回のレビューではさすがにすべての利用シーンを試すことはできませんが、動画と静止画の画質とかEISの効き具合なんかは確認してみたいと思います。なお、この製品のマニュアル(日本語もあります)はWebでダウンロードできますので、より詳しく知りたい人はダウンロードしてみてください。
AKASO V50 Pro User Manual
2.筐体
パッケージです。なんか「キャリングケース」として使えそうに見えますが、ケースとしての機能はありません。また、本体サイズの割にずいぶんと大振りなものになっていますが、それには理由があります。
これが理由です。当座使いそうにないアタッチメントの開封は諦めました。
これが同梱物の一覧表です。しかし、私はアクションカメラについて知識が十分になく、また自分でもアクションカメラが真価を発揮できるようなアクションはしていませんので、これを見ても途方に暮れるだけです…。
しかし、上にリンクしたマニュアルに代表的な組み合わせが例示されていて、これを見るとある程度イメージが湧いてきます。今回は自転車に取り付けてみようかな、と思いました。
では本体から。この製品だけでなく、アクションカメラというのは非常に小さく、「手のひらサイズ」ですね。
この製品の表面にはシリコンコーティング(だと思います)が施されていて、適度なサラサラ感としっとり感のある、とても触り心地のいいものです。前面はそっけないと言うか、レンズ以外には何もありません。他社製品だとサブディスプレイなんかがついていて、使用時点の設定が表示されていたりするんですが、この製品にはありませんね。
左側面にはスピーカーがあります。もちろん「確認用」なので、音質とかに期待すべきものではありません。
右側面には入出力ポート。microUSB、microHDMI、そしてmicroSDカードリーダーがあります。なお、注意したいこととして、一般にアクションカメラには記憶媒体は同梱されません。なので、製品とは別に購入しておく必要があります。この製品の場合、「クラス 10 / UHS-I 64GB (FAT32)まで 」という仕様のmicroSDカードに対応します。なので、私もAmazonでこの仕様のものを購入したのですが、64GBで1,000円しませんでした…。いま安いですねー。
背面です。2インチのディスプレイがついていて、タッチパネルなので、ここで各種設定ができます。タッチ操作のやり方に少しばかりクセがありますので、最初にマニュアルに目を通し、操作方法を理解してから使うといいでしょう。そうすれば問題なく操作できます。
上面です。大きいサイズのボタンが2つ。赤いボタンは電源オン/オフやモード(動画・静止画・再生など)切替、青いボタンはシャッターなどの機能があります。そんなに複雑なものではありませんし、これらのボタンとタッチパネルと併用していくことになるので、やはり最初にマニュアルに目を通しておくといいと思います。
下面です。こちらにはバッテリー挿入口と三脚用のネジ穴があります。
ちょっと「いいなあ」と思ったのがこれです。バッテリーが2個付属するんですよね(使用するのは1個だけなので、もう1個は予備用です)。また、バッテリー充電器は同時に2個を充電できる構造になっています。
ちょっとびっくりしたこともあります。この充電器のUSBポートは「MiniUSB(Type-B)」です。ここしばらく見たことがなかった形式なんですよね。もちろん充電用のUSBケーブルが付属していますので、この形状で困る、ということはありませんが、そこらへんに転がっているmicroUSBケーブルは使えない、ということです。
「主要な付属品」ということだと「リモコン」があります。このリモコンは電源オン/オフ、動画撮影開始/終了、静止画撮影という、ごくシンプルな機能になっています。また、本体は防水ケースを使えば水中撮影ができますが、このリモコンは「生活防水」レベルなので、水中では使えません。ヘルメットにカメラを装着する際なんかには便利なんでしょうね。
今回、私が試したいのがこれ。自転車用のアタッチメントを接続し、自転車で走りながら動画撮影を試みようと思っています。アタッチメントの組み立ては非常に簡単でした!
3.使用感
上に書いたように、背面ディスプレイがタッチパネルになっているので、各種の設定はタッチ操作で行うことができます。タッチ感度はあまり快適とは言えませんが、タブレットやスマホのように細かい操作をするわけでもないので、大きな不満はありません。また、この製品は日本語に対応します。設定メニューから言語を日本語にすれば、比較的わかりやすい日本語で操作することができます。ただし、EISは「画像安定化」と表記されていたりタイムラプスが「経過時間の間隔」だったりするので、「いっそ英語のままでも良かったのでは?」と感じる部分もあります。
上に説明した腕時計型のリモコンのほか、アプリでも操作ができます。Google Play(Android)やApp Store(iOS)からダウンロードできる「iSmart Pro」というアプリです。このアプリ、V50 Pro専用のものではなく、汎用のようで、必ずしもV50 Proの設定項目を完璧にカバーできているわけではありません。しかし、基本的な設定は可能ですし、動画の録画開始とか静止画のシャッターといった操作は問題なくできます。
設定項目は多岐にわたりますが、それぞれの項目が撮影時にどんな効果をもたらすのか、という点については、実際にいろいろ試してみるしかないです。アクションカメラを使い慣れている人はともかく、そうではない人の場合、一通りの設定を試してみて、体で覚える必要があるでしょう。このへんのところは取扱説明書だけでは十分に理解できません。
4.撮影してみた
最初に静止画を撮影してみました。
これが最高画質(20MP)。この製品に限らず、アクションカメラは広角レンズを搭載しているため、非常にワイドなアングルで撮影ができ、そのかわり周辺部分が歪んだ感じになります。
それと、これ重要なんですが、スマホやデジカメのように「ピント」がなく、固定焦点です。なので、ボケとかそういうのもありません。そういう意味ではスマホやデジカメの静止画とは全然画質が異なりますが、この製品はレンズそのものの品質がいいと思われ、結構キレイに撮影できます。
こちらが最低画質(2MP)。上の20MPと比較してそんなに劣っていませんが、これは画像サイズを縮小しているため(どちらも横幅1,200ピクセルにしています)です。ウインタブで低価格タブレットのレビューをする際、「インカメラ2MP」というものがありますが、この際「レビューに画像を掲載していません」。なぜかって、あまりにもひどい画質だからです。タブレットで2MPカメラというのは「メモ代わりに使えるかどうか」くらいの画質で、風景とか人物を撮影するようなレベルではありません。
しかし、V50 Proの2MPは「Web用なら使えます」。ブログやSNSにアップする場合、どうせ縮小されますので、そんなにひどい画像にはなりません。これはV50 Proが「カメラ」であって、レンズなどのパーツがしっかりしているということによると思います。
飯テロ(深夜にSNSに食べ物の画像を投稿し、フォロワーに精神的打撃を与える行為)にも使えそうです。ちなみにこの画像は20MPで撮影しています。
続いて動画を撮影してみました。
1280*720 60fpsで撮影したものです。晴天の日中だときれいに撮影ができますね。歩きながら(V50 Proを手に持っています)の撮影で、EISはオンにしていますが、そこそこは手ブレが補正されているものの、やはり歩みに合わせて多少揺れています。このくらいは仕方ないかな…。
次に多摩都市モノレールに乗って、車窓越しに撮影してみました。ガラスの反射とか汚れも写ってしまっていますが、それはV50 Proのせいではないです。1,920*1080 30fpsでの撮影です。いいですねー、「世界の車窓から」。旅行に持っていくと楽しいかも。なお、動画の中で「カチャカチャ」という、少し大きめの音が入っていますが、これはボタン操作の音です。なので、上に説明したスマホアプリとか腕時計型リモコンを使って録画開始/停止の操作をするほうがいいですね。
これは夜間に自転車に取り付けて撮影したものです。1,920*1,080 30fpsで撮影しています。電動自転車なので、少しモーター音は入ってしまいました。
この製品、夜間の撮影はあまり得意ではないようです。いろいろと設定を変えてみました(夜間モードなどもありました)が、どうしても強い光に対する対処が遅れてしまいますね。なので、夜間の商業地など、光の強弱が激しいところでの撮影には向かないように思われます。ただ、この撮影場所は「真っ暗な住宅街にいきなり幹線道路」とか「いきなりコンビニ」みたいな条件だったので、動画撮影には少し条件が厳しすぎたかもしれません。また、この製品は設定をいじる余地が非常に大きいため、この先いろいろ試していくと画質を向上させることができる可能性もあります。
5.まとめ
AKASO V50 ProはAmazonで販売中で、5月21日現在の価格は11,580円(税込み、製品ページに記載されている2,000円OFFクーポン使用)です。今回レビューしてみて、「アクションカメラとデジカメは違う」とか「ビデオカメラとアクションカメラは違う」ということが改めて実感できました。静止画にせよ動画にせよ、「画質」を追求する場合はデジカメとか高性能スマホ、ビデオカメラには及ばないです、はい。しかし、サイズが非常に小さく、豊富なアタッチメントが付属し、自転車や自動車、ヘルメットなどにセットして、動きのある動画を撮影するのは非常に楽しいですね。
今回、自分で撮影した動画のうち、モノレールの中から撮影したものが一番面白いと感じました。広角レンズなので、家庭用のビデオカメラとかスマホ動画とは一味違う映像になっていますよね。近日中に出張を控えていますので、出張先にV50 Proを持っていって、あちこち撮影してみたいと思います。本体サイズが非常に小さいこともあり、一緒に持っていくアタッチメントをしっかり選べば楽しい紀行動画が撮れそうです。
6.関連リンク
AKASO V50 Pro:Amazon