なかなか日本再上陸の情報が聞こえてこないWindowsPhoneですが、それとは別にこんな報道がありました。
「SIMロック」解除義務化を決定 寡占状態、解消狙う 料金引き下げに期待:IT media Mobile
日本の通信キャリアがWindowsPhoneを発売してくれないなら海外のSIMフリー機を、と考えます。いや、それしかWindowsPhoneを使う方法がない、というべきでしょう。でも普通の人の中では「そもそもSIMフリーって何?」という人も多いと思いますし、用語としては知ってても、自分には関係ない話、というくらいに思っている人が大多数なんじゃないかと思います。
私はどうしてもWindowsPhoneが欲しいので、とりあえず安価なWindowsPhoneのSIMフリー機を買ってみよう、と思っているのですが、この件に関する知識レベルは「普通の人」に過ぎないので、実際に購入する前に少し勉強してみようと思います。
1.SIMカードは全部同じではない
SIMカードは全ての携帯電話、スマートフォン、モバイルルーター(以下、単に「携帯」と書きます)などに入っています。上の画像の通り小さなICチップで、契約情報が書き込まれています。SIMカードは通信キャリアと契約する際にキャリアから貸与されるもので、自分の携帯に入っていても厳密には自分のものではありません。解約する際にキャリアから「返せ」と言われたら返さなくてはならないものです。ただし、例えばiPhoneはSIMを抜くと文鎮になってしまう(動かなくなる)ので、私はこの春にiPhoneからガラケーに機種変更する際、お願いしてSIMを入れっぱなしにしてもらいました。多分、貸与と言っても必ず返せ、とかそんなに厳しいわけじゃないと思います。
例えば現在ガラケーを使っていて、スマホが欲しくなったので友人から古いスマホ(SIMロック解除済み)をもらい、ガラケーに入っていたSIMカードを抜いて、もらったスマホに挿入すれば、ガラケーの電話番号がスマホに引き継がれ、そのままスマホが使える、ということなんでしょうか?
実際にはそう簡単にいきません。いくつかクリアしなくてはならないことがあります。まずはSIMカードのサイズです。上の画像のようにSIMカードには3種類のサイズがあります。ガラケーに入っているSIMカードは標準SIMであることが多く、スマホにはmicroSIMであることが多いですし、iPhone5やGALAXYなどごく新しいスマホにはnanoSIMが使われています。なので、ガラケーとスマホではSIMのサイズが合わず、そのままでは使えない、という危険性が高いのです。
また、スマホからスマホに変更する際も、microSIMとnanoSIMといったように、サイズが合わなくなるケースも多くなります。ちなみにSDカードのようにSIM用の下駄(アダプタ)があり、小さいサイズのSIMを大きくすることはできますが、逆の場合はSIMカードのICチップの周辺をカッターで切って小さくするという荒業が必要になります。
そういうわけで、SIMフリー機を購入する際、どのサイズのSIMカードが適合するのか、というのが第一のチェックポイントになります。私が購入を検討しているのはNokia Lumia 630なのですが、Nokiaの米国サイトをチェックしてみると
このように、Lumia 630 に合うSIMはmicroSIMであることが分かります。現在使っているガラケーやスマホがmicroSIMならばそのまま使える「可能性がある」ということになります。
…このハードル、他の問題に比べるとまだ序の口というか、全然大したことじゃないんですよね。
2.通信方式と周波数、auは要注意
日本の3大通信キャリア、docomo,SoftBank,auのうち、docomoとSoftBankは3GではW-CDMAという方式を採用しており、これは世界の3G通信の主流となっています。一方auはCDMA2000 1×という方式です。現在入手しやすい海外のスマートフォンはW-CDMA方式のもので、これは一部の例外(iPhone5Sなど)を除いてCDMA2000方式には使えません。ちなみに上のほうで引き合いに出したNokia Lumia 630やGoogleのNexus5も日本で入手しやすいモデル(例えばAmazonとかで買えるもの)にはauのSIMは使えません。
なのでauを使っている人はWindowsPhoneでCDMA2000用のものを探すのに苦労することになると思います。もっと言ってしまうとauの場合、SIMフリースマホそのものを探すのが大変です。極論すると、auを使うこと自体がハードルです。
また、通信方式の他、国内でも地域によって使う周波数が異なっていたり、複数の周波数を使っています。基本的に日本語対応の通販サイトで購入できるW-CDMA機については、ほぼ対応していると思っていいいようです。具体的にはdocomoとSoftBankが使っている周波数2.1GHzについてはほとんどの海外スマホが対応しています。
ただし、同じW-CDMA方式であっても、EMOBILEは周波数域がちょっと変わっており、海外SIMフリー機が使えない場合があります。また、LTEの場合、docomoとSoftBankに加え、auも2.1GHz帯を使っており、LTEということに限ればauも使えることが多いようです。ちなみに私の候補機Lumia 630はそもそもLTE非対応です。
docomoでいうプラスエリア、SoftBankで言うプラチナバンドは海外スマホの場合は対応していないことが多いようで、必然的にキャリアで購入するスマホに比べ、海外スマホのほうが「電波が弱い」状態に陥りやすいようです。これ、大事なことです。海外のSIMフリースマホを使うと通信性能が劣る、ということを覚悟しなくてはなりません。特にプラスエリアがモノをいうような山間部などに行く機会が多い人は要注意です。
今回はここまでです。次回もSIMフリー関連の記事を書くつもりですが、ここまで調べて記事にしただけで疲れてしまいました…。法規面とか、他にも色々ハードルがあるんですよね。
3.関連リンク
Long Term Evolution(LTE):Wikipedia
第3世代移動通信システム:Wikipedia
【Androidスマホのコツ】機種変更手続きをしないで他のスマホを使ってみよう!SIMカードに関する豆知識!:OCTOBA