
クラウドストレージのpCloudが「桜満開セール」をスタートさせました (3月31日まで)。pCloudにはメジャーなクラウドストレージであるGoogle One、Dropbox、OneDriveなどにはない「買い切り型のプラン」があるのが大きな特徴です (月払い、年払いのサブスクリプション型もあります)。
買い切り型のプランだと一度お金を払ってしまえば(サービスが継続している限り)生涯使えるので、「長く使えば使うほどお得」です。実は私も1年前に2TBプランを購入し、今ではMicrosoft 365やGoogle Oneの有料プランを解約して、pCloudがメインになっています。この記事ではユーザーとしての使用感についても簡単に触れたいと思います。
目次
1. 最大57%の割引に
いうまでもなく買い切り型プランは「一度きりの支払い」なので、どうしても支払額は高くなってしまいます。しかし、セールで購入する場合、その支払額で生涯使えますので、サブスク型の「今年だけ安い(来年以降は定価)」みたいなセールとはお得感が段違いです。
| 生涯プラン | 通常価格 | セール価格 | 割引率 |
| Premium 500GB | 299ドル (47,840円) |
139ドル (22,240円) |
約53.5% |
| Premium Plus 2TB | 599ドル (95,840円) |
279ドル (44,640円) |
約53.4% |
| Ultra 10TB | 1,890ドル (302,400円) |
799ドル (127,840円) |
約57.7% |
※円価格は1ドル=160円としてウインタブが計算したもの。
円安傾向に歯止めがかからないですね…。pCloudはドル決済のみなので、クレジットカードで支払う場合はカード会社の為替レートで円からドルに両替され、支払いに充てられます。よって円安だと支払額が大きくなってしまいます。とはいえ、「少し待てば円高に振れる」なんてことはわかりません。来月はもっと円安になっているかもしれません。金融アナリストとか経済評論家のコメントもあてになりません。もし完璧に為替の流れが読めるのなら、とっくに大富豪になっているはずですしね。なので、「前回のセール時よりも円安になっているのは残念だが、次を待つと得するというものでもない」です。
為替の話はさておき、例えば2TBを購入 (契約)する場合、「4万円以上も払うのかよ!」と思いますよね?ここで他のクラウドストレージサービスと2TBプランの支払額を比較してみましょう。なお金額の単位は「円」です。
| 経過年数 | pCloud (年間換算 / 累積) |
Google One (年間 / 累積) |
Dropbox Plus (年間 / 累積) |
|---|---|---|---|
| 1年目 | 44,640 / 44,640 | 14,000 / 14,500 | 14,400円 / 14,400 |
| 2年目 | 22,320 / 44,640 | 14,500 / 29,000 | 14,400円 / 28,800 |
| 3年目 | 14,880 / 44,640 | 14,500 / 43,500 | 14,400円 / 43,200 |
| 4年目 | 11,160 / 44,640 | 14,500 / 58,000 | 14,400円 / 57,600 |
| 5年目 | 8,928 / 44,640 | 14,500 / 72,500 | 14,400円 / 72,000 |
「3年使えば、あとは生涯 (サービスが続く限り)タダ同然」
ご覧の通り、累積支払額では3年でGoogle One、Dropboxとほぼ並び、それ以降は「長く使うほど割安」になります。なので、3年以上使うつもりがあるのならpCloudがお得です。ただし、クラウドストレージサービスには容量以外の付加サービスが使えることが多く、特にGoogle Oneは付加サービスが豊富なので、単純に価格だけで比較するのは難しいです。そのため、ご自身のニーズと、それぞれのクラウドストレージが展開しているサービスの親和性も考慮する必要があります。
2. ベーシックで信頼性の高いサービス内容
pCloudのサービス内容は「ごくベーシック」です。Google OneのようにGemini Proが使えるとかはありません。しかし、PCのバックアップ機能やファイル共有、データ同期など、クラウドストレージに求められる基本機能は網羅されており、かつ「スイス拠点のクラウドサービスとして、世界で最も厳格なデータ保護基準を遵守」しています。
3. 実際に使ってみて

ウインタブのpCloud PCアプリ
私は1年前にPremium Plus 2TBを購入 (契約)しました。その後11月にMicrosoft 365 Personalを解約し、この2月にGoogle One 200GBプランを解約しました。とはいえ、OutlookメールやGmailはヘビーに使っているので「無料ユーザー」ではあるんですけどね。
クラウドストレージの利用目的は人それぞれですが、私の場合は「スマホで撮影した写真や動画、スクリーンショットなどを保存し、必要に応じてPCに取り込む」「ライターとフォルダを共有し、資料の共有をする」「PCの『重要』なフォルダをバックアップする」というのがメインの用途です。それと「かつてOneDriveなどに保存していたデータをpCloudに移した」くらいですね。

私物やレビュー機材のスマホやタブレットにもpCloudアプリを入れています。他のクラウドストレージサービスと同様に「自動アップロード」に設定しておけば撮影した写真やスクリーンショットを「デバイスごとに自動的にフォルダを作ってアップロード」してくれるので、実機レビューの際には非常に便利です。
また、これも他のクラウドストレージと同じですが、PCのエクスプローラーからあたかもローカルドライブ(ローカルフォルダ)のようにしてアクセスできます。
私の用途ではpCloudの機能に不足はなく、アップロード速度についても体感では他のクラウドストレージサービスと大差はありません。
ウインタブの関係者では、ライターのnatukiさんもpCloud Premium Plus 2TBプランを購入しています。彼は私よりもクラウドストレージの付加機能を活用しており、「スマホアプリからファイルの新規作成ができない」などのウイークポイントも指摘しています。
詳しくはこちら (natsukiさんの導入レビュー記事)をご覧ください。
pCloud 導入レビュー - 買い切りの安心感が魅力のクラウドストレージ。基本機能は十分、画像整理やデータ移行も使いやすい
私にしてもnatukiさんにしても、総じてpCloudの品質に大きな不満はなく、満足しています。ただし、繰り返しになりますが、pCloudならではの便利さ、というのは「特にない」ですね。本当に「普通」のクラウドストレージだと思います。
4. 他のサービスとの機能比較 - セキュリティ機能が素晴らしい
各サービスの「使いそうな機能」を比較してみました。
| 機能 | pCloud (2TB買い切り) |
Google One (2TB) |
Dropbox Plus (2TB) |
|---|---|---|---|
| ファミリー共有 | ×(※1) | 〇(最大5人) | × |
| バックアップ機能 | 〇 | 〇 | 〇 |
| クラウド再生 | 〇(プレーヤー内蔵) | 〇 | △(プレビュー再生) |
| リンク共有 (パスワード) |
〇 | ×(※2) | ×(※3) |
| リンク共有 (有効期限) |
〇 | 〇(※4) | ×(※3) |
| 共同編集機能 | ✕ | ◯ | ◯ |
| Zero-Knowledge暗号化 | 〇(※5) | × | × |
※1:Familyプランが別途存在します
※2:Google Drive自体にパスワード保護機能はありません
※3:Dropboxは上位の「Professional」プラン以上の機能です
※4:2025年後半のアップデートにより、個人アカウントでも共有時に期限設定が可能になりました
※5:オプションの「Encryption」が必要です。
なお、共有機能について補足します。
Google One:共有リンクに「有効期限」を設定できるようになりましたが、依然として「パスワード設定」はできません。誰かにファイルを送る際、URLさえ知っていれば誰でも見られてしまうリスクは残ります。
Dropbox Plus:個人向けのPlusプランでは、共有リンクへのパスワード設定も有効期限設定もできません。これらを使いたい場合は、さらに高価な「Professional」プランへのアップグレードが必要です。
pCloud:pCloudは買い切りプランであっても、標準機能として「パスワード」と「有効期限」の両方を設定できます。 同僚・お取引先などと資料をやり取りする場合、この「手軽に、かつセキュアに送れる」という点は非常に重宝しています。
それと「共同編集機能」についてはGoogle Oneが圧倒的に優秀です。Googleドキュメントを使って共同編集をした経験のある人も多いと思います。あと、この表にはありませんがMicrosoft Officeの共同編集機能も素晴らしいです(ただし元データがOneDriveに保存されていることが必要)。
Dropboxの共同編集機能について、私は利用経験がありませんので確実なことは言えませんが、あまり多機能とは言えないようです。そして、pCloudには共同編集機能はありません。

pCloud Encryption
pCloudには「Encryption」という暗号化オプションがあります。いわゆる「ゼロナレッジ(Zero-Knowledge)暗号化」サービスで、これを設定すると「pCloudの運営者もアクセスできない当該ファイルにアクセスできない」ようになります。万一パスワードを紛失した場合、誰もデータを復旧できなくなりますので、私のように「うっかり」な人間には「逆に怖い」です。ゼロナレッジ暗号化に対応したクラウドストレージは他にも存在しますが、日本で広く知られているものではpCloudのみです (ウインタブ確認ベース)。
最後になりますが、pCloudはスイスに本社を構える企業で、Cryptoの話を別としてもプライバシー保護とセキュリティへの配慮がしっかりしており、EUの個人情報保護規則(GDPR)に準拠しています。また、データはユーザー自身が選択した地域(EUまたは米国)のサーバーに保管されますので、私なんかが毎日使っていて特に意識することもないのですが、「安全」であることは間違いありません。
5. 今後価格が上昇する可能性も
この章は明確な根拠がなく、あくまでもウインタブの予想として書きます。
現在、世界的な半導体需給の逼迫により、ストレージデバイスの価格が上昇 (暴騰といっても過言ではありません)しています。この件は読者の皆さんもよく知っておられると思います。クラウドストレージ運営にとって、物理的なストレージ増強コストの上昇は「直撃弾」と言っていいでしょう。
pCloudは年に数回セールを開催しており、私が知る限りセール価格は「いつも同じ水準」でした。今回のセール価格も前回から変わっていません。ということで、pCloudはこれまで「279ドル(2TB)」というセール価格を維持していますが、現状あまりにも環境が厳しいのではないかと思われ「次回のセールでは価格が引き上げられる」という可能性も十分にありそうです。というか個人的には「可能性大」だと思っています。よって今のうちに「買い切り」しておくメリットは大きいと考えます。
6. まずは無料プランで、というのもアリ
pCloudには無料プランがあります。無料で使える容量は最大で10GBと小さいですが、使い勝手を試すには十分かと思いますので、「いきなり数万円を支払うのはちょっと…」という人は、先に無料プランを導入してみるのもいいでしょう。この場合、今回の桜満開セール中に機能の評価とか満足度については決められないと思いますが、「次回のセールに備える」ということでもいいでしょう (ただし、上に書いた通り、次回も同価格でのセールになるかはわかりません)。
なお、上に書いた通り、私もpCloudの買い切りプランを購入していますが、pCloudの信用リスクをゼロとは思わないものの、同種の他のサービスと比較して著しい信用リスクがあるとは思っていません。ただし、pCloudについて懸念する人もいますし、XなどのSNSでもそのような書き込みを見ることができますので、心配な人は情報収集をされることをおすすめします。
7. 関連リンク
2014年にサイトを開設して以来、ノートPC、ミニPC、タブレットなどの実機レビューを中心に、これまでに1,500本以上のレビュー記事を執筆。企業ではエンドユーザーコンピューティングによる業務改善に長年取り組んできた経験を持ち、ユーザー視点からの製品評価に強みがあります。その経験を活かし、「スペックに振り回されない、実用的な製品選び」を提案しています。専門用語をなるべく使わず、「PCに詳しくない人にもわかりやすい記事」を目指しています。
▶ サイト紹介・ウインタブについて



コメント