Lenovo公式サイトで「72時間セール」を開催中です(6月12日まで)。ウインタブでは毎週末にレノボのノートPCとタブレットのセール価格を調査し、セール価格の一覧表とセール情報記事を掲載していますが、最近のレノボは72時間セールというのを(不定期に)開催することが多く、72時間セールではセール品の数が少なめながら、週末のセール価格よりも安くなっているものが多いです。
この記事ではセール品の中から3製品をピックアップしてみます。
目次
セール品のCPUについて
今回紹介するノートPC2機種の搭載CPUは Ryzen 7 8845HS と Ryzen AI 9 365 です。Ryzen AI 9 365 は、最新の Ryzen AI 300シリーズ(Strix Point) に属し、Copilot+ PCの性能要件(NPU 40TOPS以上) を満たす注目のプロセッサ。今後のAI機能強化を見据えると優れた選択肢と言えます。
一方、Ryzen 7 8845HS(Hawk Point)は、NPU性能が控えめ(AI処理性能 16TOPS。Copilot+要件の40TOPSに届かない)なため、Copilot+ PCの要件を満たしません。また、直近でRyzen AI 300シリーズがリリースされたために「やや古い」「今となっては性能が低い」といった印象を持たれがちかもしれません。
しかし実際には、Ryzen 7 8845HSのCPU・GPU性能は今でも非常に優秀で、日常利用はもちろん、動画編集や軽めのゲームも快適にこなせる実力を備えています。特に内蔵GPUの Radeon 780M は非常に高性能で、NPU非搭載でも多くのAI処理はGPUで代用可能です。
現在のところ、NPUでの処理を強制する設計のアプリはほとんどなく「NPUがあれば使う、なければGPUやCPUで補う」といった設計が一般的です。そのため「NPU非搭載=時代遅れ」というわけではありません。
また、Ryzen 7 8845HSを含むHawk Pointの型番は、最新ではないがゆえに搭載機の価格が安くなっているのが大きな魅力です。Copilot+対応機と比べてコストパフォーマンスが高く、Copilot+ PCの定義でMicrosoftが提唱する「オンデバイスAIにはNPU性能が必須」という前提に疑問を感じる人(私もその一人です)には「性能とコスパに優れたおすすめの型番」と言えます。
Copilot+ PCについてのウインタブの考え方
Copilot+ PCとは?要件と「NPUが本当に必要か」を冷静に考える
NPUとGPUの役割について
NPU、RTX、AI…今のPCで「使えるAI機能」って何? -「AI搭載PC」の現実と限界
おすすめのセール品
IdeaPad Pro 5 Gen 9 14型 (AMD)
スペック
OS:Windows 11 Home
CPU:Ryzen 7 8845HS
RAM:16GB LPDDR5X-6400MT/s (オンボード)
SSD:512 GB SSD M.2 2242 PCIe-NVMe Gen4 TLC
ディスプレイ:14インチOLED (2,880 x 1,800) 120Hz
サイズ:312x221x15.99mm(最薄部)/1.46 kg
ポイント
CPUのRyzen 7 8845HSについての私の評価は上に説明したとおりです。つまり、性能面での不安は全く感じていません。また、この製品はCPUだけでなくディスプレイも素晴らしいです。14インチの有機ELで解像度は2.8K(2,880×1,800)と高く「HDR500、100%DCI-P3」の発色品質でリフレッシュレートも120Hzと高速です。このディスプレイ品質であれば事務仕事はもちろん、PCゲームやコンテンツクリエーションでも不満なく使えるはずです。
14インチというサイズはモバイルノートとしても適していますが、ちょっと重い(1.46 kg)ですね。なので、毎日PCをバッグに入れて持ち歩くような使い方よりは「基本据え置き型として、たまにモバイル利用もする」ような使い方に向く製品です。114,840円というのは非常にお買い得だと思います。
ウインタブ製品紹介記事
Lenovo IdeaPad Pro 5 Gen 9 14 (AMD) - Ryzen 7 8845HSにGeForce RTX3050も搭載可能、有機ELディスプレイの14インチノート
※今回のセール品はGeForce搭載ではありません
Yoga Pro 7 Gen 9 14.5型(AMD)
セール価格:199,870円
※ポイント10倍
スペック
OS:Windows 11 Home
CPU:Ryzen AI 9 365
RAM:32GB
SSD:1TB
ディスプレイ: 14.5インチOLED(2,880 × 1,800)120Hz
サイズ:325.5×226.49×16.6mm(最薄部)/1.54 kg
ポイント
CPUのRyzen AI 9 365についての私の評価は上に説明したとおりです。この製品はCopilot+ PCです。また、ウインタブでも実機レビューをしており、その品質を高く評価しています。
ディスプレイは上に紹介したIdeaPad Pro 5 Gen 9とほぼ同じ品質、2.8K解像度の有機ELで「HDR500 True Black、 100%DCI-P3」の発色品質と120Hzのリフレッシュレートですが、サイズが14.5インチと若干大きいです。
また、実機レビューでは筐体の質感の高さ(仕上げの良さ)とスピーカーの音質(この製品は4スピーカー搭載です)についても素晴らしいと感じました。
最新CPU、そして高いNPU性能を重視する人にはおすすめの製品です。セール価格のほうもスペックの割に低めですし、ポイント10倍、というのも大きいですね。
ウインタブ実機レビュー記事:
Lenovo Yoga Pro 7 Gen 9 14.5型(AMD) レビュー - 最新CPUのRyzen AI 9 365搭載、ディスプレイも高精細な有機ELのノートPC
Lenovo USB Type-C スリム トラベルドック
セール価格:6,930円
※ポイント10倍
この記事のラストは「ドッキングステーション」です。
USB3.2 Gen2 Type-C ×2
USB Type-C(充電/給電用)
USB3.2 Gen2 Type-A ×2
HDMI2.1 ×1
SDカードリーダー
microSDカードリーダー
の8-in-1タイプで、ポートの規格も高い(USB3.2 Gen2が多い)です。このようなドッキングステーションはGREENなどのメーカーの得意とするところで、6,930円といえども最安値圏とまでは言えません(ただし、中国メーカー製品と比べても顕著に高い、という感じでもありません)。あとは「メーカーの信頼性」でしょうか。レノボ製のドッキングステーションが6,930円というのは「十分に安い」と思いますし、この製品については「ポイント10倍」でもありますので、それを踏まえるとさらにお買い得です。
なお、このドッキングステーションの機能をフルに使うためには、お使いのPCに「映像出力とUSB PDに対応するUSB3.2 Gen2規格」かそれ以上の規格(Thunderbolt 3/4など)のUSB Type-Cポートがついていることが必要です。ご注意ください。
関連リンク
2014年にサイトを開設して以来、ノートPC、ミニPC、タブレットなどの実機レビューを中心に、これまでに1,500本以上のレビュー記事を執筆。企業ではエンドユーザーコンピューティングによる業務改善に長年取り組んできた経験を持ち、ユーザー視点からの製品評価に強みがあります。その経験を活かし、「スペックに振り回されない、実用的な製品選び」を提案しています。専門用語をなるべく使わず、「PCに詳しくない人にもわかりやすい記事」を目指しています。
▶ サイト紹介・ウインタブについて
コメント