HPの週末セール情報です。現在開催されている大型セール「26周年大祭り」は7月31日までですが、25日からは「週末限定セール」も始まりました(7月28日まで)。週末限定セールの対象製品は少なく、先週と顔ぶれもあまり変わっていません。
そのため、この記事では(しばらく取り上げていなかった)HPのエントリーモデル「HP 14-em」と「HP 15-fc」の2機種をチェックしたいと思います。2機種とも週末限定セール対象で、「26周年大祭り」よりも価格が安くなっています(ただし、HP 15-fcのRyzen 7モデルのみ26周年大祭りのほうが安いです)。
1. スペック表
項目 | 仕様 |
---|---|
OS | Windows 11 Home/Home (Sモード) |
CPU | AMD Athlon Silver 7120U Ryzen 3 7320U/Ryzen 5 7530U Ryzen 7 7730U (HP 15のみ) |
RAM | 4GB/8GB (LPDDR5 5500MHz, オンボード) 8GB/16GB (DDR4 3200MHz, デュアルチャネル) |
ストレージ | 128GB/256GB/512GB SSD (PCIe NVMe M.2) |
ディスプレイ | 14インチIPS (1,920×1,080) 15.6インチIPS (1,920×1,080) |
無線通信 | Wi-Fi 6/6E、Bluetooth 5.3 |
ポート類 | USB Type-C (5Gbps) USB Type-A (5Gbps) × 2 HDMI、3.5mmオーディオジャック |
カメラ | Webカメラ (92万画素) |
バッテリー | 駆動時間最大10-11時間 |
サイズ | HP 14:323×215×17.9 – 21mm HP 15:358×236×17.9 – 21.5mm |
重量 | HP 14:約1.39kg / HP 15:約1.63kg |
HP 14-em(14インチ)とHP 15-fc(15.6インチ)は「ほぼ同スペック」です。セール品に関していえば、HP 15-fcのみRyzen 7モデルがあり、もちろんディスプレイサイズと筐体サイズも異なりますが、それ以外のシステム仕様は同じと考えていただいて結構です。
2. セール品ラインナップ
HP 14:
・Ryzen 3/8GB/256GB:59,990円
・Ryzen 5/16GB/512GB:69,990円
HP 15:
・Ryzen 3/8GB/256GB:59,990円
・Ryzen 5/16GB/512GB:69,990円
・Ryzen 7/16GB/512GB:89,990円
※Windows 11 Home SモードはAthlon搭載モデルのみ設定がありますが、今回のセール対象ではありません。また、HP 15-fcのRyzen 7モデルのみ26周年大祭りのセール価格のほうが安い(87,800円)ので、この点はご注意ください。
3. ポイント
CPU性能について
AMD CPUの性能は基本的に「Ryzen 3<Ryzen 5<Ryzen 7」です。HP 14-emとHP 15-fcの搭載CPUについても「基本」通りなのですが、ちょっと注意したい点もあります。
これはPassmarkが公表しているベンチマークスコアです。なんか、Ryzen 3 7320Uのみずいぶんと性能が低いように思われますが、実はRyzen 3 7320Uのみ「コードネームとCPUアーキテクチャ」が異なります。
Ryzen 3 7320Uは「コードネーム:Mendocino、CPUアーキテクチャ:Zen 2」、Ryzen 5 7530UとRyzen 7 7730Uは「コードネーム:Barcelo R、CPUアーキテクチャ:Zen 3」です。つまり、同じRyzen 7000シリーズではあるのですが、中身は全然別物で、Ryzen 3 7320Uのみ「ちょっと古い」技術仕様になっています。
Passmarkスコアが8,000点台というのはIntel N100/N150などのエントリーCPUよりは高性能ですが、Ryzen 5 7530UやRyzen 7 7730Uとは大きな差があります。「Office系のソフトやWebアプリ、動画視聴などに使う」のであればRyzen 3 7320Uモデルを選んでもいいとは思いますが、「あとは価格差をどう見るか」ということになると思います。
RAMとSSD
セール品の中で、Ryzen 3モデルのみRAM8GB/256GB SSDで、他はRAM16GB/512GB SSDです。ウインタブではRAM8GBだと使い物にならない、とまでは言いません。上にも書きましたが、Office系アプリや動画視聴などの軽めの用途であればRAM8GBでも快適に使えるはずです。ただし、ウインタブがRyzen搭載機で推奨するのはRAM16GB以上、SSD512GB以上ですね。この先数年愛用する前提だと(容量に余裕があるという)安心感が大きくなります。
使いやすさの水準はクリア

HP 15-fc
CPU/RAM/SSD以外の部分に目を向けると、ノートPCに望まれる「構成」になっていると思います。ディスプレイはFHD (1,920×1,200)解像度のIPS液晶ですし、通信周りではWi-Fi 6にも対応、筐体の質感とかキーボードの使用感も世界最大のPCメーカーであるHPの製品ですから、決して使いにくいものではありません。
もちろん上位モデル(OmniBookシリーズ) と比較してしまうとディスプレイの発色がイマイチであるとか、筐体に高級感がないとかはあると思いますが「ノートPCとしての基本」については心配いらないでしょう。
4. Ryzen 5モデルのバランスがベストかと
上記の検討を踏まえ、改めて価格を見ると、Ryzen 3/8GB/256GBモデルの価格は59,990円、Ryzen 5/16GB/512GBモデルの価格は69,990円、Ryzen 7/16GB/512GBの価格は89,990円(26周年大祭りでは87,800円)です。
どれを選ぶかは人それぞれではあります。でもウインタブとしては「どう考えてもRyzen 5モデルだよなあ」とは思いますね。Ryzen 3モデルの59,990円という価格も非常に魅力的ですが、それに1万円を足すだけでCPU性能がグンと上がり、RAM/SSD容量も倍増するわけで、日々の快適性とか長期利用を想定する際の安心感とかが全然違ってくると思います。
5. 関連リンク
2014年にサイトを開設して以来、ノートPC、ミニPC、タブレットなどの実機レビューを中心に、これまでに1,500本以上のレビュー記事を執筆。企業ではエンドユーザーコンピューティングによる業務改善に長年取り組んできた経験を持ち、ユーザー視点からの製品評価に強みがあります。その経験を活かし、「スペックに振り回されない、実用的な製品選び」を提案しています。専門用語をなるべく使わず、「PCに詳しくない人にもわかりやすい記事」を目指しています。
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