Windows 10のサポートが10月14日に終了します。個人的に思うところはありますが、それはともかくとして、Windows 11に対応しないPCを使っている人は買い替え待ったなし、という状況ですよね。10月15日から直ちにWindows 10のPCが使えなくなるわけでもないですし、10月15日に直ちにマルウェアに感染するわけでもないとは思いますけど。
ということで、Dellでも「PCアップグレードセール」を開催中で、エントリーモデルからプレミアムモデルまで幅広くセール価格になっています。
この記事では「Copilot+ PC」に対応するCPUを搭載しつつもお買い得感が大きい「Dell 14 Plus」と「Dell 16 Plus」についてチェックしてみました。
1. 搭載CPUについて
Dell 14 Plus/16 Plusの搭載CPUは下記の6型番です。コア数/スレッド数、内蔵GPUの型番、NPU性能 (TOPS)、Passmark (ベンチマークソフト)のスコア (シングルスレッド、マルチスレッド)を一覧表にしました。なお、ウインタブとしては「Intelのほうがいい」「AMDのほうがいい」ということは言えません。どちらもAI処理性能に優れた高性能なCPUです。
コア/スレッド | GPU | NPU TOPS | Passmarkシングル | Passmarkマルチ | |
Core Ultra 5 226V | 8/8 | Arc 130V | 40 | 3,871 | 18,451 |
Core Ultra 7 256V | 8/8 | Arc 140V | 47 | 4,016 | 19,625 |
Core Ultra 7 258V | 8/8 | Arc 140V | 47 | 4,032 | 19,021 |
Core Ultra 9 288V | 8/8 | Arc 140V | 48 | 4,343 | 19,663 |
Ryzen AI 5 340 | 6/12 | Radeon 840M | 50 | 3,762 | 19,787 |
Ryzen AI 7 350 | 8/16 | Radeon 860M | 50 | 3,884 | 24,653 |
上記の型番はすべてAI処理チップNPUを内蔵し、Copilot+ PCの性能要件を満たしています(Dell 14 Plus/16 Plusは全モデルCopilot+ PCです)。また、Core Ultra Vシリーズ (コードネームはLunar Lake)はCPUとRAMが一体化した構造なので、Core Ultra 5 226V/Ultra 7 256VはRAM16GB、Core Ultra 7 258V/Ultra 9 288VはRAM32GBとなり、それ以外の容量にはできません。それと、Core Ultra 7 256VとCore Ultra 7 258VはRAM容量以外は同一仕様です。
メーカー公称のNPU性能 (TOPS値)はRyzen AIシリーズ (コードネームはKrackan Point)が50TOPSと若干高め、PassmarkスコアはシングルスレッドではIntel Core Ultra Vシリーズが高く、マルチスレッドではRyzen AIシリーズのほうがやや高くなっています。これはCore Ultra Vシリーズがハイパースレッディングを廃止したことが要因です。
また、ここからは「あくまでウインタブの体感」ではありますが、Core Ultra Vシリーズのバッテリー持ちは驚異的とも言える水準です。これだけの高性能CPUでありながら、搭載機のバッテリー駆動時間は当たり前のように10時間をオーバーします (ウインタブの実機レビュー経験による)。
今回紹介するDell 14 Plus/Dell 16 Plusは筐体重量がやや重く、純然たるモバイルノートとは言いにくいのですが、バッテリー駆動で使用する機会が多い人ならCore Ultra Vシリーズがおすすめですね。
2. Dell 16 Plus
セール価格 :
Intel版 (DB16250):151,182円(税込)~
※Intel Core Ultra (Lunar Lake)搭載
※Copilot+ PC
AMD版 (DB16255):138,586円(税込)~
※Ryzen AI 300シリーズ (Krackan Point)搭載
※Copilot+ PC
OS:Windows 11 Home
CPU:Core Ultra 7 258V
RAM:32GB
SSD:1TB
ディスプレイ:16インチ(2560×1600)
サイズ:356.78✕250.6✕16.99 mm
重量:1.87 kg~
スペック例:AMD版・183,582円モデル
OS:Windows 11 Home
CPU:Ryzen AI 7 350
RAM:32GB
SSD:1TB
ディスプレイ:16インチIPS(2560×1600)
サイズ:356.78✕250.6✕16.99 mm
重量:1.83 kg~
3. Dell 14 Plus
セール価格 :
Intel版 (DB14250):143,184円(税込)~
※Intel Core Ultra (Lunar Lake)搭載
※Copilot+ PC
AMD版 (DB14255):126,637円(税込)~
※Ryzen AI 300シリーズ (Krackan Point)搭載
※Copilot+ PC
OS:Windows 11 Home
CPU:Core Ultra 5 226V
RAM:16GB
SSD:1TB
ディスプレイ:14インチ(2560×1600)
サイズ:314✕226.15✕16.95 mm
重量:1.55 kg~
スペック例:AMD版・126,637円モデル
OS:Windows 11 Home
CPU:Ryzen AI 5 340
RAM:16GB
SSD:512GB
ディスプレイ:14インチIPS(1920×1200)
サイズ:314✕226.15✕16.95 mm
重量:1.52 kg~
4. セール品の特徴
Dell 16 Plusは16インチディスプレイ、Dell 14 Plusは14インチディスプレイ搭載です。筐体サイズはDell 16 Plusのほうが大きく、キーボードにテンキーもついていますので、自宅や事務所などで据え置きで使うのに向きます。
一方、Dell 14 Plusはモバイルノートとしても使えるサイズですが、筐体重量が1.5 kg強とやや重いので、毎日バッグに入れて持ち歩くような使い方よりも、「据え置き、ときどきモバイル」くらいの使い方に向きます。
次にCPU以外でもDell 14 Plus/Dell 16 PlusともIntel版とAMD版で少し構成が異なります。いずれも注文時の構成変更が可能ですが、主な制約として、
Intel版:
・ディスプレイは2560×1600解像度のみ
・SSDは1TB以上
AMD版:
・Dell 14 Plusのディスプレイは1920×1200のみ
・Dell 16 PlusのRyzen AI 5モデルは1920×1200のみ、Ryzen AI 7モデルは2560×1600解像度も選択可
・Ryzen AI 5モデルはSSDが512GBのみ
つまり、「1920×1200解像度のディスプレイ」と「512GBのSSD」はAMD版のみに設定され、Intel版はすべて「2560×1600解像度のディスプレイ」と「1TB以上のSSD」となります。
最低価格を見ると、Dell 14 PlusはAMD版が12万円台から、Intel版が14万円台からとなっていますが、この価格差はCPUのメーカーが異なるだけでなく、ディスプレイ解像度やSSD容量がIntel版のほうが上、という要因もあります。Dell 16 Plusに関しても最低価格の違いはディスプレイ解像度とSSD容量に起因すると言えます。
ウインタブではDell以外のメーカーのノートPCも紹介していますが、特に「Lunar Lake搭載機が14万円台、RAM32GBのCore Ultra 7 258V搭載機でも16万円台」というのは非常にお買い得だと思います。
5. 関連リンク
2014年にサイトを開設して以来、ノートPC、ミニPC、タブレットなどの実機レビューを中心に、これまでに1,500本以上のレビュー記事を執筆。企業ではエンドユーザーコンピューティングによる業務改善に長年取り組んできた経験を持ち、ユーザー視点からの製品評価に強みがあります。その経験を活かし、「スペックに振り回されない、実用的な製品選び」を提案しています。専門用語をなるべく使わず、「PCに詳しくない人にもわかりやすい記事」を目指しています。
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