VAIOが15.6インチノート「S15」を発表しました。VAIOというと、どうしてもモバイルノートや2 in 1を連想してしまいますが、このS15は従来モデルから筐体も一新し、VAIOらしく「カッコいい」ノートPCに仕上がっています。また、VAIO製品は注文時に構成を細かくカスタマイズすることができますので、ニーズに合わせてお好みのスペックにすることができます。
1.スペック
VAIOの製品ページを見ると「すべてがデスクトップPC級のハイスピード」と謳われていて、確かにCPUにはCoffee Lake(ゲーミングノートにも採用される高性能なもの)のCore i5もしくはCore i7を搭載しています。ただし、外部GPUの搭載はありません。また、RAMとストレージに関しても「ちょっと親切すぎて心配」なくらいに幅広い選択肢があります。というのも、CPUにCore i5を選ぶ場合、RAM4GB/500GB HDDという組み合わせまで可能になっています。ウインタブ読者がこのようなバカげた構成を選ぶとは思っていませんが、あまりPC知識がない人が「Coffee LakeのCore i5/RAM4GB/500GB HDD」という構成を選んでしまわないかなあ、というのは心配ですね。RAM4GBとか「HDDのみ」という選択肢はなくしちゃったほうが親切なのでは?と思います。
ディスプレイも3つの選択肢があります。HD(1,366 × 768)、FHD(1,920 × 1,080)、4K(3,840 × 2,160)ですね。カスタマイズ画面で確認したら、ディスプレイ解像度をHDからFHDにするオプション料金は税抜き9,000円、4Kにするのに税抜き20,000円ということなので、できればFHDにはしておきたいところです。なお、CPUにCore i7を選ぶ場合は(さすがに)RAM4GBとかHD解像度のディスプレイは選べません。また、FHDと4Kのディスプレイに関しては、視野角が170度という記載がありますので、おそらくIPS(IPS相当)、逆に何も言及されていないHDディスプレイはTN液晶なのではないか、と思います。
入出力ポートは充実しています。USBポートが合計で4つ、うち1つはThunderbolt 3ですし、映像ポートや有線LANポートもあります。また、光学ドライブもしっかり装備され、ブルーレイドライブも装備できます。
サイズのほう、15.6インチとしてはコンパクトになっています。ただし、最小クラスというほどでもなく、重量も2 kgを大きくオーバーしていますので、2019年の今なら「むしろ割と普通」くらいのサイズ感だと思います。
2.筐体
正面から見ると、ナローベゼルになっていて、「VAIOだから」という先入観も相まって、カッコよく見えますw
筐体色は「シルバー」と「ブラック」の2色。天板には大きく「VAIO」のロゴが入っています。筐体素材について、キーボード面は「アルミ一枚板」と明記されていますが、それ以外については説明がなく、よくわかりません。
ここ1年くらい、ノートPCのトレンドになっているような気がしますが、この製品もヒンジを開口すると筐体後部がせり上がる構造になっています。メーカーによって「リフトアップヒンジ」だとか「エルゴリフトヒンジ」などと称しますが、VAIOでは「チルトアップヒンジ」と言っています。この構造は打鍵をしやすくする効果もありますし、それ以外にも底面に空洞ができることによる冷却機能の向上や、スピーカー音質の改善など、様々な効果が見込めます。
「アルミ一枚板」のキーボード面です。アルファベットキーのキーピッチは約19 mm、テンキーは約16 mmとなっています。また、キーストロークは約1.5 mmです。もちろん日本語配列で、バックライトはありません。パームレスト右端に指紋センサーも装備されます。
側面と入出力ポートの配置です。右側面に光学ドライブ、左側面には通信系(LAN)や映像系ポートが配置され、USBポートは左右に振り分けられています。この配置だと使いやすそうですね。
3.価格など
VAIO S13はソニーストアで販売中で、4月12日現在の価格は119,800円(税込み129,384円)から、となっています。なお、記事中に触れたとおり最低価格のものは「Core i5/RAM4GB/500GB HDD/HDディスプレイ」という構成になってしまいますので、実質的には「Core i5/RAM8GB/128GB SSD + 500GB HDD/FHDディスプレイ」くらいが(この製品にとっての)最低構成かな、と思います。その場合は146,800円(税込み158,544円)になります。
ブランドイメージがよく、国内メーカーであるVAIOの製品を歓迎する人も多いと思います。また、実際この製品はデザイン、筐体品質、性能ともVAIOらしいものになっていて、とても魅力的だと思います。ただし、価格は安いと感じられません。安ければいいというものでもないでしょうが、ThinkPad T590(15.6インチでThinkPadシリーズ上位のスタンダードノート)やHP Pavilion 15(HPで最も売れ筋の15.6インチスタンダードノート)などと比較しても少し高く感じられます。また、高性能PCということならDELL G5などは税抜き15万円台でGeForce RTX2060を搭載するモデルが購入できます。
VAIOファンなら迷うことはないと思いますが、ハイスペックなスタンダードノートを探している人は、VAIOを有力候補にするにしても、他の製品とよく比較してみるのがいいと思います。