VAIOがモバイルノート「S13」を発表しました。VAIOのモバイルノートと言えば、SX12(12.5インチ)、SX14(14インチ)そしてVAIO Z(14インチ)がありますが、そう言えば日本で最もポピュラーとされる「13.3インチのVAIO」というのがありませんでした。いや、なかったわけではなく、2017年に先代のS13が発売されているのですが、途中マイナーチェンジがあったものの、「フルモデルチェンジ」がないまま現在に至っています。
今回発表された2022年モデルのS13はシステムスペックだけでなく、筐体も一新されています。
1.VAIO S13 スペック
スペック表
VAIO S13(2022) | |
OS | Windows 11 Home/Pro |
CPU | Intel Celeron 7305 / Core i3-1215U / Core i5-1235U / Core i7-1255U |
外部GPU | なし |
RAM | 8GB/16GB/32GB(オンボード) |
ストレージ | 128GB/256GB/512GB/1TB/2TB NVMe SSD |
光学ドライブ | なし |
ディスプレイ | 13.3インチ(1,920 × 1,080) |
ネットワーク | 802.11 a/b/g/n/ac/ax、Bluetooth 5.1、(LTE) |
入出力 | USB 4 Type-C(Thunderbolt 4)× 2、USB 3.0 × 2、HDMI、LAN(RJ45)、オーディオジャック、(nanoSIM) |
カメラ | Webカメラ(207万画素)顔認証対応 |
バッテリー | 約20.5~24.2時間(動画連続再生約11.8~13.8時間) |
サイズ | 305.8 × 215.1 × 14.4-18.4 mm |
重量 | 1.049kg~1.055kg |
コメント
VAIO S13は他のVAIO製品と同様に注文時にシステム構成のカスタマイズができます。
CPUはワイドな選択肢があり、下はCeleronから上はCore i7まで、またCoreプロセッサーに関しては全て第12世代(Alder Lake)の省電力タイプ(型番末尾U)です。ただ、このS13にせよ、SX12, SX14にせよ、「Celeronを設定する必要はあるかな?」と思います。VAIOのモバイルノートは10万円を軽く越える価格になっていますので、こういう「格」の製品にCeleronをラインナップしてしまうとPCの知識があまり高くない人に誤解を与えてしまうような気もするんですよね。ウインタブは「Celeron擁護派」ですが、それはあくまで「コストコンシャスな、低価格帯のPCでは」という前提です。
RAMはすべてオンボードで8GBから32GBまで選択できますが、CPUにCeleronやCore i3を選ぶ場合は8GBのみ、Core i5なら8GBか16GB、Core i7なら16GBか32GBと、CPUによる制約があります。なお、すべて「デュアルチャネル」でオンボードなので増設や換装はできません。
SSDはかなり選択の幅が広いです。最低で128GBから最高で2TBまで選べます。また、VAIOのいう「第四世代 ハイスピードSSD」もCore i3モデル以上なら選択できます。
ディスプレイは13.3インチのFHD解像度のみで、タッチ対応もしません。また、入出力ポートは13.3インチノートとしては非常に充実していると思います。USBが合計で4つ、うち2つがThunderbolt 4ですし、HDMIと有線LANポートも装備しています。ただし、SD(microSD)カードリーダーはありません。それと、この製品はオプションでLTEモジュールを搭載可能です。
サイズは「5年前の先代モデル」から小さくなりました。
ニューモデル:305.8 × 215.1 × 14.4-18.4 mm / 1.049kg~1.055kg
先代モデル:320.4 x 216.6 × 15.0~17.9 mm / 1.06 kg
そりゃ、5年前のモデルと比較すれば小さくなって当たり前ではありますけど、(この記事の趣旨ではありませんが)先代モデルもかなり小さめで軽量なサイズ感だったんだなあ、と余計なことを考えてしまいました…。
2.VAIO S13 筐体
前面のベゼルは左右が細く、上部はやや太めです。また、この製品はリフトアップヒンジ構造(ヒンジ開口時に天板後部が底面に潜り込み、キーボード面に適度な角度がつく構造)を採用しているため、ヒンジ開口時は下部ベゼルも非常に細く見えます。
参考までに先代モデルの画像も掲載しておきます。ニューモデルになって横幅がかなり小さくなったこともあり、先代モデルのベゼル幅がかなり太く感じられますね。これって「デザイン」という観点ではかなり大きな影響があることがわかります。
天板です。S13は筐体色に「ブラック」と「シルバー」があり、SXシリーズやVAIO Zに設定されている「ALL BLACK EDITION」はありません。また、筐体素材は不明ですが、MIL規格(MIL-STD-810H)に準拠した品質試験もクリアしており、高い堅牢性を有しています。
キーボードです。「日本語配列(かな文字あり)、キーピッチ約19 mm、キーストローク約1.5 mm」と開示されており、バックライトはありません。VAIOに限らず、日本メーカー製品はキーボード品質に「半端ない作り込み」がなされていて、S13についても「キートップに0.3 mmのくぼみ」とか「キートップにはVAIO専用書体で印字」などの工夫が凝らされています。使いやすさ、という点では全く不安はありません。
側面と入出力ポートの配置です。上にも書きましたが、13.3インチで重さ1キロそこそこのモバイルノートとしては非常に充実した構成です。
3.VAIO S13 価格など
VAIO S13はVAIO STOREおよびソニーストアで販売中(お届け日は7月15日)で、7月6日現在のVAIO STOREでの価格は税込み153,000円から、ソニーストアでは税込み144,800円から、となっています。VAIO製品は一般にソニーストアのほうがVAIOストアよりも若干価格が安くなっていることが多いですが、それぞれのストアでキャンペーンやクーポン割引などが展開されているケースもありますので、購入にあたっては双方のサイトでしっかり試算されることをおすすめします。
SX12、SX14、VAIO Zに加え、このS13と、どれにすべきか悩んでしまいそうですが、価格に関して言えば、ハイエンド構成になるVAIO Zは別格として、SX12やSX14よりはS13のほうが多少お買い得かな、とは思います。あと、「やっぱ13.3インチでなくちゃ!」という人もおられるでしょうね。