Microsoftは2025年10月にセキュリティアップデートの提供を終了するWindows 10に対して「拡張セキュリティ更新プログラム(ESU)」を提供することを発表しました。
1.Windows 10の延長サポート期間は2025年10月13日まで
今回Windows 10向けに提供される拡張セキュリティ更新プログラムは、一般ユーザー向けに提供されている延長サポート期間が終了した製品に有償でセキュリティアップデートを提供するものとなります。
Microsoft製品では、新機能などの追加が提供される「メインストリームサポート」とセキュリティアップデートのみ提供される「延長サポート」が存在します。
いずれも期間はそれぞれ5年間で、製品がリリースされてから10年間はセキュリティの更新とMicrosoftのサポート(電話・オンライン)が提供されます。ただし、パッケージ版Microsoft OfficeではOffice 2019以降延長サポートが廃止されているため、メインストリームサポート(5年間)が終了した時点でセキュリティアップデートの提供も終了となります。
Windows 10のメインストリームサポートは2020年10月13日を持って終了し、延長サポートに移行しています。
Windows Copilotの追加など一部例外はありましたが、2020年6月にリリースされたWindows 10 バージョン2004で新機能の追加を含む更新は終了し、それ以降にリリースされたバージョン21H1/21H2、そしてバージョン22H2の更新は細かなバグ修正にとどまっています。
Windows 10でも、まもなくCopilotが利用可能に!ただし残念ながらサポート期間は延長されず
延長サポートが終了すると、OSの脆弱性が見つかっても修正プログラムは提供されなくなります。2025年10月13日以降、Windows 10搭載PCが使用不能になる、というわけではありませんが、マルウェアに狙われるリスクが高くなるため、ネットワークに接続して利用することは実質不可能となります。
2.延長サポートの終了後も3年間有償でセキュリティアップデートを提供
今回Windows 10に提供されることが発表された「拡張セキュリティ更新(ESU)」は、延長サポート期間が終了した製品に有償でセキュリティアップデートを提供するプログラムです。過去にはWindows XP、Windows 7にも拡張セキュリティ更新が提供されています。
永遠に提供されるわけではありませんが、延長サポート終了から3年間、OSの脆弱性を修正するセキュリティアップデートを受け取ることが可能です。
Windows 7以前は企業ユーザーのみ提供されていましたが、Windows 10においては個人ユーザーでも拡張セキュリティ更新プログラムのサブスクリプション契約が可能になりそうです(下記「関連リンク」の文章末尾に「個人ユーザー向けのESUプログラムも含め、ESUプログラムの今後のアップデートにご期待ください」という記述があります)。
現時点ではまだWindows 10の延長サポートが終了していないので、サブスクリプション料金は発表されていませんが、どうしてもWindows 10を使い続けたいのであれば、拡張セキュリティ更新プログラムの契約を検討しても良いかもしれません。
ライフサイクルに関する FAQ – 拡張セキュリティ更新プログラム:Microsoft(※Windows 10向けESUの情報はまだ掲載されていません)
3.まとめ
拡張セキュリティ更新プログラムは、もともと「最新OSでは動作しないソフトウェアがある」「現行OSに対応するPCへの入れ替えに時間がかかるから、もう少し猶予が欲しい」という理由で、現行OSに乗り換えられない企業ユーザー向けに提供されていましたが、Windows 10では個人ユーザーにも提供されるという、これまでと異なる対応になることが予想されます。
ただし、延長サポート期間が終了する2025年10月以降、これから登場する新機能や最新ハードウェアには対応出来なくなりますし、ソフトウェア面でも2025年10月以降、Windows 10をサポート対象とするものが増えることが予想されるため、拡張セキュリティ更新プログラムを契約するのではなく、早めに現行OSに対応するPCへ乗り換えることをお勧めします。
4.関連リンク
Windows 10 サポート終了とWindows 11 ESUの予定について:Microsoft