こんにちは、ウインタブ(@WTab8)です。MVNO(Mobile Virtual Network Operator、仮想移動体通信事業者=ドコモなど大手通信事業者の回線を借りて、それを再販している事業者で、いわゆる「格安SIM」)が急速に普及していることもあり、タブレットにSIMを挿して使いたい、というニーズも高まっていると思います。通信品質に不安があるとはいえ、月々1,000円を切るような料金で利用できてしまいますし。そこで、今回改めて「SIMフリーのWindowsタブレット」を探してみました。今日びはSIMフリーと言っても「LTE対応」が基本だと思いますので、LTE対応モデルに絞っています。3G専用モデルは記事中できるだけ紹介しますけど、ちょっと手がでないかな、というのが正直なところでしょう。
1.なぜか8インチは全然みあたりません
個人的にはサイズが小さいものこそSIMフリーの恩恵があるような気もするのですが、なぜか8インチWindowsタブレットにはほとんどSIMフリーモデルというのが存在しません。DELL Venue 8 ProにSIMフリーモデルが存在しますが、現行モデルは3Gのみの対応となっています。今のところ、8インチでLTEに対応しているモデルは1つだけです。
ヤマダ電機オリジナルモデル「EveryPad Pro」です。製造メーカーはDELLなのでVenue 8 Proによく似ていますが。CPUがAtom Z3735Dとなり、ストレージは64GBと多めです。もちろんヤマダ電機で購入できます。大手家電量販店のオリジナル製品なので、保証関係はしっかりしてます。価格が税抜き54,800円というのがちょっと微妙なところ。
EveryPad Pro:ヤマダ電機
しかし、今後発売が決定しているモデルがあります。
「geanee WDP-083-2G32G-BT」です。この製品は性能面では特に新しいところのない、標準的な8インチタブレットですが、現時点で日本で発売が決定してる製品としては唯一LTEに対応しています。
「DELL Venue 8 Pro 5000」です。上の方にも書きましたが、Venue 8 Proと言っても現行モデルではありません。この製品は11月中旬に北米で発売されるという確度の高い情報があり、LTE対応ということだけでなく、Atom X5(CherryTrail)を搭載したハイスペックモデルです。ただし、2015年9月28日現在では日本での発売は決定していません。多分日本でも買えるようになるとは思うんですけどね。
日本未発売ということでは他にもあります。「HP Pro Tablet 608 G1」です。この製品、6月に発表され、かなりのハイスペック機であることから日本のユーザーの関心が高いのですが、未だに日本発売が決定していません。いろんな意味ですごく気になっているのですが、全然続報がないんですよね。もちろんオプションで4G SIMスロットがつけられます。
こんな感じで、8インチの方は今のところ全然盛り上がりがないです。geaneeのWDP-083-2G32G-BTを皮切りに、Venue 8 Pro、HP Pro Tabletと続いてくれるといいんですけどね。
2.10インチ以上ならかなり選べる状態
9インチ(8.9インチ)サイズについては、テックウインドの「CLIDE 9」がSIMフリー機ですが、こちらも3G専用モデルとなっています。どうなんでしょうね、3Gでもメールの送受信とか比較的軽めのネット接続なら問題ないとは思うのですが、LTEが主流になっている現在、あえて3G専用モデルを自腹で買うことをよしとする人ってあんまりいないんじゃないでしょうか。
さて、10インチ以上のモデルです。結構いろいろ選べます。
まず、外しちゃいけないのがMicrosoftの「Surface 3」でしょう。LTE対応というより、LTEモデルしか選べません。CPUにAtom X7(CherryTrail)を搭載した、Atom機としてはハイエンドに属するモデルで、Surfaceシリーズ独特のデザインも健在です。
Surface 3 (4G LTE):Microsoftストア
DELLの「Venue 10 Pro」です。こちらは現行モデルと、11月に北米で発売される新型のいずれにもLTEモデルが存在します。もちろん新型が気になるところではありますが、現行モデルもビジネス利用には特にスペックが足りないということもないですし、新型のハイエンドモデルは実売価格も上昇すると思われるので、今買うと損、みたいなことは言えません。
DELL Venue 10 Pro:Amazon
なにげにかなりお買い得なのがLenovoの「YOGA Tablet 2-1051L」です。モデル末期(Android版ではYOGA Tablet 3が海外で発表されています)ということもあるでしょうし、独特なデザインが敬遠されてしまっているのかもしれませんが、LTEモデルが実売価格4万円前後になっています。この製品、デビューから日が経ってはいますが、CPUはAtom Z3745という、同価格帯の製品よりもワンランク上のものが使われていますし、ディスプレイ解像度も1,920 × 1,200と水準以上です。なので、どうしても最新型でないとイヤ、ということでないのなら、現在の実売価格はかなりお買い得といえます。
Lenovo YOGA Tablet 2 with Windows キーボード付き SIMフリー:Amazon
ASUSのTransBookシリーズにもSIMフリーモデルがあります。「TransBook T100TAL」です。この製品も実売価格が4万円以下まで下がっています。最新型のT100HAがデビューし、モデルとしてやや古くなってしまっているのと、TransBookシリーズとしては若干スペックが低く抑えられているせいもありますが、LTE対応してますし、SIMフリーモデルを探している人にはかなりお買い得と言えます。
ASUS TransBook T100TAL:Amazon
この記事で紹介する製品の最後に「MousePro-P101ATG-AHを挙げておきます。10.1インチの2 in 1で、スペックは標準的ですが、Office付きで税抜45,800円という低価格が魅力の製品です。LTEモジュールがついたモデルは税抜き59,800円となっていますが、マウスコンピューター製の2 in 1は軽量でキーボードのデキがいいので、十分に魅力的だと言えます。また、この製品はイオンモバイルのオリジナル製品「AT-Z37LTE10」にもなっていて、IIJ mioのSIMカードとセット販売されています。イオンモバイルのほうが特に安いとかはないですが、SIMとセットで月々格安な支払いにしたい、という場合には有効ですね。
MousePro P101Aシリーズ:マウスコンピューター
タブレットパソコン AT-Z37LTE10:イオンモバイル
この他、SIMフリーモデルとしては「EPSON Endeavor TN20E」「DELL Venue 11 Pro」などがあります。Venue 11 ProはCPUにCore Mを搭載したハイスペックモデル、TN20EはCPUにCeleron N2807を搭載し、Pro版のOSを選択できる、どちらかというと企業向けの製品となります。
4.終わりに
WindowsタブレットではまだまだSIMフリーモデルは少なく、特に8インチと9インチに関しては非常に寂しいことになっています。MVNOが普及し、かなりの低価格でSIMを持てる様になったこともあり、特に小型タブレットでSIMスロットの需要が高まると思われるので、今後8インチや9インチでSIMフリーモデルが増えて欲しいと思いました。一方10インチ以上のクラスではSIMフリーモデルがかなり増えてきており、4万円を切る低価格なものからハイスペック機までいろいろと選択肢があるという状況になっています。
これから買うならSIMフリーモデルを選ぶ、というのもよい選択だと思います。あとは8インチ、9インチで発売が期待される製品に早く登場してもらいたいところですね。