街中でもよく見かけるようになったスマートウォッチですが、OSにWear OSやwatchOSを採用した製品はもはや「小さなコンピューター」と言えるほど高性能です。スマートウォッチは基本的に母艦となるスマートフォンとペアリングして使うことを前提にしていますが、「LTEモデル」なら単体(母艦スマホなしで)でも様々なことができます。
ただし、LTEモデルのスマートウォッチを使いこなすためには通信契約が必要で、キャリアによっては利用できず、対応機種にも制限があります。そしてこれがLTEスマートウォッチを購入・利用する上でのボトルネックになっていると感じています。
目次
1.スマートウォッチのLTEモデル
国内で販売されているLTE対応スマートウォッチは以下の通りです。なお中国メーカーが販売しているAndroid OS搭載スマートウォッチと専用プランの契約が必須となるキッズ向けスマートウォッチ、「myFirst Fone R1s」は省いています。
・Apple Watch(Series 2以降)
・Galaxy Watch(4以降)
・Pixel Watch
Apple WatchはiOS(もっと言えばmacOS)から派生したwatchOS、Galaxy WatchとPixel WatchはAndroidベースのWear OSを搭載しています。いずれもeSIMモジュールを内蔵し、後述する「ナンバーシェア」オプションを契約することにより単体でLTE通信を行えるようになります。
日本国内ではLTE対応スマートウォッチはかなり限られている印象です。HUAWEIが販売しているHUAWEI Watchシリーズも一部機種ではeSIMモジュールが内蔵されているのですが、残念ながら日本国内では機能が無効化されています。
2.LTE対応スマートウォッチでできること
LTE対応スマートウォッチは母艦スマートフォン(Bluetooth接続)が近くにないとか、Wi-Fiが利用できない環境でも単体でモバイルネットワークに接続できるので
・電話の発信・着信
・SMSの送受信
・ネットワーク接続が必要なアプリの利用(YouTube Music、LINE、Spotifyなど)※アプリによってはLTEネットワークをサポートしていないものもあります。
こんなことができます。スマホなしで外出する場面は少ないかもしれませんが、例えばちょっと近所を散歩する、健康づくりのためにジョギングするなどの場合、必ずしもスマホを持ち出したくはありませんし、スマホを自宅にうっかり置き忘れてしまうようなこともありますよね?
でもLTE対応スマートウォッチならスマホなしで電話の着信・発信やメールの送受信、Google Map/Apple Mapを利用したナビゲーション機能などを利用できます。
3.格安プランで利用できるのはドコモ(ahamo/irumo/eximo)のみ
スマートウォッチでLTE通信を行うには各キャリアが提供している専用オプションに加入する必要があります。いずれも月額料金は500円程度で、母艦スマートフォンの電話番号をスマートウォッチと共有できるようになります。また毎月のデータ使用量はスマートフォン側と共有されます。
各キャリアが提供しているプランと基本料金は以下の通りです。
・ドコモ(ahamo/irumo/eximo含む):ワンナンバーサービス(月額税込み550円)
・au:ナンバーシェア(月額税込み385円)
・ソフトバンク:Apple Watchモバイル通信サービス・ウェアラブルデバイスモバイル通信サービス(月額税込み385円)
※4年間基本料金無料キャンペーン実施中
・楽天モバイル:電話番号シェアサービス(月額税込み550円)
格安プランで利用できるのはドコモが提供している「ahamo/irumo/eximo」のみで、auの「povo 2.0」、ソフトバンクの「LINEMO」では現状オプションが用意されていません。またサブブランドのUQ Mobile、ワイモバイルやmineo、IIJmioといったMVNOでも現状ナンバーシェアサービスは提供されていません。
4.利用できる機種も制限あり
中古購入したスマートウォッチでもアプリから各キャリアから提供されているオプションを契約すれば単体でLTE通信を行えるようになりますが、残念ながらすべての機種がすべてのキャリアで利用できるわけではありません。
Apple Watchは4大キャリアすべてから販売されているため、ドコモが提供する「ahamo/irumo/eximo」含め問題なく利用できます。格安で利用したいのであればahamoか楽天モバイルとの組み合わせがおすすめです。実際にかのあゆも中古購入したApple Watch Series 6 セルラーモデルを楽天モバイルで利用中です。
またGalaxy Watch、Pixel Watchも同様で、Galaxy Watchは取り扱いキャリアがauだけだったため、他キャリアでは利用できなかったのですが、先日発表されたGalaxy Watch6からドコモでの取り扱いが開始され、格安プランのahamo/irumo/eximoでも利用できるようになりました。
Pixel Watchはau、ソフトバンクのみLTE通信オプションを契約可能です(ドコモと楽天モバイルは不可)。前述のとおり格安プランの「povo 2.0」「LINEMO」ではオプションが提供されていないので、どうしても利用したい場合は通信プランそのものを「au、ソフトバンクの格安プランではない通常の契約」に変更する必要があります。
現状格安プランでLTE対応スマートウォッチを使用したい場合、ahamo/irumo/eximoでもワンナンバーサービスに加入できるApple Watch、Galaxy Watch6に限定されることになります。
なお旧モデルの「Galaxy Watch4 LTE」はドコモ公式サイト内で公開されているワンナンバーサービス対応機種リストに掲載されていないため、残念ながら利用できない可能性が高そうです。
5.まとめ
単体でLTE通信を行えるスマートウォッチなら、できることが広がります。スマートフォンを自宅や会社に置き忘れた場合でもスマートウォッチ単体で通話・着信できますし、Apple MusicやSpotify、YouTube Premiumといったストリーミング配信サービスも楽しめるので、ランニングなどで持ち物を最小限に抑えたい場面でも重宝するでしょう。
しかし、残念ながら通信費を抑えながら利用したい場合、選択肢がGalaxy Watch6とApple Watchに限定されるのは残念です。そもそも日本国内ではLTE対応スマートウォッチの選択肢がApple Watch、Galaxy Watch、Pixel Watchの3機種のみでもありますし、もうすこし機種とキャリアプランの選択肢が増えてくれれば…と感じています。
6.関連リンク
ワンナンバーサービス:ドコモ
ナンバーシェア:au
Apple Watch モバイル通信サービス:ソフトバンク
ウェアラブルデバイスモバイル通信サービス:ソフトバンク
電話番号シェアサービス:楽天モバイル
コメント
LTEでイヤホン内蔵型とかあれば、子機というかほぼ手ぶらで出かけたい時は便利そうですね。
ファーウェイかサムスンがやってくれるといいのですが。