こんにちは、ウインタブ(@WTab8)です。先日実機レビュー記事を掲載したMSIの薄型軽量ゲーミングノート「Stealth 15M B12U」ですが、MSIのご好意で少し長めにお借りできました。そこで今回は、以前から試してみようと思いつつ、実行に移すことができていなかった、「ゲーミングPCをモバイルで使う」というのを試してみることにしました。
1.バッグの中身
読者の皆さんと大して変わらないと思いますが、私はノートPCを入れることのできるバッグをいくつか持っています。今回はモバイルノートよりも大柄のゲーミングノートを入れるので、「上のいずれか」がよかろう、と思いました。まず、バックパック(リュックサック)は「MSI Urban Raider Backpack」という大型のもので、以前MSIのゲーミングノート「GP65 Leopard」を購入した際に、ノベルティとして「パソコンショップ アーク」でもらったものです。ちなみにこのバッグ、MSIのご協力で読者プレゼント企画に使わせてもらったこともあります。
このバックパックだと容量は十分すぎるくらいですし、内部が厚いクッションで覆われていますので、ゲーミングPCを持ち運ぶのに全く不安はありません。しかし、サイズが非常に大きいので、ビジネスマンが街なかで使うにはちょっと目立ってしまいます。
ビジネスマンがさり気なく持つバッグ、ということだと、ショルダーバッグのほうがいいでしょうね。ということで、14インチ用のPCバッグを使うことにしました。
ん?待てよ…、今回使うゲーミングノートは15.6インチのはず…。14インチ用で大丈夫なのか?
ここで「キラリと光る」のがStealth 15M B12Uの「サイズ」です。ハイスペックマシンながらタテ・ヨコサイズはゲーミングノートとしてはコンパクト、重量も1.8kgに抑えられています。…いやね、実はこのサイズ感だからこそ今回の企画を実行に移そうと思ったんですけどね…。
詳しくはMSI Stealth 15M B12U(型番:Stealth-15M-B12UE-012JP)の実機レビュー記事をご参照ください。
MSI Stealth 15M B12Uの実機レビュー - Alder Lake-P搭載のゲーミングノート、パワフルにして薄型・軽量!
バッグの中身です。Stealth 15M B12U本体のほか、純正(付属品)のACアダプターと電源ケーブル、マウス(ロジクール MX Anywhere 3)、イヤホン(Shokz OpenRun Pro)、Wi-Fiルーターを用意しました。
これら全て、手持ちの14インチ用バッグに収まりました。Stealth 15M B12Uだけでなく、最近の15.6インチノートはタテ・ヨコサイズがどんどん小さく、薄型になってきているので、比較的新しい製品であれば「意外に小さめのバッグでも大丈夫」だと思います。
ただし、ゲーミングノートを、ということだとStealth 15Mはちょっと特殊で、厚さが17 mmとかなりの薄型であることと、付属のACアダプターが薄型の形状である、というのが大きいです。ただ、これはあくまで「私の手持ちのバッグにちょうど収まった」ということで、14インチ用のPCバッグならどれでも必ずStealth 15M B12Uが入る、というわけではありませんので、この点ご了承下さい。
手持ちのPCバッグは、そこまで厚みはありませんが、一応マチがあり、上記の持ち物すべてを収納しても、まだ「書類くらいなら結構入る。でも弁当箱は無理」くらいの余裕がありました。
PCと周辺機器を全て収めたあとの重量は3.3 kgでした。Stealth 15M B12U本体の重さは1.8 kgなんですが、必要なものを全て揃えるとそれなりの重さになります。特にゲーミングノートの場合、ACアダプターがかなり「場所を食うし重い」です。PC本体+ACアダプターの重さ、ということだと、Stealth 15M B12Uでも一般的な13.3インチモバイルノートよりも1キロくらいは重くなりますし、「普通のゲーミングノート」なら2キロ近く重くなるかもしれません。
…うーん、3.3キロかあ、しかしまあ、これでお出かけしてみるか…。
2.八王子へ
今回の目的地は「八王子駅周辺」です。私、八王子市民なんですけど、八王子駅周辺は生活圏ではなく、都心に出る際の通り道でもありませんし、言葉は悪いですけど「八王子駅に行くくらいなら、新宿に出るほうがいいや」という感じです(もちろん新宿のほうが自宅からは遠いですけどね)。
自宅から八王子駅までは、「最寄り駅まで徒歩15分 - 電車約6分 - 乗り換え - 電車約11分」という道のりです。単純に合算すると32分ですが、電車待ちとか乗り換えの時間も考慮すると約45分くらいでしょうか。サラリーマンの平均通勤時間は片道39分、往復1時間19分で、最も平均通勤時間が長いのは神奈川県で往復1時間45分、最も短いのは大分県で往復57分とのことです(出所:総務省統計局)。個人的には「東京近辺だと片道だいたい1時間くらい、という人が多いのでは?」と思っていたのですが、それよりは少し短いようですね。今回試してみた「自宅から八王子駅まで約45分」というのは割と妥当な移動時間と言えそうです。
ただし、通勤ラッシュ時間を避けて電車に乗りましたので、「空席があっても座らない。網棚にバッグを置くこともせず、ずっと立っている」ようにしました。
3.3 kgの荷物を持って45分間移動するのがどのくらい苦痛なのか、というのは人それぞれだと思いますので、あくまで私の個人的感想としてお読みください。「PCバッグを肩掛けしていると辛い。たすき掛けすれば、ちょっと重いけれど我慢はできる。でも毎日これは嫌だなあ。」という感じでした。つまり、この状態で毎日電車通勤するのはしんどいが、明確な目的があってこの重さのバッグを持って出かけるのであれば、たまには問題ないだろう、ということです。私はサラリーマンを辞めてからもう7年くらい経ちますが、最近は「ビジネスリュック」という用語もあるように、バックパック型のものを使っているビジネスマンをよく見かけます。3キロ以上の荷物を持ち歩くなら、リュックにするとかなり楽なんじゃないでしょうか。
それと、この後書きますが、その3.3 kgのバッグを持ったまま、八王子駅周辺を散策(15分程度)していますので、「しんどいと言っても、所詮その程度」ではありますw
ということで、久しぶりに八王子駅まで来ましたので、「ユーロード」を少し歩いてみて、ついでに昼食を取ろうかな、と思いました。
ここねー、私好きなんですよ。昔ながらのラーメンを食べさせてくれる老舗「竹の家」。「いかにも」な店構えですよね!しかし「いや今日はトラディショナルな八王子ラーメンの気分(竹の家さんは東京の中華そば、という感じなんです)」ということで、もう少し歩いてみました。
ということで、「びんびん亭」にて昼食。八王子ラーメンではしばしば名前が上がるお店です。
頼んだのはチャーシュー麺とライス。八王子ラーメンは刻みタマネギが入っているのが特徴です。見た目はあっさりしていますが、結構アブラも効いていて、タマネギが油っこさを消してくれます。ご当地ラーメンとしてはイマイチメジャーではないし、八王子近辺以外だとお店も少ないですが、おすすめです。八王子にお越しの際はぜひ!
3.カフェで使う
お昼ごはんも食べたので、いよいよカフェに。今回はカフェ・ベローチェ八王子店に行きました。このお店「フリーWi-Fi」と「顧客用コンセント」があります(コンセントは一部の客席のみ)。
ゲーミングノートは駆動時間が短めで、Stealth 15M B12Uもその例に漏れません。また、さすがに「カフェでゲームをする」というのは自粛しましたが、GeForceなどの外部GPU(dGPU)を搭載するノートPCの場合、バッテリー駆動だとパフォーマンスが下がってしまいます。なので、ゲーミングノート、というかモバイルノート以外のPCを出先で使う場合は「コンセントが使えるかどうか」というのはかなり大きなポイントとなります。その点、今回は「安心」でした。
大手チェーンの場合、公式サイトのショップ案内にコンセント有無が記載されているケースもありますので、事前に確認しておくといいかもしれません。
ちなみにこれはドトールの店舗案内ページです。赤枠で囲んだ部分にコンセントのアイコンがあるのがわかると思います。私が確認したところ、ドトールとカフェ・ベローチェにはコンセント有無の案内があり、サンマルクやスターバックスにはありませんでした。まあ、スタバはマカーに任せておけばいいかと(ウソです)。
では、仕事をしましょう。なお、カフェでPC作業をする際は、「コーヒー一杯で5時間」とか「面積が狭く、満員に近い状態の店舗でじっくり腰を据えてPCを使う」とかは控えたいものです。今回は店舗面積がかなり広く、客席も3分の1程度しか埋まっていないのを確認した上で、1時間半ほど滞在させてもらいました。まあ、常識的に使わせてもらえば問題ないと思います。それと、店舗側で「ゲーミング用」を謳っていない、普通のカフェではオンラインゲームは控えるほうが無難でしょうね。私も当初「XBOXコントローラーも持っていこうかな」と思いましたが、やめておきました。
まあでも、「常識」って必要ですよね。カフェは図書館ではないので、知人と普通に談笑したり、世間話をするのには全く問題はないというか、そもそもカフェってそういう場所のはずですが、当日「ものすごく大きな声で会話をしている地元のおじさん達」がいまして、ちょっと気が散りました。あと、カフェでPCを使っている人は珍しくもありませんが、「キーボードを強打する」人もたまにいます。私これが一番イラッとするんですよね。こういう人はPCのキーボードが静音タイプであろうと意味ないです。「あんたの隣でメカニカルキーボード、しかも青軸のやつを使ってやろうか?」と言いたくなりますw
さて、わざわざゲーミングノートを持ち出してみた感想ですが、「重いバッグで頑張った甲斐があった」と思います。
ディスプレイサイズが大きいので、視認性がいい
これはゲーミングノートに限った話ではありません。15.6インチというのは一般的なモバイルノートよりも一回り画面サイズが大きいので、当然そのぶん視認性が上がります。私は視力が低いので、この点だけでも大歓迎でした。
挙動がものすごく軽快。PC負荷の高い作業もラクラク
今回は「ゲーミングノートを電源接続して使う」環境になりましたので、(実際には試していませんが)非常に凝ったパワポ(PowerPoint)資料の作成や動画編集も余裕でこなせたはずです。というか、Stealth 15M B12UはほとんどのデスクトップPCよりもパフォーマンスが高いので、一部の特殊な業務を別とすれば、仕事用として性能不足を感じることはまずないでしょう。
ビジネスマンの場合、ゲーミングノートであれば職場でハイスペックマシンを使っている場合でも、作業の続きを何の不安もなくカフェで続行できる、ということだと思います。もちろん「メールの作成や送受信しかやらない」とか「Webアプリを操作するだけ」という人ならCeleron機やChromebookでも問題ないでしょうけど。
キーボードが使いやすい
ゲーミングノートの実機レビュー記事でちょくちょく書いていることですが、実はゲーミングノートのキーボードは「ゲーム以外の用途でも優秀」です。製品特性上、一般的なノートPCのキーボードよりもはるかに頑丈に作られていますので、タイピングしてもキーボード面がたわんだりしません。これは「打鍵感のよさ」に大きく寄与します。また、頑丈さの副産物だと思いますが、概して「静音」です。いかつい外観のゲーミングノートのキーボードが静音、というのもちょっと笑えるかもしれませんが、経験上、メカニカルキーボードを搭載している一部のゲーミングノートを除けば、ほぼ全機種静音なんですよね。
さらに、多くの場合、バックライトも搭載していますので、薄暗い場所でもキーの視認性は高いです。ゆえに、「ある意味カフェ向き」のキーボードだと思います。
ファン音は気にならない
ゲーミングノートは一般にファンの風量が大きく、したがってファン音も大きいです。これがカフェで他の人の迷惑になるかというと、「まず問題ない」ですね。動画編集など、CPUやGPUの負荷が非常に大きい作業をする場合、当然ファン音も大きくなりますが、一般にカフェではBGMが流れていることが多いので、自宅で感じるよりもファン音は目立ちません。また、高負荷な作業をしないのであればファン音も小さいです。あらゆるカフェで大丈夫、とは言えませんが、常識的にはあまり心配いらないでしょう。
4.まとめ
残念ながらこの記事執筆時点で、今回使用したMSI Stealth 15M B12Uは私の手元を離れ、故郷のMSIジャパンに戻ってしまいました。なのでもう、Stealth 15M B12Uと一緒にカフェに行くことはできません。
ご自宅に大型(15.6インチクラス)でCore i7搭載などの高性能なノートPCやデスクトップPCを持っていて、かつ高性能なモバイルノートも持っている、という人もおられると思いますが、1台のノートPCで全てを賄っている、という人も少なくないと思います。できれば自宅用に納得の行くスペックのノートPCを確保して、それをモバイル用としても使いたい、と考える人もいるでしょう。そうなると、普通は13.3インチとか14インチサイズでIntel Coreを搭載するモバイルノートが候補になると思います。
今回、ゲーミングノートを外に持ち出す、という試みをしましたが、結論として「予想以上によかった」ですね。最大の懸念事項であった「大きくて重いこと」については、やっぱり少し辛かったというのが本音ですが、「思ったほど困難ではなかった」です。駅前を散策しようと思ったくらいですから…。繰り返しになりますが、Stealth 15M B12Uはもう手元にありませんので、次回以降は、もともと所有しているMSI GP65 Leopardを持ち出してみようと思います。というか、出先であっても、じっくり作業をするのであればやはり高性能で大画面のPCのほうが数段快適であることは間違いないです。
あとは「頻度」かな、と思います。営業マンが毎日PCをバッグに入れて持ち歩く、という用途であれば、私もゲーミングノートを常用しようと思いませんが、週に何度か気分転換も兼ねてカフェで作業する、というくらいなら、モバイルノートでなくても大丈夫だと思います。また、作業の快適性が大きく上がりますので、「持ち運びの苦労」も報われますね。