MSIのゲーミングノート、Stealth 15M B12Uの実機レビューです。CPUに第12世代・Alder Lake-PのCore i7-1280Pを、GPUにGeForce RTX3060を搭載する高性能マシンながら、ゲーミングノートとは思えない薄型・軽量な筐体に仕上げられた、とても魅力的な製品です。
特に注目したいのがCPU性能ですね。Akder Lake-Pを搭載するノートPCはまだまだ数が少ないですし、「1280P」という型番はAlder Lake-Pの中でも最も高性能な型番ですしね。実際のパフォーマンスも予想を上回るものでした。
・Alder Lake-PのCore i7-1280Pは予想以上に高性能
・ゲーミングノートとしては薄型・軽量
・ビジネスにも向く、スタイリッシュなデザイン
・高負荷時でも発熱は限定的、ファン音も静か
ここはイマイチ
・キーボードバックライトの配色変更ができない
・有線LAN接続の場合はアダプタやハブが必要
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Stealth 15M B12U:パソコンSHOPアーク
目次
1.Stealth 15M B12U スペック
スペック表
Stealth 15M B12U | |
OS | Windows 11 Home |
CPU | Intel Core i7-1280P |
外部GPU | NVIDIA GeForce RTX3060 Laptop(6GB) |
RAM | 16GB(最大64GB) |
ストレージ | 512GB NVMe SSD |
光学ドライブ | なし |
ディスプレイ | 15.6インチ(1,920 x 1,080)144Hz |
ネットワーク | 802.11 a/b/g/n/ac/ax、Bluetooth 5.2 |
入出力 | USB3.2 Gen2 Type-C(映像出力対応)、USB3.2 Gen2 Type-C、USB3.2 Gen1 × 2、HDMI、オーディオジャック |
カメラ | Webカメラ(92万画素) |
バッテリー | 52 Whr / 4,600 mAh(最大9時間) |
サイズ | 358 × 248 × 17 mm |
重量 | 1.8 kg |
バリエーションモデル
2022年5月12日現在、上記スペック表の単一バリエーションです。
コメント
スペック表記載の通り、CPUは第12世代(Alder Lake)のCore i7-1280Pです。Alder Lakeの末尾「P」の型番(以下、Alder Lake-Pと言います)は、ある意味第12世代から導入された新しい概念のCPUと言え、従来ゲーミングノートに使われていた末尾「H」型番と省電力タイプの末尾「U」型番の中間くらいの特性とされています。またAlder Lake-PのCore i7には「1260P」「1270P」「1280P」がありまして、仕様も異なります。
1280P:14コア(Pコア6/Eコア8)20スレッド、最大4.8GHz
1270P:12コア(Pコア4/Eコア8)16スレッド、最大4.8GHz
1260P:12コア(Pコア4/Eコア8)16スレッド、最大4.7GHz
※型番をクリックするとIntel Arkのページに移動します
残念ながら5月12日現在だと1280PのPassmarkスコアは公表されていませんが、1270Pでもスコア2万点越えになっていましたので、1280Pであれば第11世代のゲーミングノート用CPU(Core i7-11800Hなど)をしのぐ実力があると思われます(この記事でもベンチマークスコアを測定していますので、後ほどご説明します)。
GPUはGeForce RTX3060です。もちろん高性能なものではありますが、ハイエンドクラス(RTX3070/3080など)のGPUではありません。この製品は高い性能と薄型・軽量筐体を両立していますので、RTX3060の搭載になったものと思います。
RAMとストレージは16GB/512GBで、RAMは最大で64GBまで増設可能です(ただし、空きスロットはないので、標準搭載の8GB×2から換装することになります)。またストレージに関しても空きスロットはないので、おそらく換装のみ可能だと思います。なお、MSI製品はユーザーが勝手に筐体を開口すると、その時点でメーカー保証が切れてしまいますので、RAMやSSDの増設・換装をする場合はMSI公認サポート店に相談する必要があります(MSI公認サポート店による作業の場合は保証は切れません)
ディスプレイは15.6インチで解像度は1,920 × 1,080です。最近は解像度1,920 × 1,200といった、アスペクト比(画面の縦横比)16:10の製品が増えていますが、Stealth 15M B12Uに関してはよくある16:9です。ノングレア(非光沢)タイプでリフレッシュレートも144 Hzと、このあたりもゲーミングノートとしては標準的な仕様です。
入出力ポートはちょっと注意が必要で、有線LANポートがありません。筐体サイズとの兼ね合いもあるんでしょうけど、ゲーミングノートなので、ここはちょっと不満が残ります。ただし、無線ではWi-Fi6に対応しています。また、前モデルに装備されていたThunderbolt 4がなくなり、USB 3.2 Gen2 Type-Cとなりました。なので、(どのくらいニーズがあるかはわかりませんが)eGPU(外付けGPU)の接続はできません。
「サイズ」はこの製品の大きなセールスポイントです。横幅を358 mmに抑えており、厚さも17 mm、重量も1.8 kgですから、ゲーミングノートとしてはごく薄型・軽量な部類です。モバイルノートとして毎日バッグに入れて持ち歩くにはちょっと重いですが、ちょくちょく外に持ち出して使うくらいなら十分可能だと思います。
2.Stealth 15M B12U 筐体と使用感
同梱物
同梱物です。取扱説明書や保証書はビニール袋に密封された状態だったので、今回は開封していません。あとはACアダプターと電源ケーブルですね。
ACアダプターは180Wのもので、電源ケーブル込みの実測重量は601 gと、「ゲーミングノート用としてはやや軽め」でしたが、薄型で、出張用のバッグに入れてもかさばりません。
天板と底面
天板です。ゲーミングノートとしてはシンプルなデザインで、凹凸もありません。筐体素材は天板とキーボード面が金属、底面が樹脂製でした。
天板のロゴマークはMSI製品としては「新デザイン」ですね。角度をつけるとうっすらと虹色に見えます。
底面です。繰り返しになりますが、この面だけ樹脂製です。ポート類やボタン類はなく、大きな通気口があるのみ。なお、画像右側にテープのようなものが貼られていますが、これは「FACTORY SEAL」と書かれていて、これを剥がすとメーカー保証が切れてしまいます(テープの下にネジがあり、筐体内部にアクセスするためにはこのテープを剥がす必要があります)。
側面
前面です。この面にはポート類やボタン類はありません。中央が少し凹んでいて、ヒンジ開口は容易です。
背面にはやや目立つ通気口があります。
左側面です。画像左からDC-INジャック、USB Type-A、イヤホンジャックがあります。
右側面です。画像左からUSB Type-C × 2、USB Type-A、HDMIです。なお、USB Type-CポートはどちらもUSB PD非対応で、この製品の充電もできません。また、画像左側のType-Cポートのみ映像出力に対応します。
キーボード
キーボードは「Spectrumバックライト内蔵テンキーレス日本語キーボード」と開示されています。Spectrumというのは、この画像の通り、エリアごとに異なるバックライト色を採用している、という意味です。
Spectrumバックライトは一般的なRGBバックライトと異なり、発色を変更することができません。明るさは3段階に調整できますが、「この色のまま」使うことになります。また、バックライト消灯時(下の画像)はキートップの印字がやや暗く、視認性はあまりよくありません。なので、私はレビュー期間中、輝度を最低にして常時バックライトを点灯させていました。
キートップはフラットで、キーピッチは手採寸で約19 mm、キーストロークは標準的な深さでした。
キーボードの使用感
この記事はレビュー機を使って執筆しています。打鍵音は静かですね。大きめのキー(EnterキーやSpaceキーなど)を強めに打鍵するとバシャッという音はしますが、アルファベットキーの打鍵音は小さめです。これ、「ゲーミングノートあるある」なのですが、キーボード面が頑丈に作られている(≒たてつけがいい)せいで、音も静かですし、強く打鍵してもたわんだりしません。これにより、キーボードの使用感はとても気持ちのいいものになっています。この製品に限らず、実はゲーミングノートのキーボードは文書作成でも非常に快適に使えることが多いです。
配列に関しては、右側のENTERキー付近にクセがあります。特に右SHIFTキーと方向キー左側のキーが小さくなっています。さらに、この製品は「Fnキーが右側にしかない」んですよね。
実は私、MSI製のゲーミングノートを所有していて、この配列には慣れていますので、それほど苦労はしていません。しかし、初めてMSIのゲーミングノートを使う人には、特に右ShiftキーとFnキーのサイズに慣れるまで、少し苦労する可能性はありますね。
ディスプレイ
ディスプレイは15.6インチのFHD解像度で、下部ベゼルはやや太めですが、上部と左右のベゼルは細めになっています。視野角は広く、角度をつけて見ても白っぽくなりませんので、ほぼ確実にIPS相当の液晶が使われていると思います。また、ノングレアタイプなので、映り込みもあまり気になりません。
ディスプレイの使用感
この製品のディスプレイはリフレッシュレートが144 Hzあり、個人的にはゲームプレイ時にも不満のない描画速度になっていると思います。ただし、最近だと240 Hzとか300 Hzといった超高速なディスプレイを搭載するゲーミングノートが増えていますので、腕のいいFPSゲーマーだと、それらの製品との差を感じるかもしれません。ちなみに私の視力(あるいは年齢)だと144 Hzと240 Hzの差は認識できません。
発色ですが、全体的にやや淡く感じられます。ハイビスカスとかひまわりの画像を表示させて手持ちのディスプレイ(デスクトップPC用で95%DCI-P3の高品質なもの)と比較すると、原色がややくすんで見えます。もちろん単体で使うぶんにはほとんど不満は感じないと思いますが、グレアタイプの高品質なモニターをサブディスプレイにして使う場合などは少し気になるかもしれません。
筐体その他
Stealth 15Mはヒンジが180度開口します。ゲームプレイ時にはあまり恩恵がないかもしれませんが、ビジネスミーティングの際などには向かい側に座っている人との画面の共有がしやすくなります。また、キーボードのボタン1つで画面が反転できるようになっています。
スピーカーの使用感
PCの内蔵スピーカーとしては高品質であると思います。
MSI製品ではおなじみの音響アプリ「Nahimic」がプリインストールされていて、これをオンにするだけで音質が大きく改善します。特に低音が強化され、元気のいい音を聴かせてくれます。ゲームプレイにせよ、作業中のBGMにせよ、十分満足できる音質だと思います。
バッテリー駆動時間
Stealth 15Mは外部GPUを搭載するゲーミングノートですから、バッテリー駆動時間についてケチをつけるのもどうかとは思います。しかし、せっかくの薄型軽量筐体ですし、「非ゲーミング時」にどのくらいのバッテリー駆動時間になるかをチェックしてみました。
MSIのゲーミングPCには「MSI Center」という設定アプリがインストールされています。このアプリはかなり多機能なのですが、多機能な中に「ユーザーシナリオ」というものがあり、パフォーマンスとバッテリー持ちのバランスを調整することができます。今回のレビューではベンチマークテスト時に「究極のパフォーマンス」、それ以外の作業時に「スーパーバッテリー」を選択しました。なので、これからご説明するバッテリー駆動時間のテストではユーザーシナリオを「スーパーバッテリー」にしています。
ただし、スーパーバッテリー設定だとキーボードバックライトがオフになってしまうのですが、テスト中は「キーボードバックライトをオン(最低の明るさ)、ディスプレイ輝度を50%(十分作業可能な明るさです)、音量を40%」にしています。
ブラウザー上で文書作成をしながら、YouTubeで音楽鑑賞をしたり、Webで調べ物をしたり、といった使い方で「1時間に約40%」のバッテリー消費でした。さらにディスプレイを暗くして作業することもできるとは思いますが、おおむね「3時間弱でバッテリー切れ」と考えておくといいと思います。
ただし、GeForceが動き出すような使い方(オンラインゲーム)だとバッテリー駆動時間は一気に短くなりますし、そもそもバッテリー駆動だと十分なパフォーマンスが出ませんので、ゲームプレイ時は電源接続必須、と考えておくほうがいいです。また、バッテリー駆動時間に関しては個体差もあると思いますし、製品コンディションによっても左右されますので、今回の結果は参考程度とお考え下さい。
3.Stealth 15M 性能テスト
ベンチマークテスト
真っ先に気になるのがAlder Lake-Pの性能ですよね。なので、まずはCPU性能を測定するCINEBENCH R23のスコアから。
参考:
ASUS ROG Strix SCAR 17 G733ZX(Core i9-12900H):1,916、19,344
ASUS ROG Zephyrus M16(Core i9-12900H):1,891、17,881
MSI Katana GF66 12U(Core i7-12700H):1,800、15,593
ASUS ROG Strix G15 G513RW(Ryzen 9 6900HX):1,580、14,830
MSI GP66 Leopard 11U(Core i7-11800H):1,491、12,210
dynabook MZ/HS(Core i7-1165G7):1,477、5,526
MSI Bravo 15 B5(Ryzen 7 5800H):1,422、11,241
Lenovo Legion 560(Ryzen 7 5800H):1,348、11,419
※左からシングルコア、マルチコアのスコア
参考データのうち、上の4つは第12世代(Alder Lake-H)もしくはRyzen 6000番台(高TDPタイプ)で、下の4つは第11世代(Tiger Lake)もしくはRyzen 5000番台のスコアです。Alder Lake-HとRyzen 6000番台については、全て「型番末尾H」の高TDPタイプなので、Alder Lake-Pでも少々分が悪いです。しかし、第11世代のCore i7-11800H、およびZen3アーキテクチャのRyzen 7 5800Hとの比較ではシングルコア、マルチコアとも上回っています。Alder Lake-Pの性能の高さがうかがえる結果となりました。ゲーミングノートに搭載されるにふさわしい実力があると思います。
次に、表計算ソフトやビデオチャット、画像加工など、実際のビジネスシーンをシミュレートしたテスト、PC Markのスコアです。どちらかというとビジネス系のPCの性能測定で重視すべきベンチマークテストと言えます。また、このテストではCPU性能の影響が大きいとされますが、テスト内容にグラフィック系のシミュレーションも含むため、外部GPUの性能も少なからず影響します。
参考(ハイスペックゲーミングノート):
ASUS ROG Strix SCAR 17 G733ZX(Core i9-12900H、RTX3080Ti):7,773
ASUS ROG Zephyrus M16(Core i9-12900H、GeForce RTX3070Ti):7,720
MSI Katana GF66 12U(Core i7-12700H、RTX3070Ti):7,417
Lenovo Legion 760(Ryzen 9 5900HX、RTX3080):7,129
MSI GP66 Leopard 11U(Core i7-1800H、RTX3080):7,054
GIGABYTE A7(Ryzen 9 5900HX、RTX3070):6,827
ASUS TUF Gaming A17 FA706QR(Ryzen 7 5800H、RTX3070):6,744
ASUS ROG FLOW X13(Ryzen9 5900HS、RTX3080):6,544
Lenovo Legion 560(Ryzen 7 5800H、RTX3060):6,488
HP OMEN X 2S 15(i9-9880H、RTX2080 Max-Q):6,447
ASUS TUF Dash F15(i7-11370H、RTX3070):6,225
Lenovo Legion Y740(17)(Core i7-9750H、RTX2080Max-Q):6,151
MSI GE66 RAIDER(i7-10875H、RTX2070):6,081
ASUS ROG Strix SCAR 15 G532LWS(i9-10980HK、RTX2070SUPER):6,023
MSI Pulse GL66 11U(Core i7-11800H、RTX3060):5,810
参考データの上位に並ぶのは全て外部GPUがGeForce RTX3080とか3070Tiを搭載する製品ですね。残念ながらRTX3060搭載機のデータは2つしかありませんが、Stealth 15MはRTX3060搭載ながらRTX3070搭載モデルと互角のスコアになっているのがわかります。
グラフィック性能を測定する3D Markのスコアです。ゲーミングノートではこのテストが最も重要になる、と言えます。経験上、このテストは「外部GPUの型番に応じて、非常に素直なスコアが出る」ことが多いです。
参考(ハイスペックゲーミングノート):
ASUS ROG Strix SCAR 17 G733ZX(Core i9-12900H、RTX3080Ti):12,849、28,768、7,999
Lenovo Legion 760(Ryzen 9 5900HX、RTX3080):12,070、26,488、7,622
MSI GP66 Leopard 11U(Core i7-11800H、RTX3080):11,730、24,606、7,513
ASUS ROG FLOW X13(Ryzen9 5900HS、RTX3080):10,698、19,394、7,346
MSI Katana GF66 12U(Core i7-12700H、RTX3070Ti):10,516、23,619、6,589
GIGABYTE A7(Ryzen 9 5900HX、RTX3070):10,393、23,177、6,394
MSI GS66 Stealth(i9-10980HK、RTX3080):9,276、20,063、5,873
ASUS TUF Gaming A17 FA706QR(Ryzen 7 5800H、RTX3070):8,981、21,434、5,488
ASUS ROG Strix SCAR 15(i9-10980HK、RTX2070SUPER):8,435、20,017、5,049
Lenovo Legion 560(Ryzen 7 5800H、RTX3060):8,273、18,927、-
Lenovo Legion 750i(Core i7-10750H、RTX2080SUPER Max-Q):8,156、18,070、-
ASUS TUF Dash F15(i7-11370H、RTX3070):7,767、17,671、5,136
MSI Pulse GL66 11U(Core i7-11800H、RTX3060):6,974、15,408、4,088
HP ENVY 15(i9-10885H、RTX2060 Max-Q):5,597、13,382、3,150
※左からTime Spy、FireStrike、Port Royalのスコア
ここでもRTX3060搭載機としてはかなり良好なスコアをマークしました。RTX3070搭載機に肉薄するというか、一部のRTX3070搭載機を上回っていますし、RTX3060を搭載するMSI Pulse GL66よりも高いスコアになっています。ただし、Legion 560には若干負けてますね。
続いて、個別のゲームとなりますが、ファイナルファンタジー15(FF15)のベンチマークテストです。このテストも概ね外部GPUの型番に素直な結果が出ることが多いです。
参考(ハイスペックゲーミングノート):
ASUS ROG Strix SCAR 17 G733ZX(Core i9-12900H、RTX3080Ti):11,839
MSI GP66 Leopard 11U(Core i7-11800H、RTX3080):11,658
Lenovo Legion 760(Ryzen 9 5900HX、RTX3080):10,966
ASUS ROG FLOW X13(Ryzen9 5900HS、RTX3080): 10,371
MSI Katana GF66 12U(Core i7-12700H、RTX3070Ti):9,451
GIGABYTE A7(Ryzen 9 5900HX、RTX3070):9,063
MSI GS66 Stealth(i9-10980HK、RTX3080): 9,004
ASUS ROG Strix SCAR 15(i9-10980HK、RTX2070SUPER):8,946
ASUS TUF Gaming A17 FA706QR(Ryzen 7 5800H、RTX3070):8,879
Lenovo Legion 750i(i7-10750H、RTX2080SUPER Max-Q):8,431
MSI GE66 RAIDER(i7-10875H、RTX2070):8,230
MSI GP75 Leopard(i7-10750H、RTX2070):7,995
ASUS TUF Dash F15(i7-11370H、RTX3070):7,869
ドスパラ GALLERIA GCR2070RNF(i7-9750H、RTX2070):7,440
MSI Pulse GL66 11U(Core i7-11800H、RTX3060):7,138
スコアのほう、RTX3070搭載機よりも少し低めとなりましたが、RTX3060搭載機としては十分に高いものになっています。なお、今回「参考データ」として掲載している製品はほとんどが「GeForce RTX3060よりも上位のGPUを搭載するハイエンドクラスのゲーミングノート」です。そのため、Stealth 15Mのスコアが低めに見えてしまいますが、実際にはそんなことはありません。記事中で触れている通り、「GeForce RTX3060搭載のゲーミングノート」としてはトップクラスの性能と言えます。
最後に、SSDの読み書き速度を測定するCrystal Disk Markのスコアです。このスコアはPCIe ×4接続のものですね。非常に高速です。ゲームプレイはもちろんのこと、それ以外の用途でも速度面の不満はまず出ないでしょう。
発熱とファン音
まず、非ゲーミングの作業環境では発熱やファン音を気にする必要は全くありません。今回のレビューで発熱とファン音を調べるために、3D MarkのTime Spyを8回連続して実施する、というテストをしてみました。初回のスコアが8,088、8回目のスコアが8,018となり、発熱による性能低下は「ほとんど気にならない」と評価します。
テスト中、キーボード面の上部が熱くなりましたが、表面温度は約50度で安定していました。ただし、側面の通気口から熱風(と書くとオーバーですね、ちょっと熱めの風です)が出ますので、人によっては少し不快に感じるかもしれません(ゲームプレイには影響しないと思います)。
次にテスト中のファン音ですが、「だいたい40db台前半」くらいで、ゲーミングノートのファン音としてはかなり小さめです。また音質も「シャー」という感じで、多くの人にとって耳障りなものではないと思います。
4.Stealth 15M レビューまとめ
MSI Stealth 15MはPCショップや家電量販店で販売中で、5月12日現在のパソコンSHOPアーク(MSI公認サポート店)での価格は税込み224,800円です。
現状、Core i7-1280Pを搭載するノートPCで国内販売されているのはこの製品のみだと思います(ウインタブ調べ)。当初、ゲーミングノートであればAlder Lake-Hのほうが普通だよね、と思ったのですが、この製品のベンチマークスコアを見る限り、Alder Lake-Pの性能も十分すぎるくらいに高いと感じました。
筐体品質は「抜群」だと思います。(特にウインタブ読者の場合)ゲーミングノートを購入して「オンラインゲームにしか使わない」という人はむしろ少数派で、多くの人はビジネスや学習、動画視聴など、スタンダードノートとしても使うことになると思いますが、Stealth 15Mは薄型で軽量ですし、キーボードの使用感も非常によく、ヒンジを水平位置まで開口し、ワンタッチで画面を反転できるなど、ゲームだけでなく、ビジネス利用についてもしっかり配慮されていると思います。
なので、(純粋なゲーミングノートとしても十分満足できると思いますが)お仕事用や学習用、また出張のお供にして、夜はオンラインゲーム、などという使い方にも向きます。しかし、薄くて軽いからと言ってパフォーマンスに不足があるはずもなく、出張や旅行にこの製品を持っていってゲームをし、スコアが思わしくない場合でも、「パソコンのせい」にはできませんw
5.関連リンク
Stealth 15M B12U:MSI 製品紹介
Stealth 15M B12U:パソコンSHOPアーク