MSIがクリエイター向けのハイエンドな17.3インチノート「P75 Creator」を発売しました。既存モデルで15.6インチの「P65 Creator」という製品がありますが、P75 Creatorは単にサイズが大きくなっただけでなく、スペック面でも強化されていて、プロ向けと言っていい製品だと思います。
1.スペック
この製品は10月20日現在だと「Web限定」で、オープンしたばかりの「MSIストア」のみで販売されています。また、複数のバリエーションモデルは存在せず、単一スペックです。
OSはPro版、CPUは第9世代(Coffee Lake)のCore i7-9750H、外部GPUはGeForce RTX2070 Max-Qです。この2つだけ見ればゲーミングノートとしてもハイエンドクラスということになりますが、その他の味付けはゲーミングノートとは異なります。
RAMは16GB、ストレージは1TB SSDですが、いずれも拡張の余地があり、MSI指定販売店でのみ増設可能となっています。しかし、「MSIストアでしか購入ができず、MSIストアでは構成のカスタマイズを受けていない」という現状なので、DIYによる増設(空きスロットがあるので可能だと思いますが、メーカー保証が切れてしまいます)か、少し待ってからメーカーに対応を依頼するような格好になると思われます。
ディスプレイはゲーマー仕様ではなく、クリエイター仕様です。17.3インチの4K解像度で「True Color 2.0(ノートPCに搭載された液晶パネルにおいて最高の色精度を実現するユーティリティー)」を搭載しています。詳細な数値面での説明はありませんが、クリエイター向けということで発色や色域は高水準であると思われます。
入出力ポートは「十分すぎる」と感じられます。USBポートは合計で5つあり、うち1つはThunderbolt 3です。さらにHDMIや有線LANポートもありますし、イヤホンジャックはハイレゾ対応もします。ただ、SDカードリーダーがmicro規格なんですけど、カメラマンとかの利用を考えるとフル規格のほうが良かったのでは?と思いますね。
サイズは17.3インチとしてはコンパクトな部類となりますし、厚さも2センチを切る薄型なものになっていますが、いかんせん重量も2キロを余裕で越えてしまいますので、例えばカメラマンが車で移動しながらロケ撮影するとかだと問題ないでしょうが、リュックに入れて電車で移動、という場合はちょっとつらいかもしれないですね。
2.筐体
MSIのクリエイターノートやビジネスノートはいずれもナローベゼルでとてもスタイリッシュです。また、この製品の筐体色は「スペースグレー」という、やや明るいグレー(シルバー)なので、ゲーミングノートとは異なる雰囲気です。
天板です。こちらも落ち着いたデザインになっている、というか、普通のビジネスノートに近いです。ただし、CPUとGPUが高性能なこともあり、通気口はやや目立ちますね。筐体素材はおそらくアルミ合金だと思います。
側面です。これを見ると、ドロップダウン式のヒンジにはなっていないと思われます。
MSIが得意とする冷却系では「Cooler Boost Trinity+」というシステムが使われています。ウインタブでは最近MSIのゲーミングノートを検証機として購入しました(P75 Creatorではありません)が、「めっちゃ冷える」という感想を持っていますので、この製品に関しても冷却性能に不安はないと思います。
10月16日に開催された新製品発表会で写真を撮影してきましたので、それを使ってご説明します。
17.3インチということもあり、テンキーはしっかり装備されています(15.6インチのP65 Creatorにはテンキーはありません)。また、ご覧のようにしっかり日本語配列になっていますが、Enterキー付近やスペースキーのサイズなど、英語配列っぽさを残したレイアウトとも言えます。実用性には問題ないでしょう。右のSHIFTキーのサイズが小さいのと、隣のキーとくっついて配置されている、というあたりはちょっと戸惑うかもしれないですね。
もちろんバックライトも装備されますが、バックライト色はホワイトのみです。
側面とポートの配置です。新製品のポート配置については「USBポートがうまく左右に振り分けられているか」という点を気にしていますが、この製品の場合、右側面に多くのUSBポートがあります。しかし、左側面にも1つUSBポートがありますので、実用性という点ではあまり問題がないと思われます。「サイズの大きい周辺機器はPCの右側に」配置することになるでしょうけどね。
上にも書きましたが、ポートの数と種類に関しては全く不満はありません。
3.価格など
MSI P75 CreatorはMSIストアで販売中で、10月20日現在の価格は289,800円(税込み318,780円)です。RTX2070と4Kディスプレイを搭載する17.3インチノート、ということなので、妥当な価格だと思います。高いか安いかと言われたら「高い」ですけどね。
カメラマンとかYouTuberとか、職業として画像や動画を扱う人、また3D系のクリエイターには素晴らしい製品と言えるでしょう。それと、私自身は全く経験がありませんが、趣味で写真撮影をしていて、RAW現像をする人にも向くと思います。新製品発表会でプロカメラマンの人がプレゼンテーションしてくれたのですが、RAW現像ってシステムスペックも要求されるし、ディスプレイ品質もかなり重要になるようですから。
普通に家庭用とか仕事用(資料作成など)に使うにはオーバースペックだと思いますが、この製品があれば「写真に凝ってみたい」とか「オンラインゲームをしてみたい」とか、様々なことにチャレンジできるかもしれません。
4.関連リンク
P75-9SF-1046JP:MSIストア