MSIは10月16日、都内でイベントを開催し、クリエイター向けノートパソコンを4機種発表しました。また、キヤノンマーケティングジャパン株式会社(以下、キヤノンMJ)との提携を強化し、MSI直販サイトとなる「MSIストア」をオープン、運用を開始します。ウインタブもイベントに参加させていただきましたので、簡単にご報告します。
目次
1.MSIの戦略
MSIは2018年に「GeForce GTXを搭載するノートPC」のジャンルで見事国内販売ナンバーワンに輝いたとのことです。確かに「MSIといえばゲーミングPC」という見方が一般的だと思うのですが、それにしてもナンバーワンというのは快挙だと思います。
以下、MSIが用意してくれたスライドを元に説明します。
ご存知の通り、どちらかと言えば停滞気味のPC市場で快進撃を続けているのがグラボ(グラフィックボード、ウインタブで言う外部GPU)搭載のPCです。グラボ搭載のノートPCの市場は2019年の見通しで300億円、2020年には500億円に到達すると言われています。
この市場を構成しているのが「ゲーミングノート」と「クリエイターノート」です。どちらも高いグラフィック性能が必要で、ゲーマーもクリエイターも以前は「グラボ搭載のデスクトップPC」を使うのが一般的でした。しかし、近年、ノートPCのグラフィック性能も向上し、日本の家屋事情もあって、グラボ搭載のノートPC市場が急拡大しています。
「MSIといえばゲーミングPC」なわけですが、ゲーミングPC(ゲーミングノートPC)市場で確固たる地位を築いた今、次に狙うのは「クリエイター市場」、つまりクリエイターPCのジャンルです。
クリエイターPCの市場を拡大し、製品を拡販することによってゲーミング市場への相乗効果も期待できる、ということですね。
この背景から、MSIは今後クリエイターPCのジャンルも積極的に展開していく、ということです。
2.MSIストアのオープン
MSIが有力な販売代理店であるキヤノンMJと連携し、「ついに」直販サイト「MSIストア」をオープンします。オープン予定は「10月17日13時」で、当初はノートPCに絞った品揃えになるとのことです。ウインタブではMSIのノートPCを何度も実機レビューさせてもらっていましたが、「メーカーから直接お借りしていて、しかも直販サイトがない」状態だったので、PCショップアークにリンクを張らせてもらっていました。別にそれが悪いというわけでもなく、ウインタブが検証用に購入したMSIのゲーミングノートもPCショップアークで購入したのですが、今後はMSIストアにもリンクすればいいのかな、と思っております。
また、読者の皆さんも、どこで購入するかは人それぞれで、もっと言うと通販ではなく最寄りのPCショップで購入する人もいるだろうと思いますが、今後はMSIストアをチェックすれば購入がしやすくなるかもしれませんね。
あと、「激安大好きウインタブ」としてうれしいのが「アウトレットコーナー」が設置されることです。どんな製品が販売されるのかは私にもわかりませんが、17日13時にはアウトレットコーナーをチェックしてみたいと思います。
また、4Kディスプレイを搭載するMSIストア限定モデルもラインナップされるとのこと。クリエイターの人はこちらにも注目です。
3.クリエイターPCのニューモデル
これまで、「イマイチわかりにくい」と感じていたMSIのクリエイターPCの製品ブランド展開ですが、今後は「Creator」「Prestige」「Modern」の3種類になるとのこと。また、イベント会場で、4つのニューモデルが発表されました。
P75 Creator
Prestige 15
Prestige 14
Modern 14
10月16日現在だと、まだ製品ページができていませんので、イベント会場で撮影した画像を一枚だけつけて簡単にご案内します(後日個別に製品紹介記事を掲載します)。
P75 Creatorは17.3インチの4Kディスプレイを搭載し、CPUは第10世代(Comet Lake)のCore i7-10710Uを、GPUにはGeForce RTX2070 Max-Qです。Core i7-10710Uというのは同じComet LakeのCore i7-10510U(こちらは各社のニューモデルによく使われています)とは異なり、「6コア12スレッド」です。実力のほどは(ウインタブ的には)未知数ですが、Coffee LakeのCore i7-9750Hと同じコア/スレッド構成になっていますので、パフォーマンスの方にも期待はできると思います。この製品は「ハイエンド・クリエイターノート」と言えますね。
Prestige 14と15もP75 Creatorと同様、CPUにはCore i7-10710Uを搭載します。GPUはGeForce GTX1650 Max-Qですね。ともにゲーミング用としても使えるスペックだと思いますし、特に14インチのほうは筐体サイズがコンパクトで、重量もわずか1.29 kgなので、ある意味待望の「モバイルできるゲーミングノート」と言えるかもしれません。ただし、MSI的には「クリエイターノート」なんですけどね。
Modern 14は外部GPUを搭載しないビジネスノートで、CPUも第10世代ながら、他社製品に使われているCore i7-10510Uとなります。なんか上の3つと比べてしまうと見劣りするように感じられますが、ビジネスノートとしては十分な性能になっていると思いますし、サイズもコンパクト、重量も14インチながら1.19 kgに抑えられています。そして価格のほうもかなり低めで、110,000円前後となっています。セールになると10万円切りも期待できるかもしれません(セールがあるのかはわかりません…)。
3.SunSisterも来てました!
イベントにはプロゲーミングチーム「SunSister」の方々もゲスト参加され、PUBGのデモプレイを見せてくれました。ちなみにこの画像の左端のイケメンがMSI躍進の立役者、リッキーMSIジャパン社長です。
また、イベントではプロの鉄道カメラマン、村上 悠太氏がRAW現像におけるハイスペックノートPCの必要性を、YouTuberのばんのけ氏が動画編集におけるハイスペックノートPCの必要性をレクチャーしてくれました。
MSIが今後クリエイターPC市場でどんな活躍を見せてくれるのか、またMSIストアがどんなお店になるのか、とても楽しみですね!