MSIのボータブルゲーミングPC「Claw 8 AI+ A2VM」の実機レビューです。MSIがリリースするポータブルゲーミングPCとしては2世代目に当たるモデルで、CPUにCore Ultraシリーズ2(Lunar Lake)を搭載しており、この「筐体構造にしてCopilot+ PC」でもあります(従来モデルのClaw A1Mもウインタブでレビューしています)。
なお、このレビューはMSIよりレビュー機をお借りして実施しています。
・高いパフォーマンスと長持ちバッテリーを両立
・8インチとちょっと大きめ、リフレッシュレート120Hzのディスプレイ
・ゲーマー目線で細かい設定ができるアプリ、MSI Center M
・周辺機器を接続して高性能ミニPCとして使うのもアリ
ここがイマイチ
・仕方ないことだけど、お値段はちょっとお高め
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Claw 8 AI+ A2VM:MSI公式ストア
Claw 8 AI+ A2VM:MSI公式ストア 楽天市場店
1.スペック
スペック表
Claw 8 AI+ A2VM | |
OS | Windows 11 Home |
CPU | Intel Core Ultra 7 258V |
外部GPU | なし |
RAM | 32GB(LPDDR5x, オンパッケージ) |
ストレージ | 1TB SSD(M.2 NVMe) |
光学ドライブ | なし |
ディスプレイ | 8インチ (1,920 x 1,200) 120 Hz, タッチ |
ネットワーク | Wi-Fi 7(11be)、 Bluetooth 5.4 |
入出力 | USB Type-C(Thunderbolt 4)× 2 microSDカードリーダー オーディオジャック |
カメラ | なし |
バッテリー | 80 Whr(動画最大10時間) |
サイズ | 299 x 126 x 24 mm |
重量 | 795 g |
コメント
Claw 8 AI+ A2VMは上記スペック表の単一バリエーションです(4月21日現在)。
冒頭に書いた通り、搭載CPUはCore Ultraシリーズ2(Lunar Lake)のCore Ultra 7 258Vです。実はこれ、ポータブルゲーミングPC(ウインタブの用語では「ゲーミングUMPC」)としては珍しく、競合製品のほとんどはAMD Ryzen搭載です。
ウインタブではこれまでにLunar Lakeを搭載するノートPC(ポータブルゲーミングPCではありません)を数回レビューしており、「パフォーマンスが向上した」「バッテリー駆動時間が改善された」という点を確認済みです。特に後者は大げさでなく「衝撃的」だと捉えており、このレビューではポータブルゲーミングPCの泣き所とも言える「バッテリー持ち」にも注目したいと思っています。
あと、チェックしたいのはディスプレイです。ポータブルゲーミングPCジャンルでは7インチサイズのものが多く、8インチというのは(決して最大サイズというわけではないが)少し大きめです。よって視認性が向上していることが期待される一方で、どうしても筐体のサイズが大きくなりますので、それらによる使用上のメリットやデメリットについても見ていきます。
2.外観
ACアダプター
ACアダプターは小ぶりなサイズで出力は65Wのもの。Claw 8本体のUSB Type-Cポートを使って充電します。ポータブルゲーミングPCはACアダプターを一緒に持ち出す機会が多いはずですが、実測重量は183 gと邪魔にならない重さです。
なお、Claw 8はUSB Type-C(Thunderbolt 4)ポートを使って充電しますので、社外品の急速充電器やモバイルバッテリーでの充電も可能ですが、その場合は65W以上の出力のものを使わないと急速充電ができない場合があります。特にスマホ用の低出力なモバイルバッテリーだと充電すらできない可能性がありますので、社外品を使う場合は出力に注意してください。
スティック・ボタン・ポート構成です。前面のコントローラー部分の配置は一般的なポータブルゲーミングPCと大きくは変わりません。
上面です。筐体は樹脂製ですが、質感は高く安っぽさは感じられません。左右のスティック部分にLEDライトがついており、設定アプリMSI Center Mでイルミネーションの設定が可能です。
また、画像下部左右にスピーカーグリルが見えます。Claw 8はステレオスピーカー搭載です。
ディスプレイは8インチで解像度は1,920 × 1,200、リフレッシュレートは120Hzです。グレア(光沢タイプ)でタッチ対応もします。発色についてメーカーで詳しい開示はしていませんが、輝度は十分に高く、発色も100%sRGBレベルであると評価します。
背面です。左右にM1、M2ボタンがついており、MSI Center Mを使用してユーザーが任意の操作を割り当てることができます(マクロを登録します)。中央にはおなじみのMSI ドラゴン・ロゴ。
上側面です。ポート類はすべて上側面です。左右にRB・RT、LB・LTボタンがあり、画像左から音量ボタン、イヤホンジャック、USB Type-C(Thunderbolt 4)× 2、microSDカードリーダー、電源ボタンがあります。
ポート構成が貧弱(少ない)なポータブルゲーミングPCジャンルですが、Claw 8はThunderbolt 4を2つ装備しているのがうれしいところです。
下側面です。こちらには製品のシリアルナンバー等が書かれたシールが貼られていますが、ポートやボタンはありません。

右側面

左側面
左右の側面です。競合製品と比較して、グリップの形状はやや浅め(薄い)ですが、握った感触が頼りない、ということはありませんでした。
3.設定
MSIのノートPCにはメーカー独自の設定アプリがインストールされています。Claw 8 AI+ A2VMにも「MSI Center M」というアプリがインストールされており、ポータブルゲーミングPC向けの設計(機能)となっています。この画像は左右スティックの周辺のライティングを調整する画面です。
MSI Center Mは非常に優れたアプリですが、ここでは「操作設定」と「パフォーマンスモード」についてご説明します。まず、操作設定ですが、ゲームパッドモードとデスクトップモードの切り替えが可能です。
ゲームパッドモードとデスクトップモードのそれぞれでボタン割り当てを設定できます。ちなみにゲームパッドモードでほとんどのボタンが「設定されていません」と書かれているのは「無割り当て」という意味ではなく「ゲームパッドとしてのデフォルト」が割り当てられているという意味です。このままでも普通にゲームはできます。
この画像は「スティックの感度」ですがトリガーやバイブレーションの感度も調整可能です。
背面のM1、M2ボタンの設定画面です。このようにMSI Center Mでマクロを作成し、それを割り当てるしくみです。また、ショートカット機能も割り当てられます。
特にFPSゲームなど操作系のボタン操作が多いゲームタイトルの場合、これらの調整項目により、ゲームプレイがかなり快適(操作しやすい、スコアが伸びる)になるものと思います。
ちなみに私は主にレースゲームをプレイすることが多く、FPSゲームはあまりプレイしない上、操作はキーボードとマウスを使うため、Claw 8のボタンやスティックでFPSゲームをすることはありませんでした。
次にパフォーマンス設定です。ご覧の通り「AIエンジン(PCに最適化をお任せ)」「耐久性(バッテリー持ちを重視したモード)」そして「手動」を選べます。それぞれのモードについてはこのあとの「性能テスト」のところでご説明します。
いちいちMSI Center Mの画面を呼び出さなくとも、ボタンひとつ(ディスプレイ右横の縦長のボタン2つのうちの下側)で「クイックセッティング」メニューが呼び出せます。ここでパフォーマンスモードの調整やデスクトップモードとゲームパッドモードの切替、フレームレートやバッテリー残量、消費電力をリアルタイム表示できるモニターの表示切替などができます。
4.性能テスト
ベンチマークテスト
MSI Center Mの続きですが、具体的には…
・AIエンジン:システムにお任せ。PC負荷に応じてAIがパフォーマンスを調整してくれるモード
・耐久性:バッテリー持ちを重視したモード
・手動:TDPとファンスピードを手動で設定するモード
の3種類があり、「手動」ではTDPとファン風量の設定も可能です。まずは「AIエンジン」でベンチマークスコアを測定してみました。
表計算ソフトやビデオチャット、画像加工など、実際のビジネスシーンをシミュレートしたテスト、PC Markのスコアです。ビジネス系のPCの性能測定で重視すべきベンチマークテストと言えます。ウインタブが最も重視しているテストではあるのですが、ポータブルゲーミングPCであるClaw 8 AI+ A2VMの場合は「そうでもない」かもしれませんね。
参考(過去データから一部抜粋):
Core Ultra 9 185H:8,099
Ryzen AI 9 365:7,896
Ryzen AI 9 HX 370:7,511
Ryzen 7 8845HS:7,446
Core Ultra 7 258V:7,527
Ryzen 9 PRO 6950H:6,987
Ryzen 7 8840U:6,949
Ryzen 7 PRO 6850H:6,858
Core Ultra 7 155H:6,849
Ryzen 5 8645HS:6,708
Core i9-13900H:6,542
Core Ultra 5 135H:6,485
Core Ultra 7 155U:6,392
Core Ultra 5 125U:6,376
Ryzen 5 7535U:6,021
Core i7-1360P:5,929
Core i5-1340P:5,677
Core i7-1355U:5,452
Core i5-1334U:5,145
Core i7-1255U:4,834
Core i5-1335U:4,775
Core i5-1135G7:4,066
レビュー機の搭載CPUはCore Ultra 7 258Vです。パフォーマンスモードが「AIエンジン」だと過去データと比較して「気持ち低め」かな、という感じです。ただ、そもそもCore Ultra 7 258VはCPU性能が非常に高い型番ですし、7,000点を越えるスコアが出ていますので、決して期待外れという感じではありません。実際Core Ultraシリーズ1の型番を上回るスコアになっていますし。
CPU性能のみを測定するCINEBENCH 2024のスコアです。
参考(過去データから一部抜粋):
Core i7-14700:122、1,177
Core Ultra 7 258V:121、676
Core i9-13900H:117、687
Ryzen AI 9 HX 375:114、1,144
Core Ultra 9 185H:111、910
Ryzen AI 9 HX 370:110、942
Ryzen AI 9 365:109、1,008
Snapdragon X Elite:108、1,038
Ryzen 9 8945HS:108、958
Snapdragon X Plus X1P-42-100:108、754
Ryzen 7 8845HS:106、956
Ryzen 9 7940HS:106、914
Core Ultra 7 155H:105、964
Core Ultra 7 155U:101、533
Ryzen 5 8645HS:98、585
Core Ultra 5 125U:95,533
Core Ultra 5 125H:95、516
Ryzen 9 PRO 6950H:93、774
Ryzen 7 PRO 6850H:91、765
Ryzen 7 5825U:85、590
Ryzen 3 5425U:78、365
※左からシングルコア、マルチコアのスコア
Core Ultra 7 258VのコードネームはLunar Lakeです。Lunar Lakeはハイパースレッディングが廃止された関係でマルチコア性能が少し低くなります。レビュー機のスコアはLunar Lakeの典型とも言えるもので、シングルコア性能はCore Ultraシリーズ1はもちろんのこと、Ryzen AI 300シリーズをも凌ぎますが、マルチコア性能は低めに抑えられています。また、ここもモードが「AIエンジン」であるためか、Core Ultra 7 258Vの過去データよりも若干低いスコアとなりました。
次にグラフィック性能を測定する3D Markのスコアです。
参考(過去データから一部抜粋):
Core Ultra 7 258V:4,397、8,611、35,677
Core Ultra 9 185H:4,143、8,223、31,710
Core Ultra 7 155H:3,924、8,338、24,476
Ryzen AI 9 365:3,895、8,885、34,303
Ryzen AI 9 HX 370:3,800、8,026、31,138
Core Ultra 5 135H:3,454、7,235、24,791
Core Ultra 5 125H:3,392、7,301、23,168
Ryzen 9 7940HS:3,362、7,776、29,076
Ryzen 7 8845HS:3,330、7,908、29,873
Ryzen 7 8840U:2,943、7,206、27,471
Ryzen 9 PRO 6950H:2,846、7,051、27,983
Ryzen 7 PRO 6850H:2,660、6,601、26,920
Ryzen 5 8645HS:2,437、6,253、24,401
Core Ultra 7 155U:2,319、5,162、19,024
Core Ultra 5 125U:2,081、4,826、19,421
Core i9-13900H:1,956、5,440、19,477
Core i7-1360P:1,786、4,991、16,779
Core i7-1355U:1,760、4,859、16,891
Core i5-1334U:1,386、3,672、13,157
Ryzen 5 7530U:1,281、3,137、13,730
Ryzen 7 5825U:1,242、3,226、12,859
Ryzen 3 5425U:1,122、2,848、11,949
※左からTime Spy、Fire Strike、Night Raidのスコア
まず、モード「AIエンジン」でのスコアですが、Time Spyで4,000点オーバー、Fire Strikeで8,500点オーバーと非常に良好な結果ではありますが、やはりCore Ultra 7 258Vの過去データと比較するとわずかに低めです。
次に、モードを「手動」にして、TDPを動かしてみました。TDP30WのときのスコアはCore Ultra 7 258Vの過去データを上回りました。17WだとAIエンジンよりも若干低め、8Wだと一気にスコアがダウンします。
つまり、「バッテリー持ちを無視すればTDP30Wの状態が最高性能」となり、Core Ultra 7 258V本来の実力以上のパフォーマンスが期待できる、ということですね。
SSDの読み書き速度を測定するCrystal Disk Markのスコアです(あまり影響はないと思いますが、モードは「AIエンジン」で測定しました)。PCIe 4.0 ×4接続のSEQ1M Q8T1のReadのスコア(一番左上のもの)だと5,000MB/sで標準くらいなので、それと比較するとやや遅いほうです。ただし、体感的には「これで十分」くらいのスコアではあります。
個別のゲームタイトル「Forza Horizon 5」のベンチマークモードの結果です。このゲームはIntelのCPU/GPUに最適化されていると思われ、決して軽量ではないのですが、Claw 8でも推奨プリセットが「高(上から3番目)」となりました。TDP30Wの設定であればフレームレートも60fps近くは出ます。
「AIエンジン」と「TDP30W」でそれぞれ1時間弱プレイしてみましたが、思ったほどの体感差はなく、8インチディスプレイでプレイするぶんにはどちらも「快適」でした。ただし、「TDP8W」ではダメです。操作感が「めちゃめちゃ重くて鈍い」感じでまともにプレイができませんでした。
バッテリー持ち
ベンチマークスコアだけ見れば「手動モードでTDP30W」が最も高い性能になりますが、ポータブルゲーミングPCの場合は「バッテリー持ち」も非常に重要です。ここでは「手動モードのTDP30W、17W、8Wそれぞれ」で1時間ほどゲームをしてみて、バッテリー消費量をチェックしました。
・TDP30W:1時間で約52%のバッテリー消費(2時間弱)
・AIエンジン:1時間で約30%のバッテリー消費(3時間20分)
・TDP8W:1時間で約16%のバッテリー消費(6時間15分)
※カッコ内は概算のバッテリー駆動時間
実際に使ってみて、TDP30Wにすると「みるみるバッテリーが減っていく」感じ、TDP8Wだと「全然バッテリーが減らない」感じでしたね。ただし、Forza Horizonのところで触れた通り、さすがにTDP8Wだとゲームの挙動はよろしくありません。8WモードではAAAタイトルはもちろん、少し古めのゲームタイトルでも厳しいかもしれません。まあ、レトロゲーム向けかな、と思います。
後述しますが、「AIエンジン」と「TDP30W」ではベンチマークスコアには差が出るものの、実際のゲームプレイ時の体感差はそれほど大きくはなく(ゲームタイトルにもよります)、このジャンルの製品であればバッテリー持ちを優先させてもいいんじゃないか、と思います。その前提でForza Horizon 5クラスのゲームタイトルを3時間以上プレイできるというのは素晴らしいバッテリー持ちだと言えるでしょう。
発熱とファン音
えー、一応画像をつけましたが、特に見て頂く必要はありません。これはCINEBENCH 2024を測定しつつ、HWiNFO64でCPU電力と温度を測定したものです。
発熱や消費電力、ファン音で最も不利と思われる「TDP30W」の状態で測定したところ、
CPUパッケージ温度最大値:87℃
サーマルスロットリング:発生せず
CPUパッケージ電力最大値:38.845W
となりました。ウインタブの経験上、「CINEBENCH 2024の測定時に最もCPU温度が上がる」と考えていますので、TDP30Wの状態でこの結果なのであれば発熱による性能低下(サーマルスロットリングの発生)は心配する必要はないと思います。
また、ゲームプレイ中に上側面の排気口からやや高温の排気がありますが、「熱い」という感じではありませんし、排気口の配置上もゲームプレイに支障は感じません。筐体の外装全体に関してもほとんど発熱は感じませんでした。
それと、ファン音は非常に静かです。全く音がしないというわけではありませんけど、ゲームをしていてほとんど気になりませんでした。そこらへんのモバイルノートよりも静かだと思います。
5.使用感
レビュー期間中に試してみたゲームは「Forza Horizon 5」「Wreckfest」「コナミ・アーケードクラシックス アニバーサリーコレクション」です。それぞれの推奨スペックは下記の通り
Forza Horizon 5:Core i5-8400/GeForce GTX 1070
Wreckfest: Core i5 3.0GHz/GeForce GTX 970
コナミ:Core i3-6300/Geforce GTX 750 Ti
これらはあくまで「推奨スペック」です。Wreckfestは比較的新しいIntel Core(内蔵GPUがIntel Iris Xeのもの)やAMD Ryzenであれば十分プレイでき、コナミ・アーケードクラシックスに関しては「レトロゲームのパッケージ」なので、システムスペックがかなり低くても問題なく動作します(動作可能な最低スペックのPC、というのは検証していません)。
Forza Horizon 5は「グラフィック設定・中」で、Wreckfestも「グラフィック設定・中」で問題なく動作しました。8インチという小さなディスプレイで遊ぶには十分すぎる挙動だったと思います。また、「中画質」であれば「TDP30W」でも「AIエンジン」でも体感差はほとんど感じませんでした。
スティックやボタンの操作感については「少し慣れが必要」でした。
私は「XBOX 360コントローラー」を長年使っています。Claw 8のボタン配置・スティック配置はXBOX 360コントローラーと同じですが、当然サイズは異なりますので、全く同じ操作感とは言えません。また、スティックやトリガーボタンの可動域やストロークも異なり、XBOX 360コントローラーのほうが可動域は大きく、トリガーのストロークも大きいです。
そのため、当初はClaw 8のコントローラー部分が少し頼りないと感じられましたし、Claw 8は「中央にディスプレイがある」ので、サイズの違和感もありました。ディスプレイサイズが8インチと少し大きめであることも違和感を大きくしたと思います。
今回のレビュー機は貸出期間を長めにしていただいたこともあり、「慣れることができた」んですよね。スティックの操作感は「使えば使うほどに馴染む」感じになりました。また、ちょっと気になっていた筐体のサイズ感についても次第に気にならなくなり、むしろ大きめなディスプレイの視認性の良さは大きなメリットだと感じました。
Nintendo Switchのゲームタイトルは「最初から小さなディスプレイに最適化されている」はずなので、視認性に大きな問題はありませんよね?一方でPCゲームはそもそも7インチとか8インチサイズのディスプレイでプレイすることは想定していないはずなので、細かい字が見にくいと感じます(私は視力が悪いので、余計にそう感じます)。
私はこれまでに5.5インチのAYANEO AIRや7インチのROG Allyをレビューしていますが、私の視力だと「さすがに5.5インチだと厳しい、7インチならそれほど苦労しないが、ゲームタイトルによっては文字が見にくいかも」と感じました。しかし、8インチだと「文字が見にくい」とは感じませんでした(ただし、上に画像を掲載したHWiNFOのセンサー画面は厳しかったですw)。
Clawシリーズの2025年モデルには7インチの「Claw 7 AI+ A2VM」もあります。サイズ感的にはClaw 7のほうが使いやすいかもしれませんが、ゲームプレイ時の視認性や臨場感という点では確実にClaw 8のほうが上と考えていいでしょう。
あと、ポータブルゲーミングPCの場合「レトロゲーム」も楽しいですね。この手のゲームはシステムスペックが低くても問題なくプレイできますし、TDP8Wモードならバッテリー切れの心配もいりません(5~6時間は遊べると思います)。
Claw 8は「Copilot+ PC」でもあります。さすがにAI画像生成をするとか動画編集をするとか、あるいはExcelを使うとかだとディスプレイサイズが小さすぎると思いますので、このようにモニターやキーボード、マウスを接続して使うほうがいいですね。つまりClaw 8は「高性能なWindows ミニPC」としても優秀です。
WindowsのポータブルゲーミングPCはAndroid機やNintendo Switchなどに比べて価格が高く、基本10万円以上はします。しかし、Windows PCのフル機能が使え、しかも高性能なので、「ゲーム専用」ということでなく、(お金の面で)もうひと頑張りして周辺機器を揃え、ゲーム用兼仕事用PCとして使うことを想定すれば財布の紐も緩められるかな、という気はします。
6.価格など
MSI Claw 8 AI+ A2VMはMSI公式ストアやビックカメラなどの量販店で販売中で、4月21日現在のMSI公式ストアでの価格は159,800円です。ゲーム機としては決して安価ではありませんが、Lunar Lakeを搭載するCopilot+ PCとしてみればむしろお買い得ですよね。
ウインタブは「ガチゲーマーさん向け」とは言えないサイトなので、上にも書きましたが、「外出先でゲームを楽しみ、自宅ではゲーム用としてだけでなく、高性能なWindowsのミニPCとして仕事やコンテンツクリエーションにも活用する」ような使い方がイメージできるのなら「買い」だと考えます。特にミニPCの購入を検討されている人なら、Claw 8も選択肢に入れていいんじゃないでしょうか。
7.関連リンク
Claw 8 AI+ A2VM:MSI公式ストア
Claw 8 AI+ A2VM:MSI公式ストア 楽天市場店
コメント
モンハンワイルズを試してほしいとは言いませんが、もうちょっと今時の重さがあるゲームを試していただきたいですね。「Forza Horizon 5」は前世代機で動いているゲームですので、今となってはかなり軽量なゲームです。
モンハンワイルズのベンチマークテストはやっています。TDP30Wモードで「ウルトラ画質・5,079(動作困難)」「中画質・6,419(設定変更が必要)」というスコアでした。Claw 8はiGPUでゲームが動作しますのでモンハンワイルズの快適動作に期待する人はいないだろうと思い、記事にしていませんでした。失礼しました。
ありがとうございます。
まともに動かないという情報は助かります。