マウスコンピューターがCPUにデスクトップ用のRyzenを搭載するゲーミングノート「G-Tune E5-D」を発売しました。「G-TuneのE5」というのは復数のモデルがありまして「E5-144」「E5」、そして今回ご紹介する「E5-D」です。それぞれ「全然違う」製品なので、購入の際には注意しましょう。
1.スペック
G-Tune E5-D | |
OS | Windows 10 Home / Pro |
CPU | AMD Ryzen 5 3500 / Ryzen 5 3600 |
外部GPU | NVIDIA GeForce RTX 2060(6GB) |
RAM | 16GB/32GB/64GB(最大64GB) |
ストレージ |
512GB/1TB NVMe SSD (ストレージ2基搭載可能) |
光学ドライブ | なし |
ディスプレイ | 14インチ(1,920 × 1,080)144 Hz |
ネットワーク | 802.11 a/b/g/n/ac/ax、Bluetooth 5.0 |
入出力 | USB3.1 Type-C x1、USB3.1 × 2、USB2.0、HDMI、miniDisplayPort、LAN(RJ45)、イヤホンジャック、マイクジャック、microSDカードリーダー |
カメラ | Webカメラ(100万画素) |
バッテリー | 稼働時間 約1時間 |
サイズ | 361 × 258 × 33(突起部含まず)mm |
重量 | 2.71 kg |
マウスコンピューターはBTOパソコンメーカーなので、注文の際にシステム構成をカスタマイズでできます。E5-Dの場合、主要構成のうちOSのバージョン、CPU、RAM容量、ストレージ容量をカスタマイズ可能です。
CPUはデスクトップ用のRyzen 5 3500もしくはRyzen 5 3600を選択できます。標準で3500、オプションで3600となるのですが、実はこの2つ、結構性能が異なります。
Ryzen 5 3500:12728
Ryzen 5 3600:17845
Ryzen 7 4800H:19386
Core i7-10750H:12720
※8月31日現在のPassmark公表値。数値が大きいほうが高性能
3500、3600ともに非常に高い性能と言えますが、いずれも高性能の範疇ながらスコア差は大きいですね。また、参考までに掲載したノートPC用のRyzen 7 4800HとCore i7-10750Hですが、この2つは現在ゲーミングノートPCでよく使われている型番です。改めて「Ryzen 7 4800Hスゲー!」と思っちゃいますね。
GPUはGeForce RTX2060で、ゲーミングノート用としては中位クラスくらいの型番となります。CPUとGPU性能は十分に高いと言えますね。RAMは標準で16GB、カスタマイズで最大64GBまで増設可能です。また、ストレージは標準で512GB SSD、カスタマイズにより1TBに増量でき、別にもうひとつHDDまたはSSDを追加することもできます。
ディスプレイは15.6インチのFHD解像度で、リフレッシュレートは144 Hzありますので、ジャンルを問わず、なめらかな画面遷移が楽しめると思います。
入出力ポートはゲーミングノートとして十分な数が確保されています。外部映像出力もHDMI、miniDP、そしてUSB Type-Cが対応し、本体内蔵のディスプレイも含め、最大で4画面出力が可能です。それと、通信まわりではWi-Fi6(ax規格)に対応します。
バッテリー稼働時間は「1時間」です。デスクトップ用CPUを搭載していますので、リアルな感じがしますし、またユーザーに誤解を与えない、という点でも好ましい表記と感じます。この製品は「電源接続必須、バッテリーはUPS(無停電電源装置)がわり」と理解すればスッキリしますよね。
サイズは大きいです。タテ・ヨコは15.6インチノートとして割と普通ですが、厚みがすごいのと重量も2.71 kgと、「モバイルノート2台分」です。最近、比較的スリムで軽量なゲーミングノートが増えていますが、これらの製品にしても、「バッテリー稼働だと実力の半分も引き出せない」ので、要は「持ち運びが大変」というだけだと思います。
2.筐体
左右ベゼルは十分に細くなっていますが、下部ベゼルがやや太いのと、キーボード面の分厚さが目を引きます。
天板です。いつものG-Tuneですね。派手な装飾は皆無で、フラットなデザインでG-Tuneのロゴがあるのみです。このアングルから見てもキーボード側の厚みが非常に目立ち、タダモノではない感が漂います。
キーボードです。マウスコンピューターによれば「日本語配列に最適化され、タイピングのしやすさに配慮した新設計のキーボード」とのこと。確かに見た感じだと不自然に大きかったり小さかったりするキーがありません。アルファベットキーのキーピッチは19 mmと十分な余裕があり、キーストロークも約1.8 mmと、ノートPCとしてはやや深めです。テンキーも温存されています。
バックライトはRGB(カラフルなもの)ですが、「1ゾーン設定対応」という記載がありましたので、個々のキーのバックライト色を自由に変更できるようなフレキシブルなものではありません。
側面と背面のポート配置です。側面を見ると、やっぱり厚いです。また、映像系ポートは背面に集中しているのがわかります。しかし、USBポートとかmicroSDカードリーダーがすごく可愛い大きさに見えますよね。
3.価格など
マウスG-Tune E5-Dはマウスコンピューター公式サイトで販売中で、9月1日現在の価格は129,800円(税込み142,780円)から、となっています。
デスクトップ用CPUを搭載することにより価格を抑えつつ非常に高いパフォーマンスを実現したノートPCだと思います。RAMやストレージを大容量にすることも容易ですし、ディスプレイのリフレッシュレートも高いので、腕のいいゲーマーも納得できる製品と言えるでしょう。一方で極端に短いバッテリー稼働時間や大きくて重い筐体というのはデメリットと言えます。
まあ、ガジェット好き(パソコン好き)なら、一度手にとってみたい個性派ゲーミングPCではありますよね。