Microsoftが「ARM版Windows」マシン、Surface Pro Xをリニューアルしました。正しくは「リニューアル」ではなくて「モデル追加」なのですが、一番大事な部分が強化されています。
なお、Surface Pro Xについては紹介記事を掲載済みです。詳しくはこちらをご覧ください。この記事では主に追加されたモデルについてご説明します。
Microsoft Surface Pro X - 日本でも発売されたARM版WindowsのSurface、ちょっと大きめサイズでお値段もSurfaceクラス
1.概要
Surface Pro X | |
OS | Windows 10 Home |
CPU | Microsoft SQ1/SQ2 |
RAM | 8GB / 16GB |
ストレージ | 128GB / 256GB / 512GB |
ディスプレイ | 13インチPixelSense(2,880 × 1,920) |
LTEバンド |
B1/2/3/4/5/7/8/12/13/14/19/20/25/26/28 29/30/38/39/40/41/46/66 |
SIM | NanoSIM |
ネットワーク | 802.11 a/b/g/n/ac、Bluetooth 5.0 |
入出力 | USB Type-C × 2、Surface Connect、NanoSIMスロット |
カメラ | イン5MP/アウト10MP |
バッテリー | 稼働時間最大15時間 |
サイズ | 287 × 208 × 7.3 mm |
重量 | 774 g |
OSはWindows 10 Homeです。で、「CPU」が今回のモデル追加のポイントになります。従来モデルはMicrosoftとQualcommが共同開発したSQ1ですが、今度は「SQ2」という新設計のCPUが追加されました。
SQ2についてMicrosoftは「2020年8月31日時点のARMベースの既存PCとの比較に基づき、クラス最高速のプロセッサ」と表明しています。ただ、「ARMベースの既存PC」って、まだめちゃめちゃ少ないような…。ともあれ、既存のSQ1にせよ、新しいSQ2にせよ、ウインタブでは実機レビューさせて頂けるチャンスがなさそうなのが残念です。結局ARM版Windowsの真価(あるいは進化)は使ってみないとなんとも評価できないですよね…。
なお、ご存知の人も多いと思いますが一応。ARM系のCPUは32ビットアプリは動作するものの、64ビットアプリの動作には制約があります。「WOS(Windows On Snapdragon)向けに開発された64ビットアプリは動作するが、既存のWindows OS用に存在している64ビットアプリは動かない」ということです。もちろんMicrosoft Officeは32ビット(64ビット版もありますが、普通は32ビット版ですね)ですし、主要なソフトウェアの多くは動作すると思っていいでしょう。
で、SQ1搭載モデルとSQ2搭載モデルの住み分けですが、下記のとおりになっています。
8GB/128GB:SQ1
8GB/256GB:SQ1
16GB/256GB:SQ1、SQ2
16GB/512GB:SQ2、SQ2
RAM8GBを選択する場合はSQ1のみ、RAM16GBを選択する場合はSQ1とSQ2を選べます。しかも同価格。なので、RAM16GBを選択する際にSQ2にしない理由はない、と言いたいところですが…。
実は筐体色が変わりました。SQ2モデルは「プラチナ(シルバー)」です。
こちらが既存のSQ1モデル。筐体色って重要だとは思いますが、ウインタブ読者なら、仮に「黒が好き」な人でもSQ2モデルにするんじゃないかなあ、とは思いますね。
本体に関して変更点(追加点)はこれだけです。Surface Pro 7よりもちょっと大きなディスプレイもそのままです。
あと、タイプカバー(Surface Pro X用は「キーボード」と表記されています)も変更されました。Surface Pro Xは他のSurfaceシリーズとはディスプレイサイズが異なるので、キーボードも専用のものが用意されています。また、スリムペンがセットになっているものを選べるのもPro Xの特徴と言えます。
今回のモデル追加で、スリムペン付きのキーボードに新色(プラチナ、アイス ブルー、ポピー レッド)が追加されています。従来は「黒い筐体、黒いキーボード」のみでしたが、これで他のSurfaceシリーズと同じようにカラフルなPCライフが送れそうですね。また、スリムペン付きのキーボードは表面にアルカンターラ素材が貼られています。
2.価格など
Microsoft Surface Pro X(SQ2)は10月13日の発売予定ですが、10月5日現在、Microsoftストアでは予約注文を受け付けています。既存のSQ1モデルも含め、価格は下記のとおりです。
8GB/128GB(SQ1):142,780円
8GB/256GB(SQ1):164,780円
16GB/256GB(SQ1/SQ2):204,380円
16GB/512GB(SQ2/SQ2):241,780円
スリムペン付きキーボード:32,560円
キーボード(ブラック):18,040円
※Office Home & Business 2019付属
※すべて税込み価格
※まとめ買いキャンペーンでタイプカバーを20%OFFで購入可
はっきり言ってIntel CPU搭載のWindows PCと比較しても全然安いとは感じられません。なので、価格重視で選ぶ製品とは言えないですね。
そうなるとやはり、「あえてARM版を選ぶだけのメリットがあるのか」ということが気になります。新しいSQ2プロセッサーの採用により、処理性能は格段に向上しているんだろうとは思いますが、「じゃあCore i7搭載のSurface Pro 7よりも速いのか?」と考えるとやはり疑問は残ります。
そういう視点よりも、ARM版による「爆速なスリープ復帰」とか、「スリープ中の通信」とか「長持ちバッテリー」とかの体感効果を知りたいところです。「体感」の部分は実機を試してみないとなんとも言えませんね。機会があれば実機に触れてみたいところです。
3.関連リンク
Surface Pro X:Microsoft
コメント
ARM版WindowsはSurface laptop goみたいな教育向けにスペック落として安価に売っていくのかと思ってたけど別に出しちゃうしマイクロソフトの戦略はよくわかんないのよね。
Arm版Windows10がx64エミュレーションによってx64アプリを動作できるようになりますよ。
11月に「Windows Insider Program」で公開されるようです。
待望のx64バイナリ変換によってWOAは再評価が必要ですね
便利、というか汎用性が全然変わりますし
これによってネイティブアプリが増えれば喜ばしい
同時にx64バイナリ変換はかなり効率悪いのでARMの利点を相殺する諸刃の剣
別アプローチな少電力OSであるWin10Xも控えてるので
MSがやっぱARM切ってlakefild系でいくかみたいな疑念も・・・