Lenovoが15.6インチスタンダードノート「Lenovo V330」を発売しました。ThinkPadでもなくideaPadでもない、「LenovoのLenovoブランド」の製品です。Lenovoブランドの位置づけは「ビジネスに最適なスタンダードノート」ということになっています。ここで言う「スタンダード」というのはモバイルノートとの対比で使われるやや大型のノートPCという意味ではなく、本当に「スタンダード(標準)」という意味で使われていて、要するに、ほどほどのスペックのほどほどのノートPC、と理解すればいいと思います。
また、V330に使われているキャッチフレーズは「シンプルで使いやすいベーシックノートPC」というものですが、私が見た限り、少なくとも「ベーシック」という感じではありません。
1.スペック
Lenovoが公表しているスペック表だと、ここに記載しているものよりももう少しワイドなバリエーション(Core i3モデルなどもありました)なのですが、この記事では6月20日現在購入が可能なモデルのスペックを掲載します。
CPUはCore i5オンリーで、第7世代(Kaby Lake)のCore i5-7200Uと第8世代(Kaby Lake R)のCore i5-8250Uが設定されます。RAMは8GBで固定、ストレージは1TB HDDもしくは256GB SSDとなるのですが、この製品は注文時に構成のカスタマイズが出来ず、CPUにCore i5-7200Uを選ぶ場合、自動的にストレージが1TB HDDとなり、Core i5-8250Uを選ぶ場合は256GB SSDとなります。この他、OSもHome版とPro版が選べますが、全てカスタマイズによる選択ではなく、設定されているモデルの中から好みの構成を選ぶ、レディーメードとなります。
Core i5-7200U搭載モデルだとストレージもHDDになってしまいますので、ウインタブ読者であればほとんどの場合Core i5-8250Uと256GB SSDという組み合わせのものを選ぶだろうと思います。
ディスプレイは15.6インチのFHD解像度ですが、TN液晶となります。ひとことでTN液晶と言っても性能は千差万別で、この製品の場合低性能なものではないと思いますが、IPS液晶と比較してしまうと視野角の狭さは感じるだろうと思います。このあたりはやはりビジネス利用を意識してのコストダウンという雰囲気が感じられます。
入出力ポートはビジネス仕様ですね。USBポートが合計で4つ(うち2つはType-C)、HDMI、D-subという2系統の映像出力ポート、そして有線LANポートを備えます。15.6インチのスタンダードノートとしては充実しているほうだと思います。
2.筐体
筐体のデザインは確かに「シンプルでベーシック」という感じがします。最近になってスタンダードノートにもよく見られる狭ベゼルタイプでなく、特に凝った造形でもありません。サイズを見ても横幅375 mm、厚さ22.3 mmと、特にコンパクトではありませんが、ややスリムでスッキリとしたデザインです。
天板もご覧の通りシンプルです。筐体素材は不明ですが、おそらくプラスティックでしょう。ただ、この製品は「衝撃と振動テスト、ヒンジの開閉耐久性、ファンの信頼性、動作温度、圧力試験」といった厳しい耐久テストをクリアしています。筐体色は「アイアングレー」で、先日紹介した「V730」と同様、ややビジネスよりと言えそうな色になっています。
最近のLenovo製品の多くがそうであるように、この製品もヒンジが180度開口します。
ビジネス利用を意識したセキュリティ対策も施されます。このように前面のWebカメラには物理シャッターがつき、TPM(セキュリティチップ)も内蔵されています。
側面です。豊富な入出力ポートに加え、光学ドライブも装備されます。光学ドライブについては近年使用頻度が激減し、「いらないだろ?」という声も多いですが、いまだに取引先から光学ドライブで資料を渡されたりすることってありますよね…。
3.価格など
Lenovo V330はLenovo直販サイトで販売中で、6月20日現在の価格は税込み69,660円から、となっています。また、記事中でも触れましたが、ウインタブ読者ならこっちにするだろうと思われる「Core i5-8250U/RAM8GB/256GB SSD」という構成のモデルだと税込み79,920円です。ディスプレイがTN液晶とはいえ、これだけの高スペックに豊富な入出力ポート、光学ドライブ、そしてビジネス向けにTPMなどが装備されて7万円台というのはめちゃめちゃ割安感があります。
この製品であれば仕事用、プライベート用で不満なく、そして長く使えるのではないでしょうか?