レノボがMWC2023(@バルセロナ)に合わせて発表した新製品のうち、今回はThinkPad Z13 Gen 2 / Z16 Gen 2をご紹介します。いずれも「Gen 1」は日本国内でも販売されていますので、この「Gen 2」もほぼ間違いなく日本で発売されると思います。
この後ご説明しますが「あれ?めっちゃ変わった?」と思ったのですが、実はそれほど大きくは変わっていません。CPUの世代が新しくなったのと、「かなり目立つ部分」が変わりました…
1.ThinkPad Z13/Z16 Gen 2 概要
スペック表(Z13)
ThinkPad Z13 Gen 2 | |
OS | Windows 11 |
CPU | AMD Ryzen PRO(型番不明) |
GPU | なし |
RAM | 最大64GB(LPDDR5x、オンボード) |
ストレージ | 最大2TB PCIe Gen4 SSD |
光学ドライブ | なし |
ディスプレイ | 13.3インチOLED(2,880 x 1,800)タッチ 13.3インチIPS(1,920 x 1,200)タッチ 13.3インチIPS(1,920 x 1,200) |
ネットワーク | Wi-Fi6E(802.11a/b/g/n/ac/ax)、Bluetooth5.1 |
入出力 | USB4 Type-C、オーディオジャック |
カメラ | Webカメラ(1080p)顔認証対応 |
バッテリー | 51.5Wh |
サイズ | 295 x 200 x 13.99 mm |
重量 | 1.19 kg~ |
スペック表(Z16)
ThinkPad Z16 Gen 2 | |
OS | Windows 11 |
CPU | AMD Ryzen PRO(型番不明) |
GPU | なし |
RAM | 最大64GB(LPDDR5x、オンボード) |
ストレージ | 最大2TB PCIe Gen4 SSD |
光学ドライブ | なし |
ディスプレイ | 16インチOLED(3,840 x 2,400)タッチ 16インチIPS(1,920 x 1,200)タッチ 16インチIPS(1,920 x 1,200) |
ネットワーク | Wi-Fi6E(802.11a/b/g/n/ac/ax)、Bluetooth5.1 |
入出力 | USB4 Type-C × 2、USB3.2 Type-C、SDカードリーダー、オーディオジャック |
カメラ | Webカメラ(1080p)顔認証対応可 |
バッテリー | 72Whr |
サイズ | 355 x 238 x 15.8 mm |
重量 | 1.81 kg~ |
スペック表の注意点
Z13/Z16ともCPUはAMD Ryzenです。従来モデルと同様にIntel版はありません。下にリンクした「Virtual Showcase」でデータシートを入手できますが、この記事では直リンクは控えます。
コメント
CPUは「AMD Ryzen PROの7000番台で、内蔵GPUはRadeon 700M」と開示されていますが、正確な型番は不明です。内蔵GPUの型番から、おそらくZen4アーキテクチャのRyzen 7040シリーズだと思われますが、実はZen4のRyzen PROというのはまだ正式にリリースされていないんですよね。なので、型番が開示されないのもある意味当然かと…。
RAMはデュアルチャネルで最大64GBですが「soldered(はんだ付け)」という説明がありましたので、「オンボード」ですね。注文時のカスタマイズで16GBとか32GBも選べると思いますが、購入後の増設や換装はできません。SSDは最大で2TBで、おそらく512GBとか1TBも選べると思います。
ディスプレイはカスタマイズ項目です。で、メーカー公表のデータシートには正確な解像度の記載がなかった(WUXGA、WQXGA、WQUXGAという表記はありました)のですが、おそらく従来モデル(Gen 1)と同じ構成になっているものと思います(上のスペック表では従来モデルと同じ構成にしています)。高精細な有機ELと100%sRGBのIPSパネル、アスペクト比16:10でタッチ対応パネルも選択可能です。
筐体サイズがコンマ数ミリ違ったりもするのですが、従来モデルから基本的に変わっていないと考えていいでしょう。上がZ13、下がZ16ですが、このアングルからだとほとんど変更点が見当たりません。
「すごく変わった」のはZ13の天板デザインです。従来モデルでは「ブラックのヴィーガンレザー天板+ブロンズカラーのエッジ」と「アークティックグレー」の2種類でしたが、ニューモデルでは「アークティックグレー」はそのままで、「Flax Fiber(亜麻)天板+ブロンズカラーのエッジ」となりました。もともと筐体に再生アルミを使ったりプラスティックを使用しない梱包箱など、エコな製品でしたが「さらにエコ」になったということでしょう。
Z16のほうは従来モデルと変わらず「アークティックグレー」のみが設定されます。Z13/Z16とも再生アルミや再生プラスティックを多用しています。それと、ThinkPadシリーズとしては個性的な外観ではありますが、MIL規格(MIL-STD-810H)準拠の堅牢性を備えていますので、「他のThinkPad同様に頑丈」です。
キーボードのデザインは従来モデルから変更がないと思われます。Z16は16インチサイズながらテンキーを装備しておらず、そのかわりキーボード面の両端にスピーカーを搭載しています。
側面と入出力ポートの配置です。ここは従来モデルから全く変わっていません。Z13はLTEモデルの設定があり(上の画像はLTEモデルのもので、右側面のSIMスロットはWi-Fiモデルにはありません)、Z16のみSDカードリーダーを装備しています。…Z13のポート数は「さすがに少ないのでは?」と思いますね。
2.ThinkPad Z13/Z16 Gen 2 価格など
Lenovo ThinkPad Z13 Gen 2はEMEA(ヨーロッパ、中東、アフリカという意味ですが、MWC開催に合わせての発表なので、ヨーロッパと言う理解でいいと思います)で7月に発売予定で、価格は1,649ユーロ(約238,000円)から、Z16 Gen 2はEMEAで8月に発売予定で、価格は2,249ユーロ(約324,800円)からを予定しているとのことです。
Z13/Z16とも日本での発売はほぼ確実と思われ、EMEAからそれほどタイムラグなく発売されると思います。CPUやRAM/SSDの組み合わせにもよりますが、公表されている予定価格を見る限り、従来モデルから結構値上がりするんだなあ、と感じました。この製品の外観は古くからのThinkPadユーザーからは賛否両論ありそうですが、これまでThinkPadシリーズを使ったことのない人、また「エコな人」からは人気が出そうです。
3.関連リンク
Accelerate Digital Transformation in a Hybrid World with Latest Lenovo PC Solutions:Lenovo ニュースリリース(英語)
Lenovo MWC ’23 Virtual Showcase:Lenovo特設サイト
※Virtual ShowcaseでZ13/Z16の製品概要を確認できます