Lenovo ThinkPadには「Aシリーズ」というのがありまして、AシリーズにはAMD製のCPU(APU)が搭載されています。AMDの最新高性能CPUである「Ryzen」は徐々に日本向けのノートPCにも採用され始めていますが、ついにThinkPad AシリーズにもRyzenモデルが登場しました!ビジネスマシンであるThinkPadらしく、ビジネス向けの「Ryzen PRO」が搭載されています。
1.スペック
ThinkPadシリーズの多くがそうであるように、このA485もOS、CPU、RAM、ストレージ、ディスプレイなど、非常に多くの構成をカスタマイズ可能です。個人的には「BTO」を謳うメーカー製品よりもThinkPadのほうが数段カスタマイズ余地が大きいのではないか、と思っています。
OSはHome版もしくはPro版を選べ、CPUは「Ryzen PRO」シリーズの3つの型番を選択可能です。Ryzen PROはビジネス向けのCPUで、セキュリティ機能や安定性(信頼性)、そしてパフォーマンスが向上しているとのことですが、すみません、具体的な新機能については私もよくわかっていません。AMDのWebサイトにある動画を確認してみましたが、具体的に何ができるのか、という言及はありませんでした。
これがAMDの紹介動画です。
動画は英語ですが比較的わかりやすい内容でした。でも結局のところ
「SECURITY」「RELIABILITY」「PERFORMANCE」の3つが強化されている、ということですね。
ちなみに、Passmarkが公表しているベンチマークスコアで「Ryzen 5 2500U」と「Ryzen 5 PRO 2500U」のものがありましたので、ご参考までに掲載します。
Ryzen 5 2500U: 7,599
Ryzen 5 PRO 2500U: 9,259
※7月20日現在のPassmark公表値
あくまで参考データではありますが、ずいぶん高性能化しているような…。
Ryzenの話はこれくらいにして、他のスペックを見てみます。RAMは4GBから32GBまで増設が可能で、ストレージも500GB HDDからSSD + SSDのデュアル構成まで、予算とニーズに合わせて非常に多彩なカスタマイズができます。さらにディスプレイも14インチでHD解像度のTN液晶から、FHD解像度、タッチ対応のIPS液晶まで選択ができます。個人利用ならFHDのIPS液晶がいいと思います。
この製品、基本的に従来モデルの「A475」とほとんど同じ外観なのですが、入出力ポートのみ一部変更になっています。A475は「USB Type-C × 1、USB × 3」という構成なのに対し、A485は「USB Type-C × 2、USB × 2」に変更されています。これはThinkPad用のドッキングステーションがUSB Type-Cポート2つを使って接続する仕組みになっているのに対応します。
サイズのほうは14インチとしてはちょっと大きめかもしれません。正確に言うと大きめなのではなく、「モバイル利用には微妙」ということです。1.65 kgでしょ?モバイル利用不可ではありませんが、ちょっと重いですよね。また、タテヨコサイズも決して大きすぎることはないですが、13.3インチのモバイルノートと比較すると、どうしても「一回り大きい」という感じになってしまいます。
それと、この製品はバッテリーを筐体前部と後部に2つ搭載できるようになっていて、後部のバッテリーは着脱式で注文時に3種類(24Wh/48Wh/72Wh)の容量を選べますので、どのバッテリーにするかによって重量も結構変わるはずです。1.65 kgというのは最小サイズの後部バッテリーを搭載した場合のものです。
2.筐体
これは説明が厳しい…。従来モデルのA475とほとんど見分けがつかない(全くの同寸です)上、そもそもThinkPadシリーズはみんな同じデザインなので、A485ならでは、というところを探すのが厳しいところ…。特に天板側から見るとThinkPadユーザーだって型番を見抜くのは無理だろうと思います。
ただ、言い換えればビジネスマシンとして「一定の完成度」のあるデザインだということになるでしょう。当然ですが、筐体の堅牢性は抜群です。
キーボードです。14インチサイズなので、テンキーはありません。また、この画像を見るとパームレスト部分がやや狭く感じられると思います。ThinkPadのキーボードはキートップのサイズにせよキーピッチ(上下左右)にせよ、フルサイズになっていますので、打鍵も非常にしやすくなります。
また、トレードマークのトラックポイント(赤デベソ)もありますね。というかこれがなければThinkPadじゃないんで…。この画像では右端に指紋センサーが見えますが、これはカスタマイズで装備可能です。
ちょっと変化のあった側面のポート構成です。上にも書きましたがこの製品は従来モデルのA475と全くの同寸なので、基本的に同一筐体だと言えますが、ポートの構成は変わっています。あと、細かい話ですが、DC-INの形状も変わっていますね。筐体の厚みは19.95 mmということなので、モバイルノートとして考えた場合、やや厚いです。
3.価格など
Lenovo ThinkPad A485はLenovo直販サイトで販売中で、7月21日現在の価格は税込み88,387円から、となっています(この価格は週末セール価格となります)。ただ、これだとRAM4GBにTNディスプレイ、HDDストレージとなりますので、少しカスタマイズしてみました。「Ryzen 3 Pro/RAM8GB/256GB SSD/FHDディスプレイ」で104,328円となりましたので、週末のセールを利用する場合、個人向けの構成は実質10万円ちょっとくらいから、ということになると思います。だって、個人利用の場合、せっかくのRyzenにHDDとかTNディスプレイって、選ばないですよね?
AMDのRyzenを搭載する製品は各社とも少しずつ増えています。また、まだ発売されていませんが、12.5インチでRyzenを搭載する「A285」も近日中に登場するはずです。従来の「CPUはIntel」という固定概念を早めに払拭しておかなくては、と思います。
4.関連リンク
ThinkPad A485:Lenovo直販サイト