先日Lenovoが発表したChromebook 3モデルのうち、今回は13.3インチコンバーチブル2 in 1「IdeaPad Flex550i Chromebook」をご紹介します。同時発表の「IdeaPad Duet Chromebook(10.1インチデタッチャブル2 in 1)」と「IdeaPad Slim 350i Chromebook(11.6インチクラムシェルノート)」についてはすでに紹介記事を掲載済みなので、こちらをご覧ください。
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Duetは6月10日現在販売中、350iは8月発売予定、そしてこの550iは7月中旬発売予定となっていて、今すぐ買えるのはDuetのみ、ということになりますが、550iに関してもスペックや筐体についてはほぼすべて開示されていますので、事前に調べておいて、じっくり購入検討することができます。
1.スペック
OSはもちろんChromeOSで、Googleが随時システムアップデートをしてくれますので、購入から少なくとも数年間はバージョンアップやセキュリティアップデートの不安はありません。
CPUはCeleron 5205Uと、ウインタブではあまり聞かない型番ですが、開発コードネームがComet Lake、2コア2スレッドのエントリーCPUです。Passmarkのベンチマークスコア公表値は1,451とかなり低く(エントリーノートによく使われているCeleron N4100のスコアは2,529)なっています。スコア算出のサンプル数がわずかに「1」なので、あまり信頼性はありませんけどね。
ChromebookはWindows PCと異なり、低スペックなCPUでもサクサク動きますので、挙動面では心配いらないと思いますが、それでもCore i3とかCore i5のほうが当然快適度が上がりますから、あとは「製品の格」「製品の価格」に見合っているかどうか、という視点で評価することになります。RAMは4GB、ストレージは64GB eMMCと、ChromeOSを動かすには十分な容量ではありますが、ここもやはり価格との兼ね合い、というのがあります。
ここまで、やたらとくどくど「価格との兼ね合い」と書いていますが、この550iは競合製品があります。「HP Chromebook x360 14b」や「ASUS Chromebook Flip C434TA」などで、特にHP x360 14bはディスプレイサイズこそ異なるものの、価格帯が接近しそうなので、購入の際に比較対象になりやすいと思われます。この記事ではあまり他社製品との比較に力を入れませんが、競合があまり思い浮かばないDuetとは少し環境が異なるかな、という気はします。
ディスプレイは13.3インチと、モバイルノートの王道サイズ、IPS液晶で解像度もFHD(1,920 × 1,080)、タッチ対応でスタイラスペンも付属します。ペン入力方式は不明ですが、おそらくUSI(Universal Stylus Initiative、筆圧に対応します)と思われます。
ネットワーク関連ではWi-Fi6(ax規格)に対応します。現代のPCはネットに繋がらないと何もできないと言っていいと思いますし、特にChromebookの場合はそれが顕著なので、高規格のWi-Fiというのは非常に重要だと思います。
サイズのほう、13.3インチなのでモバイルに向きます。重量の1.38 kgというのも、コンバーチブル2 in 1筐体であるということを考慮すれば悪くないでしょう。
2.筐体
正面から見たところです。こうしてみると13.3インチのWindows PCと見分けがつかないくらいです。ベゼル幅も比較的細くなっていますし、IdeaPadシリーズなので、シンプルでクリーンなデザインと言えます。
天板です。ここもIdeaPadそのものというか、シンプルなデザインです。Lenovoのロゴが縁にあるのはおなじみですが、Chromebookのロゴも見えますね。筐体素材は不明です。ただ、金属製じゃないかなあ、とは思います。
ペン入力性能については詳しい情報がありませんが、コンバーチブル2 in 1筐体でスタイラスペンも付属しますので、ペン入力も便利そうです。あとは筆圧など、イラストやマンガの制作に使えるペン品質になっているのか、という点と、Chrome OSで高度な制作に使えるアプリが簡単に見つけられるか、というのが問題になると思います。
キーボードです。さすがにレイアウトは他のIdeaPad(Windows)と同じ、ということはないですが、バックライトもつきますし、13.3インチサイズなのでキーピッチが狭いということもないと思われますので、テキスト入力はしやすいでしょう。
それと、スピーカーの位置が良いですね。これならステレオ感もしっかり出ると思いますし、音質にも期待ができそうです。
側面と入出力ポートの配置です。USBポートは合計で3つ、うち2つがType-Cです。また、Type-Cポートはディスプレイ出力に対応し、DC-INを兼ねます。なので、充電/給電時はUSBポートが1つ塞がるということになります。Windows PCの感覚だとUSBポートがもう1つくらい欲しかったな、というところですね。
3.価格など
Lenovo IdeaPad Flex550i Chromebookは7月中旬の発売予定で、プレスリリースに記載されている販売価格は58,000円(税込み63,800円)です。ただ、レノボ直販サイトでの実売価格(いつもセール価格なので…)については未知数で、個人的にはもう少しくらい安くなるのではないか、と予想しています。
記事中にも触れましたが、価格帯や製品特性が近い製品にHP Chromebook x360 14bがあり、こちらは14インチとやや大型ながら、CPUやRAM容量が550iよりも上です(ただし、Celeron 5205Uについてはまだ確たることが言えません)。で、6月10日現在の価格が50,000円(税込み55,000円)と、550iの公表価格よりも安くなっています。ただし、重量が1.5 kgとやや重く、スタイラスペンも付属しません(USIペン対応ですが、オプション購入の設定もありません)ので、それと考慮すると必ずしも550iのほうが高いとは言えないですね。
Windows PCの目線だと、HPの「CPU性能が高く、RAMも8GB」というのはめちゃめちゃ重要な要素になりますけど、Chromebookの場合、そこよりも筐体のコンパクトさとかペンが同梱されるとかのほうに魅力がある、と言えなくもないので、一概にどっちがいいかは言えないですね。実際550iの直販価格もよくわかってませんし…。刮目して発売日を待ちましょう。