LenovoがAMDの「ノートPC用のRyzen」を搭載するモバイルノート「ideapad 720S」を発表しました。Lenovo直販サイトで2月23日から販売開始されます。ideapad 720Sの従来モデルはIntel Core i5/i7を搭載する上級モバイルノートで、最近になって第8世代のCPU搭載モデルも登場しています。また、アルミ製の筐体はコンパクトかつ軽量、そして価格も同スペックの製品の中では最安値圏にあり、「これで売れないはずはない」くらいの魅力的な製品です。今回「モデル追加」という位置づけになりますが、この720Sに「モバイルRyzen」を搭載したモデルが登場しました!私の知る限り、Ryzenを搭載するノートPCは日本初だと思います。
1.スペック
この製品はCPUにRyzen 5-2500UもしくはRyzen 7-2700Uを搭載します。型番からして「Ryzen 5はCore i5、Ryzen 7はCore i7に相当、型番末尾のUは省電力を意味する」という予想ができますが、内蔵されているGPUが「Radeon Vega 8 / Vega 10」という高性能なものになっています。ウインタブではCPU単品の製品情報をしっかりウォッチしていませんので、読者からの評価が高い「北森瓦版」を参照してみました。
Ryzen 5 2500Uのベンチマーク:北森瓦版
“Raven Ridge”―Ryzen 7 2700Uの3DMark 11スコア北森瓦版
この記事を見ると、3D Markなどグラフィック性能を中心に測定するベンチマークスコアはCore i5やi7をしのぎ、「Core i + GeForce」の組み合わせに匹敵する、あるいはそれ以上のスコアを記録しています。CPU(プラスGPU)の総合性能について言及するのは控えますが、少なくとも「期待してよし」であることは間違いありません。
RAMは8GB、ストレージはRyzen 5搭載モデルが256GB、Ryzen 7搭載モデルが512GBとなりますので、特にRyzen 7のほうはかなり余裕のある構成だと言えます。
ただ、既存の720S(Intel)と比較して「あれ?」と思う点がひとつあります。バッテリー稼働時間です。Core i5/i7(第8世代)を搭載するモデルのバッテリー稼働時間が12時間程度であるのに対し、AMDモデルの方は7時間弱になっています。この点は気にする人が多いかもしれません。
それ以外のスペックは基本的に既存モデルの720Sと同一です。サイズや重量もピッタリ一致しますし、筐体画像を見ても違いが全然わかりませんので、ざっくりいうと「720SのCPUを換装しただけ」という理解でいいと思います。とはいえ、サイズ感は素晴らしく、タテ・ヨコサイズは13.3インチのモバイルノートとしては最小クラス(最小ではありません。最小はDELL XPS 13)ですし、重量の1.14 kgというのも軽量な部類になります。
注:厳密にはIntelモデルとAMDモデルでRAMの仕様やUSBポートの仕様も異なります。
2.筐体
上に書いたとおり、この製品の筐体は既存モデルの720Sと同一だと思います。これは歓迎すべきことだと思います。なぜなら既存モデルの筐体品質やサイズ感が素晴らしいからです。
正面から見ると、このようにベゼルが非常に細く、スリムな筐体になっていることがわかります。
筐体素材はアルミニウム。Lenovoは自社の製品ブランドである「ideapadシリーズ」の筐体デザインを統一イメージに寄せている印象がありますが、この製品もシンプルかつクリーンなデザインで、高級感も感じられるものになっています。
キーボードです。この画像は英語配列ですが、日本向け製品は日本語配列の84キーとなります。バックライトも装備され、指紋センサーもあります。
また、画像はありませんが、この製品は音質への配慮もしっかりなされています。キーボードの画像の左下に「JBL」って書いていますが、スピーカーはJBL製でDolby ATMOSも搭載されています。
この画像は既存モデル(Intel)のものです。AMDモデルと配置は同じですが、USBポートの仕様が異なりますので、デザインや配置の参考としてご覧ください。厚さ13.6 mmなので、かなりスリムに見えます。また、HDMIやD-sub、有線LANポートなどはないものの、USBポートが合計4つと充実しています。でも…、SD(microSD)スロットはありませんね。
3.価格など
Lenovo ideapad 720S(AMD)は2月23日にLenovo直販サイトで販売がスタートする予定です。価格は88,320円(税込み95,385円)から130,515円(税込み140,956円)です。ideapadシリーズはThinkPadシリーズとは異なり、注文時に構成のカスタマイズ余地がありませんので、Ryzen 5モデル(256GB SSD)が88,320円、Ryzen 7モデル(512GB SSD)が130,515円という理解でいいと思います。
あとは、週末クーポンなどの動向をしっかり確認したいところですが、日本初のRyzenノートの価格としては、そして北森瓦版の記事を読んだ印象としては、上記でも決して割高には思えません。むしろ安いですね。さすがにLenovoもこの週末に「いきなり2割引き」とかをしてくるとは考えにくいですしねw
ウインタブはAtomとCeleron、Celeron N3350とN3450、とかの性能比較は多少できますが、IntelとAMDの性能比較はできません。なので、Ryzenノートの実力についてもコメントは控えます。しかし、ガジェットファンとしてこの製品の実力がどのくらいなものなのか、非常に興味があります。また、この製品に限らず、Ryzen搭載パソコンのレビューを早くやってみたいと思います。
コメント
CPU換装だけでは済まなくて、
マザーボードも必ず変わります。
普通は自動的にインターフェイスも変わるものですので、
ここでインテルモデルの側面ポート配置を紹介するのはまずいかと。
AMD大好き人間にとっては選択肢に入る製品になります。
なんてったって、BungBungameのPhoton2がAMDコアだからといって、
買ってしまった人間ですので…。
ただ、Intelの第8世代のideapad 720Sとは随所に違いが見られます。
最初にコメントされた方と同じ方向性のことになりますが、
Type-CコネクタのUSBは3.1がなく2つとも3.0です(Intel版は1つが3.1)。
またメモリもDDR4なのですが、AMD版はPC4-17000、Intel版は19200です。
USBの速度、内部バスクロックの速度に違いがあるので、
ガワはそっくりだけれども全然違う製品ですね。
そこがAMD版での価格が落ちるところになるのではないでしょうか。
とは言っても、「日常的」に使っていて不便を感じるかと言えば、
そうそうないと思います。
また、AMD大好き人間はそこは目をつぶってしまいます。
買ってしまいそう…。
これ大変良さげなんですけど、ベース機的にメモリがシングルチャンネルぽいんですよね。そこが気になってます。
Ryzen mobileは内蔵グラフィックが高性能なのでデュアルチャンネルとシングルチャンネルでは結構差が出るはずなので……。
皆様、コメントありがとうございます。記事を一部修正しました。誤りや誤解を招く表現をしてしまうことのないように注意いたします。今後もウインタブは一般ユーザーが直感的に理解できるような表現を目指して努力していきます。
Officeの有無で別モデルが用意されるらしいので、13万はRYZEN 7+Officeの可能性も?(半分願望
こんにちは、コメントありがとうございます。Ryzen 7はOffice無しで11万5千、Officeつきで13万7千でしたね。。しかもこれ、SSDが512GBあるんで、一般的な高性能モバイルノートとしてかなり安いと思います。
やはりlenovoが早い時期にRaven Ridge機を出してきましたね。
他のかたが指摘しているメモリ周りの事情でこの価格設定なんでしょうね。
メモリ帯域がどれ程足を引っ張るか分かりませんが、コスパは良いと思います。
これこそIntel機が作った市場価格を破壊するかもって話になるわけですが
今までの印象に引きずられて、結局あまり売れないんだろうなーと思ったり
思わなかったり。
個人的には売れてほしいですね。
製品ページで見た限りusb type c がThunderbolt3に対応しているとは書いていなかった気がしますが、対応しているのでしょうか?
>この画像は既存モデル(Intel)のものです。AMDモデルと配置は同じですが、USBポートの仕様が異なりますので、デザインや配置の参考としてご覧ください。
ってことで非対応でしょう。もしかしたら配置も違うかもですが、初稿・改稿のタイミング的にそこはつつきどころでは無いと思います。
13万はやっぱり最上位Officeモデルだった模様。