テックワンが1月30日に都内でイベントを開催し、One-Netbook社のゲーミングPC「ONEXPLAYER X1」とGPU BOX(外付けGPU)の「ONEXGPU」の国内発売を発表しました。当日ウインタブもイベントに参加させていただき、実機に触れることができました。
1.スペックと価格
ONEXPLAYER X1
ONEXPLAYER X1 | |
OS | Windows 11 Home |
CPU | Intel Core Ultra 5 125H/Core Ultra 7 155H |
GPU | なし |
RAM | 16GB/32GB/64GB(LPDDR5X 7,467MHz) |
ストレージ | 1TB/2TB/4TB SSD(M.2 2280 PCIe4.0 ×4) |
ディスプレイ | 10.95インチLTPS(2,560 x 1,600)タッチ、120Hz |
ネットワーク | Wi-Fi 6E、Bluetooth 5.2 |
入出力ポート | USB4 Type-C(フル機能)× 2、USB3.2 Type-A、OCulink、microSDカードリーダー、オーディオジャック |
バッテリー | 65.02WHr |
サイズ | 252 × 163 × 13 mm(タブレット本体のみ) |
重量 | 本体:789 g / コントローラー:125 g |
ONEXGPU
ONEXGPU | |
GPU | AMD Radeon RX 7600M XT |
VRAM | 8GB(GDDR6) |
ストレージ | M.2 PCIe 3.0スロット空き×1 |
入出力ポート | OCuLink、USB4 Type-C(PD100W対応)、USB3.2 Type-A、Display Port2.0 × 2、HDMI2.1 × 2、LAN(RJ45) |
バッテリー | なし(ACアダプタは330W) |
サイズ | 196 × 120 × 32 mm |
重量 | 本体:869 g |
国内版のバリエーションモデルと価格
ONEXPLAYER X1
・Core Ultra 5/16GB/1TB:168,000円(151,200円)
・Core Ultra 7/32GB/1TB:208,000円(187,200円)
・Core Ultra 7/32GB/2TB:218,000円(196,200円)
・Core Ultra 7/32GB/4TB:268,000円(241,200円)
・専用カバーキーボード(英語配列):10,800円※
・専用コントローラー:10,800円※
・専用コントローラーコネクター:7,800円
・専用液晶保護フィルム:1,500円※
・専用ケース:3,300円
・周辺機器特別セット(※印の3点セット):9,680円
※周辺機器特別セットは予約期間中の特別価格
ONEXGPU
・ONEXGPU:113,000円(101,700円)
※カッコ内は予約価格です
2.ONEXPLAYER X1
ONEXPLAYER X1についてはこれまでに何度か製品紹介記事を掲載済みなので、製品概要についてはこちらの記事をご参照ください。
ONEXPLAYER X1 - Core Ultra 7と10.95インチの大型ディスプレイを搭載するWindowsゲーミングハンドヘルド、近日クラウドファンディング開始です!
OneXPlayer X1 - 10.95インチディスプレイのWindowsゲーミングハンドヘルド、詳細スペックと価格が公表されました
ONEXPLAYER X1はスペックも筐体も非常に斬新な製品です。スペック面ではやはり、CPUにCore Ultra 7 155Hを搭載している(Core Ultra 5 125H搭載モデルもあります)という点に注目されますが、それだけではなく
RAMとSSDも高規格で、しかも「大容量」です。当然価格は高くなってしまいますが、RAM64GB、SSD4TBというバリエーションモデルも選択可能です。RAM64GBというと、国内販売されているノートPCではごく一部のハイエンド・ゲーミングノートとハイエンド・クリエイターノートに搭載されているのみですし、4TBのSSDというのもあまり見かけません。
それともちろん「ディスプレイ」も大きな特徴です。10.95インチというのはもはやUMPCとは呼ばない…、というのは置いておいて、従来のゲーミングUMPCのディスプレイサイズが最大でも8.4インチであったことを踏まえると、「超個性的」でもあり「革新的」でもありますね。また、単にサイズが大きいだけではなく、解像度も高く、発色も138%sRGBと素晴らしいものになっています。リフレッシュレートも120Hzです。イベントでは「ゲームだけでなく、クリエイティブワークにもお使いいただける品質」という趣旨の説明もありました。
Core UltraはAI処理用チップ「NPU」を搭載しており、内蔵GPUもこれまでのIntel Iris XeからIntel Arcに改称され、グラフィック性能が大幅に向上しているとされます。この画像は「崩壊:スターレイル」と「スパイダーマン」のフレームレートを説明しているものですが、少なくともこの2つのタイトルについてはストレスなくプレイが楽しめそうです(ただし、両者の「セッティング」は異りますので、ご注意ください)。
また、バッテリー容量も60.25Whと大きく、「TDPを落とせば」最大で3時間以上のゲームプレイが可能とのこと。
展示されていた実機も見てきました。ONEXPLAYER X1の筐体重量は789 gとのことで、タブレットが本体となる製品ですが、さすがに厚みがあり、手で持つとずっしりとした感触です。なので、上の画像にあるように本体にコントローラーを直付けしてゲームをする場合は重さがネックになるかもしれません。
一方で下の画像にあるようにキーボードを接続した際は「小さいけれど堂々たるWindowsのデタッチャブル2 in 1」という風情です。この製品の場合、純然たるゲーミングハンドヘルド、というだけでなく、ビジネスなどでも活躍できる2 in 1 PCという側面も強く、その意味ではかなり好ましいサイズ感だと思います。
キーボードは英語配列のみでキーピッチ17.5 mm、キーストローク約1.5 mmと開示されています。ただ、実機を見た際に「本当にキーピッチ17.5 mmなんですか?」と聞いてしまったくらいにキーピッチが大きめに感じられました。試しにタイピングしてみたところ、やはり「ちょっと狭いわ…」と感じましたので、キートップ(キーキャップ)が小さいためにキーピッチが大きく見えた、ということだと思います。
一般的なノートPCのキーピッチ(一応19 mmが標準とされており、ほとんどの製品で18 mm以上はあります)よりは狭いので、使い始めのうち少し慣れる必要はあると思いますが、実用性十分、と感じました。
それと、背面ですが、ONEXPLAYER X1のキックスタンドは本体内蔵型ではなく「カバー」です。筐体保護の観点だとこの方が好ましいかもしれませんね。
3.ONEXGPU
ONEXGPUも実機が展示されていました。上にスペック表を掲載していますが、サイズは割とコンパクトながら、重量はONEXPLAYER X1本体よりも重かったりします…。また、当日他の方々が気にされていた点として、ACアダプターが「330Wで結構な大きさ」という点です。「ONEXGPUと同じくらいのサイズ」とのことだったので、外出先に持ち出して使うにはちょっとハンデになりそうです(ONEXGPUはバッテリー駆動ができません。またUSB Type-Cポートからの給電は可能ですが、最大100Wでの給電になりますので、搭載GPU「Radeon RX7600M XT」の最大電力120Wは賄えず、性能をフルに発揮できません)。
当然ですがONEXGPUを接続すればグラフィック性能は劇的に向上します。このスライドを見る限り、GeForce RTX3060よりもずっと高いフレームレートが出てますね。
また、ONEXGPUはドッキングステーションとしてもたくさんのポートを備えており、特に映像系では4画面(HDMI×2、DP×2)の出力が可能です。それと、M.2スロットも内蔵しているため、SSDの搭載もできます。
さすがにお値段のほうはONEXPLAYER X1とセット購入する場合でも10万円オーバーと、いいお値段になっています。でも、ONEXPLAYER X1とONEXGPUに外部モニターなどを接続すれば高性能なデスクトップPCとしても使えるわけで、「Windowsタブレット、デタッチャブル2 in 1、ゲーミングデスクトップとして使えるゲーミングハンドヘルド」と、小型デバイスマニアにはたまらない製品になりますね…。
4.まとめ
ONEXPLAYER X1とONEXGPUはテックワンが運営するOne-Netbook日本公式ストア、ハイビーム公式オンラインストア、そしてハイビームの実店舗で予約販売がスタートしています。価格は上にご案内した通りで、出荷開始前(3月末出荷開始予定です)であれば通常価格から10%OFFで購入できます。
また、見逃せないのが「オプション品のセット割」です。予約期間中はキーボードとコントローラー、液晶保護フィルムの3点セットが通常価格の半額以下(60%OFF)、9,680円で購入できます。特にキーボードとコントローラーは「これがないと魅力半減」になってしまうようなオプション品なので、ぜひ手に入れておきたいですよね。
Windowsのゲーミングハンドヘルドとしてだけでなく、ビジネスPC、クリエイターPCとしても多彩な使い方ができる製品なので、高い関心を持たれている方も多いのではないでしょうか。
5.関連リンク
ONEXPLAYER X1:One-Netbook日本公式ストア
ONEXGPU:One-Netbook日本公式ストア
ONEXPLAYER X1:ハイビーム
ONEXGPU:ハイビーム
コメント
11インチともなるとゲーミングUMPCというよりは、コントローラーが装着できるタブレットPCといったほうがしっくりきますね
バッテリー容量と性能の両立を目指すと巨大化するものですが、個人的には8インチ以下のポケッタブルまでがUMPCの範疇だと思います
StrixhaloでゲーミングUMPCのRAMがLPCAMM2を採用してクアッドチャネルになると良いんですが……