こんにちは、ウインタブ(@WTab8)です。少し前からUMPC(超小型モバイルPC)が注目されていて、ウインタブ読者もすでに何かひとつUMPCを持っていたり、「そろそろ購入しようかな」と思っていたりするんだろうと思います。最新モデルだと「GPD Pocket 2」と「One Netbook One Mix 2S」が人気ですが、どっちもCPUがCore m3ということもあってお値段も結構なものになっちゃいましたよね。
今回紹介する「GPD MicroPC」はウインタブでも過去に何度か紹介記事を掲載していて、製品詳細も説明しています。このCPD MicroPCが予定通り2月15日にINDIEGOGOにてクラウドファンディングが開始されました。
この製品は「プロ向け(あるいは現場向け)UMPC」という特徴があり、価格が非常に安い(299ドル、約33,000円)です。個人的にも「この値段なら欲しい」と思えるのですが、その前に少し考えてみたいと思います。
1.基本性能
これがスペック表です。例えば「CPUがCeleron N4100だと物足りない。Core m3にしてほしかった」という声もあるかもしれませんが、この製品の場合、「それはちょっと違う」ように思われます。これから話を進めていくにあたり、GPD Pocket 2やOne Netbook One Mix 2Sとは利用シーンがかなり異なると思いますので…。
その他にも個人利用機としては「足りない」と感じるところも多いでしょう。一方で入出力ポートがやたらと充実しているのが特徴ですね。このあたりのところも見ていきたいと思います。
2.タッチ対応しないディスプレイ
CPUの型番よりもむしろ大きな特徴であり、懸念項目でもあるのが「ディスプレイがタッチパネルではない」ということです。この製品は6インチサイズで解像度は1,280 × 720になっていて、視野角が178度ということなので、IPS相当の液晶品質と言えます。ただこれ、他機種が1,920 × 1,200のタッチディスプレイを採用しているのとは大きく異なります。
まず、ディスプレイ解像度については「これで全然OK」だと思っています。なにせ6インチですし。ただ、タッチパネルを搭載していない、というのはかなり使用感を左右すると思います。まず、本体だけで(外部ディスプレイや外付けキーボード、マウスなどを接続しないで)ゲームをするのは難しいでしょう。また、ゲーム以外でも細かいところのアイコンやリンクテキストなどを選択するのに神経を使いそうです。なので、ブラウザー内のコンテンツ(Webサイトなど)の操作もしやすいとは言えないでしょう。
3.意外によさげなキーボード
タッチ液晶ではない、ということもありまして、キーボード品質が重要になってきますよね?この製品のキーボードは結構特殊なレイアウトになっていて、タッチパッドが(サイズの割に)大型で右上部にあり、クリックボタンが左上部にあります。また、数字キーは2列になっていて、左側に寄せられています。
実用面のキーボード操作はこの通りです。つまり、両手で本体をホールドし、親指でキーを押す格好ですね。7インチサイズのGPD Poclet 2やOne Netbook One Mix 2Sのキーボードの方がサイズが大きいぶん使いやすい、ということになるんでしょうが、個人的には素直にそうは思いません。
6インチにせよ7インチにせよ、小さすぎることは間違いないです。で、いっそこのサイズのキーボードは親指でキーを押す方式のほうが使いやすいと思います。タッチパッドやクリックボタンの位置にせよ、左側に寄せられたテンキーにせよ、「親指でキー操作する」前提での設計だと思いますが、この割り切りはキーボードの使い勝手を大きく改善してくれるでしょう。親指でのキー入力を考えると、7インチよりも6インチのほうが使いやすそうでもあります。というか、使ってみたいですね。
4.豊富な入出力ポート
ここはGPD MicroPCの大きなメリットです。入出力ポートの数は多いに越したことはありません。また、おそらく個人利用では全く使わないであろうシリアルポート(RS-232)まで装備されています。
入出力ポートだけに特化して書かせてもらうと、この製品は「ディスプレイとキーボードの付いたミニPC」と考えることもできますね。ウインタブがおすすめする中華のミニPCのうち、Celeron N4100を搭載する製品の価格は安いものでも200ドルはします。この製品のクラウドファンディング価格は299ドルで、ミニPCよりも(数十ドルくらい)高いですが、高い理由は明らかで、トータルで見ると「ミニPCよりもずっとコスパがいい」と思えるはずです。
なので、極端な見方かもしれませんが、「普段はデスクに置いてミニPCとして使い(主用途)、必要に応じて出先に持ち出す(副用途)」という使い方も想定できます。
5.堅牢な筐体
この製品、見た目はずんぐりしていて、GPD Pocket 2やOne Netbook One Mix 2Sのような「シルバーの金属筐体」でもありません。「耐衝撃性 ABS合成樹脂」製で極めて高い耐久性を誇ります。耐衝撃性ということだと「高さ5mの落下試験を97.63%の確率でクリア」しているとのこと、一般的なノートPCの落下試験は「76cmからの落下」であることが多いので、Windows PCで「5m」というのは驚異的です。
ただ、そのぶん高級感とかは感じられず、そっけないというか無骨なデザインになっているようですね。デザインに関しては好みによって評価がわかれると思いますので、一概にいいとか悪いとかは言えませんが、個人的にはこういうのは好きです。
6.まとめ
GPD MicroPCはINDIEGOGOでクラウドファンディング中で、価格(出資額)は299ドル(およそ33,000円)です。
ここまで、いろいろと理屈をこねてしまいましたが、多分にそれは「どうやって購入する口実をつくるか」という作業にほかなりませんw ここ2年位の間にいろいろとリリースされたUMPCの中ではダントツに安いですし、無骨なデザインも私にとってストライクゾーンです。また、ディスプレイはタッチ対応しないものの、両手の親指を駆使してのテキストライティングも楽しめそうです。もちろんミニPCとしても使えます。
あとは、One Netbook One Mix 2Sが手元にあり、その上でさらにGPD MicroPCまで購入してしまうという暴挙を自分の良心が許すのか、という葛藤だけですね。ウインタブ読者にも私と同じ境遇の人が多いとみた…。
7.関連リンク
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