BlackviewがノートPC「GamiBook 8」を発表しました。Blackviewと言えばタフネス系を中心としたタブレット・スマホのメーカーというイメージがありますが、最近少しずつWindows PCを手掛けるようになっています。このGamiBook 8はCPUに旧世代のRyzenを搭載し、価格を低めに抑えた製品のようです(この記事執筆時点で販売価格が明らかになっていません)。
1. スペック表
項目 | 仕様 |
---|---|
OS | Windows 11 Pro |
CPU | AMD Ryzen 7 7735HS |
RAM | 32GB (DDR5, 4800MHz, 最大64GB) |
ストレージ | 1TB SSD (M.2 2280 PCIe) |
ディスプレイ | 16インチIPS (1,920×1,200) |
無線通信 | Wi-Fi 6、Bluetooth 5.2 |
ポート類 | USB 3.2 Gen1 Type-C (映像出力/PD対応)×2 USB 3.0 Gen1 Type-A×2、USB 2.0 Type-A HDMI2.1、microSDカードリーダー オーディオジャック |
カメラ | Webカメラ (1MP) |
バッテリー | 57Wh |
サイズ | 360.7×243.6×19.1mm |
重量 | 1.8 kg |
2. OS/CPU
OSはWindows 11 Proです。中国メーカーのWindows PCではPro版を搭載するものが多く見られますが、たまに「ボリュームライセンス」が使われている場合があります。ボリュームライセンスとは、本来は法人や教育機関などの組織向けに大量導入を目的として提供されるライセンス形態で、個人向けに販売されたり、個人ユーザーが使用することはMicrosoftの規約に反します。ちなみに、ウインタブで最近レビューしたGMKtecやGEEKOMなどの製品はすべて正規のOEMライセンスで、問題のあるものはありませんでした。Blackviewに関しても問題はないと思いますが、同社のWindows PCをレビューしたことがないため、現時点では断言できません。なお、Windows 11 Homeにはボリュームライセンスという形態は存在しません。
CPUはRyzen 7 7735HSです。
Passmarkが公表しているベンチマークスコアです。比較用として現行型番のRyzen 7 250とRyzen AI 7 350のスコアも載せました。シングルスレッド、マルチスレッド(CPU Markの項目)とも、現行型番に大きく劣っているわけではありません。ただし、「HS型番」なので高負荷時に消費電力が大きくなる懸念があるのと、AI処理チップNPUは非搭載なので、今後NPUを使用するオンデバイスAIが普及すると処理速度が低下したり、動作しなかったりする可能性はあります。
3. RAM/ストレージ/ディスプレイ
RAMは32GBでデュアルチャネル、最大64GBまで搭載可能です。SSDも1TBと大きめの容量で、M.2 2280 PCIeと開示されています。ユーザーが簡単にRAMやSSDを交換できる構造なのかは不明です。
ディスプレイは16インチのIPS液晶で解像度は1,920×1,200(アスペクト比16:10)です。発色品質については特に説明がありませんでした。
4. 筐体
見た感じは「標準的な16インチスタンダードノート」です。筐体色はスペースグレー、筐体素材はアルミでヒンジは水平位置(180°)まで開口します。
キーボードはテンキー付きの英語配列です。ただ、タッチパッドが大型なのはいいんですが、テンキー付きなのであれば少し左にオフセットするほうが使いやすいんじゃないかと…。
そのタッチパッドですが、マルチメディアコントロールもできる多機能なものです。
キーストロークは1.3mm(キーピッチは不明)、バックライトもついています。
側面と入出力ポートの構成です。USBポートは合計で5つもありますが、うち1つは電源ポートも兼ねているようですね。また、画像を見る限り「TFカードスロット」はTF(microSD)ではなくフルサイズのSDカード用なのではないか、という気がします。
この製品は冷却ファンを2つ搭載しており、さらにCPUモードをPerformance、Balanced、Power Saverの3段階に調整できますので、発熱対策は十分に取られていると思います。
5. 価格など
Blackview GamiBook 8はBlackview公式サイトに製品ページがあり、8月4日現在まだ販売が開始されていません。価格も不明です。
価格がわからなければいいとも悪いとも言えませんが、この製品と比較的近い仕様のLenovo IdeaPad Slim 3 Gen 10 (16型 AMD)がRyzen 7 7735HS/RAM16GB/1TB SSDという構成で83,547円で販売されています(8月4日現在)ので、この価格が購入検討の際の基準になるかと思います。
6. 関連リンク
2014年にサイトを開設して以来、ノートPC、ミニPC、タブレットなどの実機レビューを中心に、これまでに1,500本以上のレビュー記事を執筆。企業ではエンドユーザーコンピューティングによる業務改善に長年取り組んできた経験を持ち、ユーザー視点からの製品評価に強みがあります。その経験を活かし、「スペックに振り回されない、実用的な製品選び」を提案しています。専門用語をなるべく使わず、「PCに詳しくない人にもわかりやすい記事」を目指しています。
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