ウインタブでもレビュー経験のある中国メーカー、ACEMAGICの16インチノート「RX16」を紹介します。発売から日の浅い製品で、CPUに旧世代のRyzen 7を搭載し、価格を低く抑えているのが特徴です。また、CPU以外の仕様も優れており、メインのスタンダードノートとしても使える製品だと思います。
1. スペック表
項目 | 仕様 |
---|---|
OS | Windows 11 Pro |
CPU | AMD Ryzen 7 7735HS |
RAM | 16GB (DDR5) |
ストレージ | 512GB (M.2 2280, PCIe 3.0) M.2 2280 スロット空き×1 |
ディスプレイ | 16インチIPS (1,920 × 1,200) 60Hz |
無線通信 | Wi-Fi 6、Bluetooth 5.2 |
ポート類 | USB Type-C (映像、PD対応) USB 3.2 Type-A ×2、USB 2.0 Type-A HDMI、オーディオジャック microSDカードリーダー USB Type-C (充電/給電用) |
カメラ | Webカメラ(1MP) |
バッテリー | 11.55V/4400mAh、51Whr |
サイズ | 357×247.6×19.9mm |
重量 | 2.2 kg |
2. OS/CPU
OSはWindows 11 Proです。先日レビューした15.6インチノート「ACEMAGIC AX15」もWindows 11 Pro搭載でしたが、OEMライセンス (個人利用に支障のないライセンスです)であることを確認しています。
CPUはRyzen 7 7735HSです。2023年リリース、Zen3+アーキテクチャの型番ですが、性能は決して低くはありません。
Passmarkが公表しているベンチマークスコアです。参考としてRyzen 7 8840HS (Hawk Point、2024年)、Ryzen 7 250 (Hawk Point、2025年)、Ryzen AI 7 350 (Krackan Point、2025年)のスコアも載せました。
新しい型番よりも少しスコアが低いですが、それでも十分に高性能であることがわかります。ただし、AI処理チップNPUは内蔵していませんので、AI処理 (特にオンデバイスAI処理)に関しては新しい型番には及びません(7735HS以外の3つはすべてNPUを内蔵しています)。
3. RAM/SSD
RAMは16GB、SSDは512GBです。RAMはDDR5-4800で8GB×2のデュアルチャネル、SSDはM.2 2280 PCIe 3.0で、M.2 2280スロットの空きが1つありますので、増設が可能です。ただし、「これノートPC」なので、SSD増設はそんなに簡単な作業ではないと思われます (底面に増設用のスロット・ハッチがあれば簡単に作業できるんですが、この製品の底面にそれがあるかどうかは不明です)。
4. ディスプレイ
ディスプレイは16インチのIPS液晶、WUXGA (1,920×1,200)解像度です(アスペクト比16:10)。ノングレア (非光沢)タイプでリフレッシュレートは60Hz、色域については開示されていませんでした。
5. 筐体
キーボードです。16インチサイズなのでテンキーがつき、バックライトも搭載しています。このキーボード、英語配列なのですが…

この製品ではなく、以前レビューしたACEMAGIC AX15の画像です
日本語キーボードシートが付属します。これじゃ打鍵感はダメダメだろ!と思いますよね?…なにげに悪くないですw 人によってはこのシートありのほうが気持ちいい、までありえます (AX15のレビューでの個人的感想です)。ただし、ENTERキーなどの「キートップ形状」は英語配列のままなので、少し慣れが必要かもしれません。
ポート配置です。USB 3.2 Type-Aポートについては正確な規格(Gen 1なのかGen 2なのか)が不明です。また、USB Type-Cポートについても正確な規格が不明なのと、2つあるうちの1つが映像出力とUSB PDにも対応しますが、もう1つが電源専用なのか、それともデータ転送にも使えるのかが不明です。現時点では「USB 3.2はGen 1規格 (5Gbps)、USB Type-Cのうちの1つは電源専用」と考えておくと安心でしょう。USBポート以外ではHDMIとmicroSD、イヤホンジャックがついています。
ヒンジは180度まで開口します。
また、外部GPUは搭載していないんですけど、冷却ファンを2基搭載しているというのが面白いです。まあ、ファンの数よりも、このような画像を製品ページに掲載している、という点が冷却面に気を使っていることの証明と言えるかもしれません。
6. 価格など
ACEMAGIC RX16はAmazonで販売中で、9月8日現在の価格は69,216円です(製品ページの30%OFFクーポンを使用した価格)。値頃感のあるスタンダードノートといえばLenovoのIdeaPadシリーズが思い浮かびますよね。IdeaPadシリーズの16インチスタンダードノートでは「Slim 3 Gen 10 (16型 AMD)」というモデルが「Win 11 Home/Ryzen 3 7335U/16GB/512GB/IPS・WUXGAディスプレイ」という構成で69,960円なので、OSのバージョンとCPUの型番を考慮するとRX16が安いです。
中国メーカーの多くは日本国内の販売で「WindowsならミニPC、Androidならタブレット」に力を入れている印象があり、WindowsのノートPCはあまり数が多くありません。ACEMAGICに関してはウインタブでエントリーモデルをレビューしたことがあり、品質は悪くないと思っていますので、低価格で使えるスペックのノートPCを、と考えている人には悪くない選択肢かと思います。
7. 関連リンク
2014年にサイトを開設して以来、ノートPC、ミニPC、タブレットなどの実機レビューを中心に、これまでに1,500本以上のレビュー記事を執筆。企業ではエンドユーザーコンピューティングによる業務改善に長年取り組んできた経験を持ち、ユーザー視点からの製品評価に強みがあります。その経験を活かし、「スペックに振り回されない、実用的な製品選び」を提案しています。専門用語をなるべく使わず、「PCに詳しくない人にもわかりやすい記事」を目指しています。
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