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HP OmniBook Ultra と Xシリーズ比較(2025) - 上位モデル5機種の違い・用途・CPUで選ぶポイントを解説!

HP

HP OmniBook Ultra / Xの上位5機種を比較した特集記事のアイキャッチ画像HPは2024年5月に「新しいネーミング構成を構築」する旨のプレスリリースiconを出しました。これによりHPの個人向けノートPCは従来の「Spectre、Envy、Pavilion」といった名称から「OmniBook」という名称に順次変更されています。まずはHPの新しいネーミング構成を確認してみます。


HPのネーミング構成

HPの新しいネーミング構成。左が個人向け「OmniBook」シリーズ、右が法人向け「EliteBook」シリーズ。

画像左側が個人向けの「OmniBook」ですが、「OmniBook Ultra」「OmniBook X」…「OmniBook 3」と、5つの「シリーズ」にわかれています。この記事では、上位モデルにあたるHP OmniBook UltraシリーズとXシリーズの違いを整理し、用途別におすすめの選び方を解説します。

1. OmniBook Ultra / Xとは?

OmniBook UltraシリーズとOmniBook Xシリーズは、すべてのモデルがCopilot+ PCに対応した上位モデルであり、高性能なプロセッサと先進的な設計が特徴です。

両シリーズには以下のような特徴があります:

  • OmniBook Ultra:プレミアムなクラムシェルモデルと2-in-1(Flip)構成あり。OLEDディスプレイを搭載し、AI処理にも適した構成。従来の「Spectreシリーズ」に相当。
  • OmniBook X:ややカジュアル寄りながら、2-in-1モデルも存在し、選択肢が豊富。Intel、AMD、QualcommのCopilot+ PC対応のCPUをカバー。従来の「Envyシリーズ」に相当。

以下に5モデルの主要スペックをまとめます(製品名をクリックするとHPの製品ページが開きます)。

製品名 主な搭載CPU ディスプレイサイズ 重量 価格の目安
OmniBook Ultra Flip 14-fhicon Intel Core Ultra 9 288V
(Lunar Lake)
14インチ 約1.34kg 約19~26万円
OmniBook Ultra 14-fdicon AMD Ryzen AI 9 HX 375
(Strix Point)
14インチ 約1.57kg 約18~20万円
OmniBook X Flip 14-fmicon Intel Core Ultra 7 258V
(Lunar Lake)
14インチ 約1.39kg 約14~18万円
OmniBook X Flip 14-fkicon AMD Ryzen AI 7 350
(Krackan Point)
14インチ 約1.41kg 約14~17万円
OmniBook X 14-feicon Snapdragon X Elite X1E-78-100 14インチ 約1.35kg 約17~20万円

2. Copilot+ PCについて

Microsoftが定義する「Copilot+ PC」は、次世代NPU(AI処理専用プロセッサ)を内蔵し、ローカルでも生成AIや支援AI機能が使えるWindows PCです。ただし現状、ローカルで使えるAI機能(オンデバイスAI)は限定的で、主にWebカメラ使用時の画質補正や、ペイントアプリのCocreator(画像生成・修正)といった用途にとどまっています。

この記事で紹介しているOmniBook Ultra / Xの5モデルは、すべてCopilot+ PCです。

各モデルが搭載するCPU(SoC)は以下のような特徴があります:

  • Intel Lunar Lake(Ultra Flip 14-fh、X Flip 14-fm):NPU性能とバッテリー効率に優れ、モバイル用途に向くバランス型構成
  • AMD Ryzen AI 300シリーズ(Ultra 14-fd、X Flip 14-fk):Zen 5ベースでCPU/GPUともに非常に高性能。パフォーマンス重視のユーザーに最適
  • Snapdragon X Elite(X 14-fe):ARMベースでモバイル向け。バッテリー持ちが良い反面、x86アプリとの互換性に課題(特に旧アプリや一部周辺機器)

なお、これらのCPUについて詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください:
ノートPC用CPUの選び方 - 2025年前半・最新CPU編
ノートPC用CPUの選び方 - 2025年前半・バリューCPU編

3. OmniBook Ultraシリーズ(Flip / クラムシェル)

OmniBook Ultraシリーズは、HPの個人向けノートPCの中で最上位に位置づけられるラインです。2-in-1の「Ultra Flip 14-fh」と、クラムシェル型の「Ultra 14-fd」の2モデルが展開されています。

Ultra Flip 14-fh

HP OmniBook Ultra Flip 14-fh

HP OmniBook Ultra Flip 14-fh

従来の個人向けノートPCのトップモデル「Spectre x360 14」の直接の後継機種です。CPUにIntelのLunar Lakeを搭載し、Lunar Lakeでは最高性能となるCore Ultra 9 288Vも選べます。ディスプレイは全モデルで2.8K(2,880×1,800)解像度の有機ELでDCI-P3 100%と高い発色品質を備え、リフレッシュレートも最大120Hzと高速です。また、上位モデルには4,096段階の筆圧に対応するペンも付属します。2-in-1ならではの柔軟な使い方が可能です。

この製品はウインタブで実機レビューをしており、CPU性能やディスプレイ性能だけでなく、筐体デザインや質感が「半端なくすごい」です。HPのトップモデルに相応しい「持つ喜び」を与えてくれる「上質」な製品と感じられました。

ウインタブ実機レビュー記事:
HP OmniBook Ultra Flip 14-fh レビュー - Core Ultraシリーズ2と高精細な有機ELディスプレイを搭載する上質なモバイル2 in 1 PC

Ultra 14-fd

HP OmniBook Ultra 14-fd

HP OmniBook Ultra 14-fd

こちらは2-in-1ではなくクラムシェルノート(普通の形状のノートPC)で、AMDの最新世代「Ryzen AI 300シリーズ(Strix Point)を搭載しています。Strix Point最上位のRyzen AI 9 HX 375も選べます。ディスプレイは有機ELではありませんが2.2K(2,240×1,400)と高精細なIPS液晶でタッチ対応もします。

この製品もウインタブで実機レビューをしています。OmniBook Ultra Flip 14-fhと同様に筐体は「持つ喜び」が感じられる高い質感になっていますが、ややゴツいですね。筐体重量も1.57 kgと、毎日持ち歩くには少々辛いサイズ感です。ディスプレイサイズはFlip 14-fhと同じながら、どちらかと言うと据え置きがメインの使い方に向きます。

なお、この製品はウインタブの実機レビューだけでなく、ライターの吟遊詩人さんも購入しており、ユーザー目線でのレビュー記事を投稿しています。

ウインタブ実機レビュー記事:
HP OmniBook Ultra 14-fd レビュー - Ryzen AI 300シリーズ搭載のCopilot+ PC
HP OmniBook Ultra 14-fd AI PC 実機レビュー(購入レビュー:吟遊詩人)

4. OmniBook Xシリーズ(Flip / クラムシェル)

OmniBook Xシリーズは、Ultraよりややカジュアルなポジションにありつつも、すべてCopilot+ PC対応の上位モデルです。Flip(2-in-1)とクラムシェルで構成され、使い方に応じて柔軟な選択ができます。

X Flip 14-fm/fk

HP OmniBook X Flip 14-fm/fk

OmniBook X Flip 14-fm

14インチの2-in-1 PCで、従来の大人気モデル「Envy x360 14」の後継機です。Intel版のfmはCPUにLunar Lake(Core Ultra 7 258Vなど)を、AMD版のfkはKrackan Point(Ryzen AI 7 350など)を搭載しています。fmとfkは筐体重量と筐体色が少し異なりますが、筐体は同じと考えていいです。

ディスプレイは全モデル2.8K(2,880×1,800)解像度の有機ELで発色品質はDCI-P3 100%、リフレッシュレートも最大120Hzと素晴らしい品質です。

筐体サイズやディスプレイ品質はOmniBook Ultra Flip 14-fhに近いものがありますが、価格はこちらのX Flip 14-fm/fkのほうが安く、筐体の質感もUltra Flip 14-fhのほうがワンランク上です。

従来モデルの「Envy x360 14」は「HPの上位モデルであるにも関わらず、非常にコスパが高くて購入しやすい価格」の人気モデルでしたが、OmniBook X Flip 14-fm/fkもその特徴をしっかり受け継いでいると思います。

ウインタブ製品紹介記事:
HP OmniBook X Flip 14-fm/fk - Envy x360 14の名前が変わり、Copilot+ PCになりました。ディスプレイは2.8K解像度の有機EL

X 14-fe

HP OmniBook X 14-fe

HP OmniBook X 14-fe

Snapdragon X Elite/Plusを搭載するクラムシェルノートです。ARMアーキテクチャの採用により、消費電力を抑えながら高い応答性を実現しています。ディスプレイは14インチのIPS液晶で解像度も2,240×1,400と高精細でタッチ対応もします。

ARM版Windowsも実用性が向上し、通常の事務仕事やコンテンツクリエーションには十分使えるようになりましたが、依然としてアプリの互換性に課題が残っており、購入される場合は、事前に「普段使っているアプリがARM版Windowsで動作するか」を確認しておきましょう(メジャーなアプリはほぼ動作しますが、特殊な業務用アプリなどを利用している場合は、事前確認をおすすめします)。

ウインタブ製品紹介記事:
HP OmniBook X 14-fe - 14インチで美しいデザインのSnapdragon X搭載モバイルノートがHPから登場!
HP OmniBook X 14-fe - Snapdragon X搭載のCopilot+ PCに購入しやすい価格の「スターターモデル」が追加されました

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5. 用途別おすすめモデル

5機種すべてがCopilot+ PC対応で高性能です。最終的には購入される方がご自身で決めるべき話ではありますが、ここで「OmniBook UltraとX、どっちがおすすめ?」そんな疑問を持つ読者に向けて、ウインタブとしての用途別おすすめモデルを整理しました。

なお、ウインタブとしては「Snapdragon Xシリーズ(ARM版Windows)を搭載するモデルは基本的におすすめしません」。その理由は、Windowsアプリの互換性にまだ課題が残っているためです。特に、古いアプリや業務用ツール、周辺機器との相性に注意が必要で、ビジネス用としてはリスクがあるものと考えます。

そのうえで、以下のような観点から選ぶとよいでしょう:

  • 最上級の「持つ喜び」と質感を求める人:
    → OmniBook Ultra Flip 14-fh
    (高質感の筐体・Core Ultra 9も選択可・有機EL・2-in-1)
  • 性能もデザインも優れた2-in-1を、少しでも安く手に入れたい人:
    → OmniBook X Flip 14-fm / fk
    (ディスプレイ品質はUltra Flipと同等、筐体の仕上げや価格で差別化)
  • 据え置き中心でパフォーマンス重視、持ち運びはあまりしない人:
    → OmniBook Ultra 14-fd
    (クラムシェル型・Ryzen AI 9 HX 375選択可・高性能CPUとdGPU)

また、「Intel製(Lunar Lake)とAMD製(Strix/Krackan)」の違いについても、気になる方が多いと思いますが、以下のように整理できます:

  • Intel Lunar Lake(Core Ultra):省電力性が非常に高く、バッテリー駆動時間が長い
  • AMD Ryzen AI 300シリーズ:マルチコア性能に優れ、マルチスレッド処理に強い

ウインタブとしては正直なところ「どちらを選んでも快適、としか言えない」のですが、モバイル重視ならIntel、重めの作業をするならAMDという視点で検討するのはアリだと思います。

ウインタブの実機レビューで感じた「個人的な好み」ですと、特にLunar Lake搭載機の省電力性に強く惹かれていまして、バッテリーが長持ちするHPのノートPCを探している人にはおすすめしたいですね。

6. まとめ

HPのOmniBook Ultra / Xシリーズは、Intel、AMD、Qualcommの最新Copilot+ CPUが選べる上位シリーズです。外観・性能・バッテリー・価格といった各ポイントに違いがあり、ユーザーのニーズに応じた選択が可能です。

OmniBook Ultra Flip 14とX Flip 14は、性能や機能面では大きくは変わりません。購入予算に余裕がある、Core Ultra 9にしたい、上質な筐体に魅力を感じるのならUltra Flip、少しでもコストを抑えつつ優れた機能を得たいならX Flipがおすすめです。また、Ryzenがいい!ということならX Flipですね。

OmniBook Ultra 14-fdは「Flip」とは明確に製品特性が異なります。据え置きで動画編集など高負荷な用途を想定しているなら、Ryzen AI 9 HX 375を選べるこの製品が向くと思います。

なお、Snapdragon X Eliteを搭載するOmniBook X 14-feは、ARM版Windowsであることに注意が必要です。アプリ互換性の課題が残っているため、当サイトでは「積極的にはおすすめしない」という立場を取っています。

本記事が、あなたにとって最適な1台を見つけるヒントになれば幸いです。

7. 関連リンク

執筆者:ウインタブ
2014年にサイトを開設して以来、ノートPC、ミニPC、タブレットなどの実機レビューを中心に、これまでに1,500本以上のレビュー記事を執筆。企業ではエンドユーザーコンピューティングによる業務改善に長年取り組んできた経験を持ち、ユーザー視点からの製品評価に強みがあります。その経験を活かし、「スペックに振り回されない、実用的な製品選び」を提案しています。専門用語をなるべく使わず、「PCに詳しくない人にもわかりやすい記事」を目指しています。
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